【インタビュー】24歳の演歌歌手・徳永ゆうき、つんく♂サウンドプロデュース“ポップン演歌”で新境地へ

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■つんく♂さんとご一緒させていただけるとは
■演歌と若者の架け橋になりたい

──歌詞の世界で、歌いやすい、難しいとかあったりします? たとえば恋愛ものとか。

徳永:僕は千昌夫さんの「北国の春」を最初に覚えたので、旅情演歌とか、望郷演歌とか、「ふるさとのはなしをしよう」みたいな、ああいうジャンルは好きですね。恋愛系はあんまり歌わなくて、気づいたら望郷とか、あとは股旅ものとかが多いです。

──恋愛ものはちょいと苦手ですか。苦手とか言うと悪いですけど。

徳永:まあ、苦手ですね(笑)。そういう経験がないから、いまいち世界観がわからないというか、難しい。上京してきて一人になって……という経験があるので、ふるさとに対する思いの方が気持ちが入りやすいところはあります。

──これからですね。

徳永:そうですね。とか言って、どうかわからないですけど(笑)。いろいろ経験して、ですね。


──先走っちゃいますけどね、今度のシングルのカップリングがそういう曲じゃないですか。恋愛ソングの「夜明け前」。

徳永:そうなんですよ。「♪二人夜明け前に消えましょう」とか、ついに来たか!と思いました(笑)。こういう大人な歌は、いずれ歌うだろうなとは思ってましたけど、まさかここで来たかと。「徳ちゃん、ちゃんと大人になって想像してね」って言われたんですけど、「想像できひんなー、経験あらへんからなー」って思いながら。でも歌いやすいと思いますし、今までにない曲調ですし、「渋谷節だよ青春は!」とあわせて、両方いい感じだと思いますね。

──その「渋谷節だよ青春は!」ですけども。これは望郷とも恋愛とも違う、タイトル通りに溌剌とした青春丸出しソング。応援歌というかお祭りソングというか。

徳永:本当にノリのいい楽しい1曲になったと思います。

──イントロだけだと誰の曲かわからない(笑)。ダンス・ミュージックみたいなことになっていて。

徳永:イントロ聴いた時は「えっ!」と思いましたけど。歌い出しで「♪は〜風切って 今日も行く」って、演歌チックやなと思ったんで、これなら行けそうだなと。でもアップテンポなので、つんく♂さんに「これ速くないですか」って言ったら、「北酒場」と同じくらいちゃう?って。だから「歌えると思うよ。速いと思うのは思い込みやで」と言われて、確かにそうだなと思いました。歌ってみたら本当に楽しい1曲で、曲中に駅員さんの物まねも入れてくださいましたし、すごく面白い曲になりましたね。


──これは元々NHK『ニュース シブ5時』のテーマ曲を、という話があってから始まった。

徳永:『シブ5時』さんが、つんく♂さんプロデュースで楽曲を作るという話がありまして、じゃあオーディションをしようかということになり、そのオーディションに受かりまして、それで書き下ろしてくださったんです。めちゃめちゃ緊張しましたけどね、オーディション。演歌を歌っていて、つんく♂さんとご一緒させていただけるとは思ってなかったですし「あのつんく♂さんとお話させていただけるんや」というワクワク感もあり、変なテンションやったんですけど。つんく♂さんはハワイにいらっしゃったので、テレビで繋いで、オーディションの最後に「ありがとうございました。最後にやり残したことはないですか」と言われた時に、「車掌さんやってへん」と思って、最後の最後に車掌の物まねをぶち込んだんです。それがまさか歌になるとは思いませんでした。

──やって良かったですねえ。

徳永:それで「合格しました」という通知を受けまして、まさか受かるとは思ってなかったので、びっくりしました。その後つんく♂さんから宿題をいただきまして、それがバラードやったんですよ。「ひとりぼっちのハブラシ」と「なんでやねん 心配せんでもええ」の2曲で、「ああ、こんな曲になるんやな」と思ってたんですけど、いざ出来上がったデモを聴いて、「え?」って(笑)。最初は、うまいことマッチングするのかな?って思いましたね。

──NHKといえば渋谷。渋谷といえば若者の街。若者と言えば青春とダンス・ミュージック。合ってると思いますよ。

徳永:歌詞もストレートで、「そうさ 胸を張って もっと 力抜いて」とか「他人(ひと)は他人(ひと)だから 何も怖かないさ」とか、伝わりやすい歌詞だと思います。日本を元気づける、そんな応援ソングだと思います。


──この、車掌のところのセリフも全部、つんく♂さんですか。

徳永:そうです。一番の、「「片思い」「失恋」「挫折」駅で 特急「男前」の通過待ちをいたします」というセリフは、男前はどんどん追い抜いていくからって、うまいこと言わはるなと。で、二番で、「男前に追いつくためには臨時特急「ラッキー」に乗らないと追い付かないんだよ」と言うてはって、「そこに繋がるのか!」と。

──でも「駆け込み乗車はおやめください」(笑)。

徳永:「それくらいみんな必死なんやぞ」と。面白いなあと思いました。

──身につまされますね(笑)。ぜひ、いろんな年齢の方にも聴いていただけたらなと。

徳永:本当に年齢問わず、老若男女問わずの、みなさんの応援ソングになると思います。日本中を元気に明るくできる1曲だと思うので、どんどん広めていきたいですね。


──結果的に、ダンス・ミュージックっぽいサウンドの、ポップスと演歌のミックスといいますか。

徳永:つんく♂さんに聞いたら、ポップス and 演歌で「ポップン演歌やな」と言ってました。新しいジャンルやなと思いましたね。最近は「ダンシング・ヒーロー」とか、「U.S.A.」とか、高校生が踊ったりしてますけど、これもダンスで盛り上がる曲だと思うので。ぜひ、どこかの高校でやってくれへんかな?と思いますね。

──そこ押しましょうよ。みんなで踊ろう「渋谷節だよ青春は!」。

徳永:せっかく渋谷節なんで、渋谷の学校で踊っていただけたら嬉しいですね。「渋谷」のところを、自分たちの住む地域に変えていただいてもいいですし。

──いいですね。今、そういうバズり方しますからね。高校野球でブレイクした「ダイナミック琉球」とか。

徳永:そうですね。何が正解かわからないし、意外な形でバズったりするので。ああいう現象になりたいですね。どういう形であれ、火が付いたら「よっしゃあ!」ですし。もちろん僕も歌を届けるように頑張りますけど、みなさんにも一緒に盛り上げていただけたら嬉しいです。

──今後は、演歌、歌謡曲、ポップス、いろんなものを並行してやっていきますか。

徳永:もちろん演歌を軸としての活動なんですけど、「Lemon」以降、もっとポップスを聴きたいという方が増えてきたので、バランスを取りながら、いい具合でできたらなと思います。「ゆうきくんの演歌が聴きたい」と言ってくださる方を大事にしつつ、新規の方にも楽しんでいただきたいので。でも昔から応援してくださる方も、新しくファンになった方も、共にこの「渋谷節だよ青春は!」に関しては、いい評価をしてくださっているんですよ。

──ちょうど真ん中に。

徳永:まさに「ポップン演歌」やなと。ポップス好きの方も盛り上がるし、演歌好きの方も歌えるし、会場が一体になるというか、タオルを振り回してくださる方もいたりして。

──演歌でタオル回しは新しい(笑)。

徳永:今までに見たことのない光景ですね(笑)。そうやってみなさんに楽しんでいただけてる、それが僕にとって本当に嬉しいことなので。そして、特に若い方には、演歌の良さに早く気づいてほしいですね。僕は18でデビューさせていただいた時から、演歌と若者の架け橋になりたいという思いがあって、それこそTBSさんの『演歌の乱』を見て、演歌歌手の素晴らしさ、歌唱力の高さを、今まで演歌に興味なかった世代の方にも見せられたと思うんです。他にも島津亜矢さんがポップスのカバーをしたり、八代亜紀さんがジャズを歌われたり、先輩方の姿を見ると、演歌歌手ってすごいよなって僕自身が思うので。今は演歌と若者の架け橋になれる波が来てると思いますし、それに乗るか乗らないかは僕次第なので、しっかりと波に乗りきれるように行きたいですね。

取材・文◎宮本英夫

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New Single「渋谷節だよ青春は!」


2019年6月5日(水)発売
¥1,300(税込)
[CD]
01.渋谷節だよ青春は!
02.夜明け前
03.渋谷節だよ青春は!(オリジナル・カラオケ)
04.夜明け前(オリジナル・カラオケ)

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