【インタビュー】XERO FICTION、Jun Gray Recordsより2年ぶりアルバム発表「耳にこびりつくポップ」

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Jun Gray Recordsの第三弾アーティストであるXERO FICTIONが5月22日、約2年ぶりの3rdフルアルバム『POP OVERDOSE!』をリリースした。Jun Gray Recordsは横山健率いるKen YokoyamaのベーシストJun Grayが2013年、ピザ・オブ・デス・レコーズ内に設立したレーベル内レーベルであり、レコ発ツアー<XERO FICTION“POP OVERDOSE! TOUR”>の初日となる明日5月29日の浜松窓枠公演は、<Ken Yokoyama New Age Tour ll>にXERO FICTIONがゲスト出演するカタチで行われるものとなる。

◆「Believe in my way」「Round and round」ミュージックビデオ

パンクやハードコア出身のメンバーが核となるXERO FICTIONだが、その音楽性をひと言でいえば、ポップ。最新アルバム『POP OVERDOSE!』では、これまでの英語詞から日本語詞を中心にしたことをはじめ、ボーカルのレコーディング方法を変えたことによるサウンド的な肌触りの変化やインスト曲の導入、クイーンのブライアン・メイを意識したギターソロなど、楽曲バリエーションは広がりを増して、この2年間の成長が刻まれる結果となった。ひとクセもふたクセも感じさせる中毒性を持った『POP OVERDOSE!』について、メインコンポーザーのコウイチロウ(G)とハルカ(Vo&Key)に訊いたインタビューをお届けしたい。

   ◆   ◆   ◆

■前作まではパンクやハードコアのカウンター
■今回は何も意識せずに自由に作った感じ

──2017年に完成させた2ndアルバム『I Feel Satisfaction』は、Ken Bandでも活躍するJun Gray(B)のレーベル“Jun Gray Records”からのリリースとなりました。メンバー自身も活動の広がりを求めて、そのレーベルを選んだということでしたね。実際にその後の手応えはいかがでした?

ハルカ:手応えはありましたね。

コウイチロウ:具体的に言うと、以前とは一緒にやらかなったようなバンドとの対バンも増えたんですよ。自分たちはもともとハードコア出身なので、ライブのお客さんもそういった人たちがほとんどだったんです。でも、ちょっとずつ変わってきたかなって手応えもあります。

──分かりやすく言うと、コワモテのお客さんから、表情の優しいお客さんに?

コウイチロウ:だから逆に、コワモテのお客さんが来づらくなっているような(笑)。

──XERO FICTIONを2012年に結成したとき、今までに出会ったことのないフィールドのオーディエンスと出会いたかったわけですよね?

ハルカ:そうです。今まで観てくれていた人たち以外にも私たちの音楽を聴いてもらってる感じがしているので、いい方向に向かっているなって思います。

コウイチロウ:もともと広がりを求めてJun Gray Recordsからのリリースをしたというのもあるので、嬉しい状況ですね。

▲3rdフルアルバム『POP OVERDOSE!』

──そうしたライブを通して、3rdアルバム『POP OVERDOSE!』の楽曲アイデアも生まれていったんですか?

コウイチロウ:そうですね。ライブを続けていくなかで“こんな曲があったほうがいいな”とか、そういったところから曲作りに入りました。

ハルカ:歌詞のことで言えば、前作までは英語だったんですけど、今回から日本語詞を中心にしたんです。お客さんに“より伝わりやすく”という考えからで、ライブではお客さんとさらに共鳴ができるかなと思っています。

──『POP OVERDOSE!』の曲作りは、具体的にいつぐらいからスタートさせていました?

コウイチロウ:前作『I Feel Satisfaction』をリリースした2017年3月には、実はほとんどの曲はできていました。

──そんなに前から!? そこから約2年間、曲のアレンジや磨き上げる作業をずっとしていたんですか?

コウイチロウ:というよりはレコーディングをダラダラしていただけっていう(笑)。

ハルカ:楽曲の基盤は出来ていて、上モノを少しずつ足していく作業にちょっと時間が掛かった感じですね。

コウイチロウ:実は前作『I Feel Satisfaction』も、リリースの1〜2年前とかに曲は完成していたんです。それがズレていってる感じですね。なので『POP OVERDOSE!』は5月リリースなんですけど、次の作品用の新曲も出来ているんですよ。

──新作の手応えを感じながら次の新曲を考えるのではなく、かなり前倒し的な?

コウイチロウ:そうです。このバンドが始まってから、もうずっとそうです。順々に自分たちのやりたいことが決まっていて、それを順番にやってるんですよ。

──結成時から数年先の青写真を描いているんですか?

コウイチロウ:そうですね。流行りに合わせるという考えもあまりないんで。自分たちの好きなように進めていくのがこのバンドのスタイルで、曲をどんどん作っている感じです。もちろん、ライブをやりながら曲を考えることもあるんですけど、もともとアイデアがあったものを形にしているという感じ。


──『POP OVERDOSE!』の全体像も、事前に考えていたんですか?

コウイチロウ:たくさん曲があって、そのなかからチョイスした感じです。1枚のアルバムになるように、曲調のバランスなども考えながら。

──それにあたってJun Grayから意見をもらうことも?

ハルカ:特になかったですね。

コウイチロウ:今回はあまりないですね。もうバンドの自由に。レコーディングがほぼ終わったときに、「こんな感じ」というふうに聴いてもらったので。

──前作と比べると、洗練具合をさらに推し進めた印象があるんですよ。ソングライターとして意識改革もしたのかなと思ったんです。

コウイチロウ:前作を作り終わったときとまた違う感じというか、クオリティがアップするように作りました。

ハルカ:私は個人的に“XERO FICTIONぽさ”から抜け出したいなって思いもありましたね。変にこだわり過ぎないというか、パンクからちょっと出て、かなりポップ寄りでもいいんじゃないかなと思ったり。敢えて自分から枠を決めるんじゃなくて、もうちょっと広がりを持って聴いてもらえたらいいなと思っているんです。

コウイチロウ:前作まではパンクやハードコアのカウンターみたいな意識で曲を作っていたんですよ。でも今回できたのは、カウンターって意識もないし、他のシーンに合わせたりすることもなかったし、自由に作った感じですね。完全にパンクも何も意識せずに。

◆インタビュー(2)へ
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