【ライブレポート】元ChelsyのAMIによるTENDERLAMP、東名ワンマンで「いつか大きいステージ…東京ドーム?」

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元ChelsyのAMIによるソロプロジェクトTENDERLAMPが6月1日、渋谷WWWにて東名ワンマンツアー<YUME UTSUTSU>の東京公演を開催した。同公演のオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆TENDERLAMP 画像

TENDERLAMPはちょうど一年前の2018年6月1日に始動。“弱さに寄り添い、暗闇を優しく照らすこと”を音楽活動の主軸に据え、ライブに音源制作に配信番組出演にと精力的に活動を続け、2019年5月には1stミニアルバム『YUME UTSUTSU』をリリースした。


デビューから一周年記念日に行われる節目のワンマンは、自身にとっても“挑戦”という言葉が使われる規模の渋谷WWWだ。扉を開けてフロアに入ると、TENDERLAMPの大きな看板が一際存在感を放つ。クラウドファンディングで支援を募って制作されたこの看板は、サーカスのテントのような、富士山のような、みんなの期待と高揚感が山型で表現された希望のシンボルだ。

徐々にフロアが埋まっていく開場後のフロアに流れる穏やかなSEは癒しを感じさせるもの。興奮を煽るようなBPMの高い曲ではなく、優しく包み込む選曲だ。そして午後6時、ステージ中央のカンテラに灯りがともされると、バンドメンバーが入場。主役のAMIはまだ不在だが、「名古屋ワンマンの後、(いちごアンバサダーを務める)多度グリーンファームで寄り道している」とナレーション告知され、場内に笑いが起きる。「“アミポンプライム”で大至急発送せよ」ということで、ステージに大きな段ボールが運び込まれ、その中からAMIが登場した。


ミニアルバム1曲目に収録の「BURE-NIGHT-MAGIC」からライブがスタート。「オンドラムス、わたし!」とドラムスティックを手にするAMI、間奏で高速ドラムソロを披露し、早くも会場の熱気は最高潮へ。続く「YUME UTSUTSU」でも軽快なドラムに2本のサックス、流麗なピアノが心を躍らす。観客も難度の高いリズムの手拍子にコール&レスポンスにとバンドメンバーの一員として演奏に参加。見事な一体感を見せた。

サックスが快活な「脳内パラレルワールド」、AMIのドラムソロがイントロを飾る「jealousy」と、序盤は客席の喜怒哀楽を演出するような共同作業が続く。間奏で観客をジャンプさせると、「もっとみんなと一緒に飛びたい」とAMIが無邪気に煽って新曲へ。力強い応援歌のようなナンバーに、サビでは拳を高く上げてジャンプする人があちこちに出現した。


「あちぃ~、お洋服に汗……いいや、びしょびしょにしてしまえ!」──AMI

集まったみんなの気持ちを代弁するように、率直に楽しさを表現するAMI。「わちゃわちゃしたのも好きだけど、一人の時間も好き。一人の時間に考えていることを具現化しようと思って……寂しかったり弱かったり、そんな人を照らす存在になりたい」とシリアスに語ったかと思うと、その次の瞬間には「私、意外と面白い人じゃない?」と不思議発言に笑いが起こる。どこまでもマイペースなAMIに翻弄されるこの感じが遊園地的で楽しい。

「もっとでっかくなって、もっと夢のある空間を作りたい。いつか大きいステージ……東京ドーム?に立って、メリーゴーランドを置いたり、観覧車を置いたり、夢の国のように」と何やら壮大な夢が語られるが、どうも台本のあるような不自然な語り方だと思っていたら、ミュージカル調に「いつか、必ず、夢は叶うもの」と唐突に歌い出すAMI。突然の“ショートミュージカル”から、即座にまた普通のMCに戻るが、歌唱力の高さに聴き入っていた客席からは、笑いと拍手の両方が沸き起こった。


6曲目に披露された伸びやかに、優雅な大人のシティポップも新曲だ。曲が終わって暗転すると、静かなピアノがつなぐ。“綺麗で繊細なまあるいガラスを持った少年 / そのガラスは紛れもなく彼の宝物で、彼そのもの”というAMIの語りから始まった7曲目は「まあるいガラス」。序盤は優しく繊細だが、終盤にかけて歌声が力強さを増していく。8曲目もスローバラードチューン「MoonLight」。AMIはステージ中央に泰然と構え、真っ直ぐ歌い上げた。

バラード曲を続けたAMIは観客に想いが届いていることを確認すると、改めて笑顔を見せた。そして、「一緒に歩いて踊れますか?」と呼びかけるとバンドメンバーも全員ステージ最前列に横並び、午後7時の「まよなかさんぽ」がスタートした。明るく軽く、ふわっとふんわり、サビでは観客も振り付けを一緒に行う。さらに「スノードーム」では切なくも優しいサビに合わせて手をキラキラさせる振り付けを全員で行った。同曲の2番からはドラムも加わるのだが、2番のサビでAMIはドラムスティックを両手に振り付けを行うので、いっそうきらめきが増していく。


「一年前にこの活動を始めて、わからないことだらけだったけど、やってみてわからなければ勉強すればいいし、できなければもっとやればいいと思ったのです。不器用かもしれないし、下手くそかもしれないけど、でも前を向いて私は自分の思う最高のエンターテインメントを作っていく。私、今日の景色、本当に忘れません。本当にありがとう」──AMI

集まった観客に決意表明と謝意を届けたAMIの表情は、いつもは100点満点の笑顔だが、この時ばかりは少しシリアスになっていた。本編ラストはポップでキャッチーな「あなたいろ」で締めくくり。ステージを縦横に駆け回り、全身全霊で「しあわせ」を振りまいた。そんな陽のエネルギーで充満した会場からは当然のようにアンコールが起こる。すると、ステージ手前にもう一台のキーボードがセッティングされた。


再びステージに姿を現したのはAMIが一人。1年前の様々な変化を受けて「自分のけじめみたいな気持ちで作りました」という新曲「南風」がピアノによる弾き語りで披露されたが、ステージでのピアノ弾き語りは自身初だという。切ない旋律に乗せて、“届けたいけど届かない思い”を情感たっぷり歌い上げた。

そしてバンドメンバーを呼び込むと、ステージ中央にスクリーンが降りてきた。そこに映し出されたのはAMI演じる「8歳のあず姫」。何やら一生懸命告知するその内容は、8月にAMI演じるあず姫による演奏あり演技ありのひとり芝居公演を行うというものだった。思わぬサプライズだが、あず姫の強烈なキャラクターに、笑いとも驚きとも似つかぬざわつきが起こった。


「アンコール、ありがとう!の気持ちは最後の曲に込める」と宣言し、最後はTENDERLAMP名義での初リリース曲「ベテルギウスのなみだ」を演奏。問いかけるように、話しかけるように、観客一人ひとりに丁寧に歌いかけ、最後はドラムを華麗に叩いてステージの幕を下ろした。渋谷WWWの規模に相応のスケール感大きなライブに、満杯の観客の満足げな表情が垣間見えた。

■<TENDERLAMP 東名ワンマンツアー YUME UTSUTSU>2019年6月1日@渋谷WWWセットリスト

01. BURE-NIGHT-MAGIC
02. YUME UTSUTSU
03. 脳内パラレルワールド
04. jealousy
05. JUMP!
06. 夢はひそかに (Cover)
07. つかのまのholiday
08. まあるいガラス
09. MoonLight
10. まよなかさんぽ
11. SNOWDOME
12. あなたいろ
encore
en1. みなみかぜ
en2. ベテルギウスのなみだ

▼バンドメンバー
くわっち(桑原康輔):Keyboard & Program
萩原みのり:Bass
上野 悠:Sax
高橋 遊:Sax & Chorus

■演劇『あず姫は家出をした』

8月16日(木)〜8月18日(日) ※全6回公演
・8月16日(金) 14:00公開GP。/ 19:00
・8月17日(土) 13:00 / 19:00
・8月18日(日) 12:00 / 17:00
劇場:下北沢 楽園
〒155-0031 東京都世田谷区北沢2-10-18 藤和下北沢ハイタウンB棟 地下1F
脚本・演出:秦建日子
出演・歌・演奏:AMI (TENDERLAMP)
▼日替りスペシャルゲスト
・豚の花子とその飼い主
・鶴
・ご正室
・犬
▼チケット
あずプレミアムチケット ¥7000
※ピクチャーチケット+VIPシート+あず姫とステージにて記念写真&あず姫ポスター(A3)にサイン
あずからのおみやチケット ¥8000
※ピクチャーチケット+VIPシート+あず姫とステージにて記念写真&あず姫ポスター(A3)にサイン+記念おみやグッズ
Musing http://musing.jp/ticket/azuhime/

通常チケット(全席指定/税込):前売り券 ¥4,000 / 当日券 ¥5,000
※未就学児の御入場はご遠慮ください
一般発売:2019年6月1日(日)21:00
PC https://ticket.corich.jp/apply/100558/
携帯 http://ticket.corich.jp/apply/100558/

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