【トークセッション】SKY-HI×AWA「令和時代の音楽ビジネスはどのように変貌していくのか」

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アメリカでは2017年の時点で、音楽配信売上(ストリーミング配信など)が音楽総売上の約75%を占めている。今もガラパゴス化が進む日本市場は、音楽配信売上は約21%にすぎず、CDなどのパッケージ売上が約72%を占める状況だ。とはいえ国内のCD売上の成長率はもはや停滞しており、音楽配信売上の中でもストリーミング配信は前年比27.8%増と大幅な伸長を記録している。トレンドは間違いなく音楽ストリーミングサービスへと移行している現状にある。

そんな情勢下、音楽配信をもっと気軽に楽しんでもらいたいという思いの元、AWAが新たなサービス「アーティストプラン」をスタートさせた。「960円/月も払えないし、そもそも5,500万曲も必要ない」というライトユーザーに対し、「好きなアーティストだけなら、270円/月で聴き放題ですよ」というピンポイントなサービスだ。ファンに対して直球なプランだが、既存にない新たな施策をきっかけに、音楽シーンの活性化と音楽ファンの掘り起こしを狙いたいという想いが見え隠れする。

一方、音楽が売れなくなったとあえぐ音楽業界にあって、アーティストは音楽をビジネスとしてどのように捉えているのか。トレンドもビジネスモデルもドラスティックに刷新されていくネット社会において、ミュージシャンは音楽ビジネスをどう捉えるべきなのか?

ここでは、事業者視点とアーティスト視点の両面から「令和時代の音楽ビジネスはどのように変貌していくのか」を占うトークセッションを敢行した。登場するのは、AWA小野哲太郎社長とSKY-HIである。


▲AWA小野哲太郎社長、SKY-HI

──AWAの「アーティストプラン」には、どういう思いが込められているんですか?

AWA小野哲太郎社長:もともとAWAは「960円/月で5,500万曲がどれでも聞けます」というサービスなんですが、「5,500万曲もいらないよ」「960円も払えない」と自分には合っていないと感じている層がけっこういるんじゃないかと思うんです。アーティストプランを入り口に定額音楽に触れてもらえれば、申込みしているアーティスト以外の曲もフル尺ではないんですが聞けますので、そこから他のアーティストを好きになってフルで聞くようになるような流れを作りたかったんです。

──パッケージからストリーミングへの過渡期を体験してきたSKY-HIにとって、この変化をどう見ていますか?

SKY-HI:強いて言えば「スピードが上がった」くらいですかね。CDに収めるためには、8月に出す作品は遅くとも6月末には納品しないといけないわけですけど、その反面「今日できたから、今日録って今日発表したい」っていう曲もあって、そういうことがどんどん可能になっていった。時事的な話とか出しやすくなったし、ゴールデンボンバーの「令和」みたいに4月1日に録ってそのまま出すみたいなことで言えば、今のところはメリットしか感じていないですね。

──アーティストにとっては幸せなこと?

SKY-HI:幸せだと思いますね。

AWA小野哲太郎社長:「キョウボウザイ」の発表も法案採決からすぐでしたよね。

SKY-HI:ですね。最近も「SALU / RAP GAME ( SKY-HI Remix )」とか上げたけど、ああいう風にやれるスピード感があるのはいい。

──音楽ビジネスという点では、大きな変化を感じていますか?


SKY-HI:単純に、「その人が生み出せるもので何をお金にするか」っていうだけの話だから、どっちかっていうとCDがバブってた時代のほうが異常ですよ。ただCDを作ってその売り上げですべてをまかなおうとするっていうのが、なんか…ねえ(笑)。長い音楽の歴史から見ても相当特異な出来事だし、そこでできたスキームに未だにのっとってCDの売り上げから予想して予算を出すみたいなのは、あまりにも時代錯誤な感じはあります。仕事しながら音楽やってもいいですし、サラリーマンしながら音楽やってもいいですし、マーチャンダイズでもライブでも多種多様なお金の稼ぎ方があるわけで。「音楽を使って有名になる」というのはプラスに作用することが多いと思うので、それも含めて正常な方向に戻ろうとしているんじゃないですかね。CDバブルのほうが異常だったと思ってます。

AWA小野哲太郎社長:CDって買わないと聴けませんが、AWAみたいなオンラインのサービスは、まずは聴けるというものですから、音楽目線で言えば幸せなことだと思います。「売れることが目的で作られる」のではなく「聞かれることを目的に作る」ことがそのまま反映されやすい環境はいいことだと思うんです。一方で、デジタルミュージックの裏面にはアーティストへの権利収入が入りにくくなる現実がありますよね。

──どういうことですか?



AWA小野哲太郎社長:違法音楽アプリや違法音楽サイトの存在ですね。デジタルは簡単で手軽だからこそ、アーティストに利益が流れない仕組みもできやすくなってしまう。そこは我々のような公式で音楽配信を手がける人たちが違法アプリを駆逐する働きをしなければいけません。今回のアーティストプランも「270円で聞き放題」がゴールではなく、もっと自由にお金を回していくチャレンジの入口でもあるんです。例えば、ANARCHYのアルバム『The KING』は13,000円で発売されましたが、アーティストプランの値段自体も将来的にはアーティストに決めてもらう流れにしたいなと思っています。「今月は全部無料でいいよ」っていう月もあれば「今月は3,000円です」という月があってもいい。そういう自由さをもってきちんとお金を流通させていくところにもチャレンジしたい。

──「無料でもいいから自分の音楽を聞いて欲しい」というアーティストの表現欲求と、音楽をビジネスにするちぐはぐさって感じるところはありませんか?

SKY-HI:それは「お金を何と捉えるか」だと思います。単純に「お金」=「信頼の証」で、日本銀行券を信用券だとするなら、それが集まれば集まるほどアーティストはやれることが増えますし、生活に不安がなくなるとかその人の環境がもっと良くなることは、その人の音楽が良くなることとほぼイコールですよね。そういう環境が集まるところには、さらに才能が集まってくる。信用されているところとされてないところ、どっちに行きたいかといえば絶対に信用されているところですよ。「信用されているところ」=「お金が集まっているところ」というのは、自分に対して信用を担保してくれるということです。

──ええ。


SKY-HI:ただね、ものすごい優秀なエンジニアがいたとして、「音楽業界とゲーム業界、どっちに行こうかな?」ってときに、特に思い入れがなければ10人中9人…いやもしかしたら全員がゲーム業界に行くんじゃないですかね。そういう状況になっちゃっているのは、ひとえに音楽業界の怠慢だと思うし、そうなると新しい才能は生まれづらくなる。自分の周りにも音楽的にすごい才能のある人がいるけど、そういう人って往々にして他の才能もあったりして、結局違う業界に行っちゃうんですよね。

──音楽業界の損失だ。

SKY-HI:韓国の音楽業界では、他のこともできるような有能で多彩な人が音楽もやっているんじゃないですかね。今そこが一番のチャンスだから。

──最大の褒め言葉として「音楽を演っている連中はみんなバカ」と言ったものですが(笑)、それは間違いなのか。

SKY-HI:もともと音楽は、バカがやっていたものじゃないんじゃないですかね。ベートーヴェンとかバッハ然り。

──そうかも知れません。

SKY-HI:だってTHE BLUE HEARTSは、パンクスだけど絶対にバカじゃない。カート・コバーンだってものすごい哲学的だし。

──じゃないと強烈な求心力は持ちえないかもしれませんね。

SKY-HI:「学力」とか「コミュニケーション能力」という面では欠けている人もいるかも知れませんけど、バカっぽいパフォーマンスをしてる人でも、直接話すとものすごい含蓄なり哲学なりがある人が多い気がする。

──ミュージシャンにとって、音楽流通がパッケージからサブスクになったことはどう感じていますか?

SKY-HI:「ミュージシャンにとって」というのは、出し手として? それともリスナーとして?

──リスナーとして。音楽と接触するツールとしてどう思いますか?


SKY-HI:それはもう最高ですね。時差なしでUSの新譜が聴けるんですから。毎日通ってた凄い好きだったレコード屋さんがつぶれたりして複雑な気持ちになったりはしますけど(笑)、今日出た新譜が今日聴けるなんて最高ですよ。今の時代に生きている10代とかが羨ましくなるときがある。

AWA小野哲太郎社長:それが当たり前だから?

SKY-HI:そうですね、でもネイティブユーザーの感覚が分かんないから、羨ましがってもしょうがないけどね。お爺ちゃんに「お前セグウェイ乗れていいな」って言われても「なんかなあ」って思うし(笑)。当たり前になってくるとありがたみもなくなって、今くらいの愛情を音楽に持てていないかもしれないし、もっとナードになって家出なくなって渋谷のカルチャーに触れなかったかもしれないし、それともオレが思っているように良いことだけを享受できたのかもしれないし。どっちもあり得るよね。

──サブスクの凄さに気づかない可能性もありますね。

SKY-HI:そうですね、当たり前だから。でも結果として、ビリー・アイリッシュみたいな17歳で才能が生まれたりするわけですし、可能性はいっぱいあるから最高ですよ。今までだったら探して探してたまたまじゃないと見つからなかったような才能がポコッとフックされたりしますからね。The 1975にフックアップされたフィリピンのNo Romeとか、誰も知らない所からあっという間に世界的なスターになったり、タイのラッパーYOUNGGUが渋谷の事を歌って世界的なヒットになったり、どこで何語で歌っててもチャンスがあるのは素晴らしいと思います。そういうことが普通にあるから。最近、毎日どっかの国の人とメールしてる気がするけど、そうやって連絡くれた人の音楽をその場ですぐ聴けたりするのも、今まで無理だったから。すぐ聴けると、そこから話しも広がるよね。可能性の話で言えば「今からデータ送るからラップして返してくれ」って、その日のうちにリリースされることもあるわけですよ。結構、夢しかないすね。

AWA小野哲太郎社長:今の子どもたちを「羨ましいな」と思う部分としては、コソ聴きができるところですかね(笑)。自分が中学生の頃って「ヒップホップが好き」と友だちに言い張ったからには、ヒップホップのCDしか買えなくなったんですよね、気持ち的に。ファッションと近くて聴く音楽って自分を彩る一部分みたいな感覚があって、本当はお姉ちゃんの部屋からコブクロとかGLAYのCDを持ってきて聴いてたんですけど、友だちが遊びに来るから自分の棚には2PACとかキングギドラとか置いてました。こっそり聴くじゃないですけど、どんな曲も気軽に広く聴けるのがサブスクのいいところで「ラップしか聞かねえよ」って言いながらアイドルを聞いてもいいし、そういうところから音楽の幅が広がっていけばいい。純粋に音楽を自分の世界で楽しめちゃう感じですね。

──本当の自分と見せている自分は違いますからね。インスタだって、見せたい部分しか見せないツールですから。

AWA小野哲太郎社長:AWAもお気に入りした楽曲とかアーティストは他の人からは見えないようにしています。普通に考えたらデジタルでやるなら「ユーザーの情報を垂れ流して、ほかユーザーとの接点として利用して交流を加速させたくなるところなんですが、ところが「人間と音楽」ってそんなにシンプルじゃないよねっていうのがあります。

──「音楽との出逢いが便利すぎること」が弊害を生みませんか?富士山頂上から拝むご来光に感動するのは、並ならぬ思いをして登頂した体験が下地にあるからで、ヘリで降り立ったら感動もへったくれもない、みたいに。


SKY-HI:それはないと思いますね。富士山を苦労して登った経験はものすごい尊くて、大切だし活きてくるものだし、得がたいもの。一方で、どこでもドアを持っている人が富士山の空気を吸った直後にエベレストの空気を吸い、ここは寒すぎるって南国へ飛ぶことができたら、質の全然違うアウトプットができると思うんです。苦労や重みのある経験は誇れるけど、重みのないと思われる経験が悪いとも思わない。それは質の違いであって、どっちが良い/悪いではないかな。

──将来の音楽業界が、明るく感じてきました。

AWA小野哲太郎社長:明るいと思います(笑)。確かに聞き放題のようなサービスだとすぐにスキップできちゃったり、流し聞きするようなライトなシーンもあると思いますけど、その場でもっと掘っていくようなデジタルの良さもある。「何だ?この曲」ってなったときに、すぐにアーティストのバイオグラフィが見れて、その人の歴史がわかって考え方がわかってその人の他の音楽も知れて、誰とコラボしているのかも分かる。それって、登山でいう苦労や重みのある経験とは違った、もっといい深さが出せると思うし、僕らはそこの深さにチャレンジしていきたいと思っています。

──どのようなリコメンドを提供できるか、ポイントはそこですね。「求めていないものを心地よく提供する」ことができるかどうか。

AWA小野哲太郎社長:サブスクの場合は毎回ログインするたびに、新しい音と出逢えた/こういうジャンルがあるのか/こういうアーティストがいるのかという感動体験がないと毎月960円を払う価値が感じられない。出逢いの創出が僕らの宿命なんです。でも聴く予定のなかったものを無理矢理押しつけても聴かれないのが現実です。

──音楽の無理強いほど無粋なものはないですからね。

AWA小野哲太郎社長:そうなんです。きっかけをいかに自然にいろんなパターンで生み出せるかが一番で、そこで「なんだコレ」と感じたものを掘っていける。「きっかけ」と「ディグ」があれば、これまでメディアを通してやっていた発見と、部屋でやっていた聴くという体験の両方がひとつのアプリでできるはずなんです。


SKY-HI:音楽に限らず多分若年層が抱える問題…ひょっとしたら日本全体がそうなのかもしれないですけど、基本的に受動的で、選択肢を与えられることを望まない人が多いと感じます。「何を聞けばいいかわかんない」ってまさにそれだと思う。「英語しゃべれるようになりたいんですよ、何すればいいかわかんなくて」とかね、とりあえず本屋とか行けばって思うよ(笑)。始めてみたら何かがつかめるのに「わかんないからやらない」んですよ。

──ミュージシャンでもそうですか?

SKY-HI:若い子からよく相談も受けるけど、「こうやりたいんですけど、どうやればいいんすかね?」ってね。「じゃ100曲くらい作ればいいんじゃないかな」っていう話をよくするんだけど。

──(笑)

SKY-HI:大げさじゃなくて、100曲くらい作ると自分のスタイルもできてくるんですよ。人によってはいくつでもスタイルを持てるし、ひとつをとことん極める事もできる。書くことが普通になってくるし、作っている最中にうまくいくこともある。作り続けるとなんとかなるのに、やらないから始まらない。受動的でもいいって思っていると、目にするものが次第にアイドルとアニメとMCバトルだけになっちゃう。あとTik Tokね。そうなっちゃうと単純に文化的に貧しいから「それ、やべえな」っていうのが単純にあります。

──受動的な姿勢は日本人の性質なんですかね。

SKY-HI:ですかね。ただそれは一概に良い/悪いは言えないけど、今の状態のままだと若い子はアイドルには憧れても、ダンスに憧れることは先細っていくかもしれないし、ラッパーは仕事やりながらやるのが普通になっていくかもしれないし、シンガーソングライターはZEPPがゴールになっていくかもしれない。悪い意味で、そういう可能性はあるよ。日本武道館は大物バンドが50周年でやるところって風になっていってもおかしくない。これはやばい、衰退すると思います。

AWA小野哲太郎社長:AWAをやっていて感じているのは、日本の音楽の聞かれ方って「移ろいやすさ」は弱いのかもしれませんが、逆に「これ」となったらすごく掘っていく傾向があると思っています。オタク気質というべきかはわかりませんが、縦が深いサービスの提供の仕方はあるかもしれない。

SKY-HI:それはそうだと思う。韓国のラッパーいわく、向こうでは1曲当たったら中国でもタイでもシンガポールでもヒットする。それは「本当に羨ましい」と言ったら、「日本では、ある程度のファンがいたら全国でライブができるだろ?自分のファンがいっぱい来てくれて。それが羨ましい」と言うんですね。彼らはヒットしていてもワンマンツアーだと人が来なくてきびしく、イベントにいっぱい出るしかない。横の広さと縦の深さ、良い/悪いは一概に言えないね。

AWA小野哲太郎社長:幅も深さも両立できないですかね?


SKY-HI:両立はできると思うし、あとは割合なのかな。さっき話に出たビリー・アイリッシュだって、広く聞かれてるけど生き様含めてメッセージが強くあるから、既に深く刺さってる人にはめちゃくちゃ深く刺さってるじゃないですか。両立はできる。ただ極端に縦が深いだけだと全体としては、進まないと思う。「音楽を聞く」のではなく「応援をする」という方向にシフトしちゃったのは、アイドル文化の弊害だね、あれはカルチャーを殺したとも言えるね。「推し」という言葉も定着して、応援してくれることはめちゃくちゃ嬉しいしありがたいんだけど、応援するって決めたらその人をひたすら応援するだけで、その要素は後付けだったりするんですよね。Youtubeの「聴く前から高評価押した」とか、本当にヤバいと思うし、どんなサウンドを出したとか何を言ってるとか本当にどうでもいいのかもしれない

──ひたすらカップ麺を食べ続ける感覚ですか。

SKY-HI:「私はこのカップラーメンを食べるってもう決めてて、その銘柄を食べる。なぜなら…」ってことですよ。それって文化的な成熟のなさで、極端な事を言えば、ここ最近のアイドル文化の持つ、身近に感じて理想の友達や恋人みたいに倒錯させるって感覚はCDに固執させることでビジネスも殺したし、クオリティよりもその人を応援することを尊いとすることで文化も殺した。僕自身はアイドル文化を肯定したいと何度も思ったけど、何周もした結果、"現段階では"そういう結論に達してしまったな(笑)。

──音楽は、聴かなくてはいけない理由も責任もないけれど、人生のスパイスだったり心の糧となり、生きること自体に影響を与えたりするものでもありますから、サブスクサービスで刺激ある出逢いが体験できれば、よりリッチな音楽文化につながると期待します。


AWA小野哲太郎社長:自由に聞けていろんなものに手を出せる環境は、文化を育てやすくすると思います。冒頭に出た「お金が集まるところ」=「信頼が集まるところ」を考えれば、音楽は無料だ、いや、けしからん、など色々な意見がある中で、やっぱりミュージシャンが儲かる仕組みを僕らが作っていかなくてはいけない。それは「ここでしか聴けないからお金を払う」のではなく、「お金を払ってよりよい聴き方をする」といった、進んでお金を使いたくなる状況を作ることが命題としてあります。Spotifyの無料プランみたいに広告で稼いで権利者に分配する方法もあるけど、そろそろ、さらに新しい形の音楽とお金の流通の仕組みを作りたいと思って試行錯誤しています。

SKY-HI:アーティストとしては、音楽をつくるマインドはずっと変わらない。衣食住が一番大事ですけど、その次には心の栄養を蓄えていくことでしょう?「いい栄養でありたい」っていうのはエゴイズムとしてずっとありますよ。「食べてもらえればどんな添加物でもいいや」っていうのではなく、壊れた筋肉があるならグルタミンになりたいし、風邪を引いていたのなら漢方になりたいし。

AWA小野哲太郎社長:そういった作り手の思いが余すことなく、届けるべきユーザーさんに届く環境でありたいなと思います。CD時代ではやりきれなかったことだと思うので。

SKY-HI:音楽をつくる立場として、サービス精神はどこまでも持ちたい。けど絶対に媚びたくないっていうのはありますよ。アートとエンターテイメントとの間で悩んでいたことも過去にはありましたけど、アートって限りなくエゴイズムに近いものですからね。でも時代が変わったのはいいことだと思います。昔のオリコンみたいな「均一に統一されたメディアの権威」と「音楽」の相性はどんどん悪くなっていったでしょ?権威と音楽の相性がいいほど不健康なことはない、けど今そのバランスが世界的にも変わってきている。だからみんなハーフタイムショーに出なくなるような現象が起こるし、そうなるとビリー・アイリッシュみたいなのがポコって出てくる。ちょうど取材日がリリース翌週だったので、ビリーの話ばかりですいません(笑)。

AWA小野哲太郎社長:「届ける場所」である僕らは、民主的であるべきだと思っています。アーティストは言いたいことを言い、聴く人との接点にいる僕らは「これを聞け」ではなく「ちゃんと届ける」ことにコミットしていきたい。

──おしなべてそういう時代になってきていると言えますか?

AWA小野哲太郎社長:それは絶対そうだと思います。

SKY-HI:すべての人間にとってすべてがうまくいくことはないけれど、全体的に未来のことを考えると、いいことの方が多いと捉えることができますね(笑)。

──未来はまだまだ明るいですね。貴重なお話をありがとうございました。


取材・文:BARKS編集長 烏丸哲也

◆SKY-HIオフィシャルサイト
◆AWA
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