【インタビュー】TETORA、『教室の一角より』は本当のことしか歌っていないアルバムです

ポスト

▲左より、ミユキ、上野 羽有音、いのり

京都・大阪出身のメンバーによる3ピースガールズバンドTETORAが1stフルアルバム『教室の一角より』を大阪のインディーズレーベルOrange Owl Recordsから6月26日にリリースする。2018年10月にタワーレコード梅田大阪マルビル店限定で発売されたシングル「イーストヒルズ」が、店頭の試聴機で聴いたリスナーから火がつき、MV「ずるい人」も25万回以上再生されている等、話題になっている中での待望のフルアルバムだ。初インタビューとなる3人に、バンドの成り立ちやルーツ、楽曲について聞いてみた。

■自分で曲を作ったら、どう歌っても間違いじゃない
■だから、そこから曲作りを始めたんです


――TETORAは2017年に結成されたそうですね。

上野羽有音(Vo.Gt)(以下、上野):2年ぐらい前に同級生と組んだバンド(当時はTETRA)からメンバーが全員脱退してしまって、メンバーを探していたら、ライブハウスで出会ったミユキちゃんがサポートをやってくれるというので、お願いしたんです。そこに、ミユキちゃんの高校の先輩のいのりさんが入って今のTETORAになりました。

――3人それぞれが別のバンドをやっていたんですね。今の音楽性とは違う感じで?

いのり(Ba.Cho):違ったと思います。

ミユキ(Dr):私はTETORAに入る前は男の子ボーカルのバンドを2つやっていました。ガールズバンドを組もうと思っていなかったので、新鮮で楽しいです。

――バンド名の由来は?

上野:それが、昔のメンバーが付けたバンド名なので、わからないんです。すみません(笑)。

――そうですか(笑)。でも、上野さんは前のメンバーに由来を聞かなかったんですか?

上野:私は、バンド名に濁音があると良いと思ったので、「ビール」を付けたいと思っていたんです。でも全員にめっちゃ却下されて、気付いたらこのバンド名になっていました。

いのり・ミユキ:あははははは(笑)。

――みなさんは、どんなきっかけで歌や楽器を始めたんですか。まず、Vo.Gtの上野さんは左利きなんですね。

上野:そうです。家にフォークギターがあって、ずっと弾きたかったんですけど、右利き用だから弾けないと思っていたんです。そうしたらお母さんが“弦を張り替えたらええやん”って教えてくれて。エレキは左利き用を買ったんですけど、アコギは今もそんな感じで使ってます。

――バンドを始めたきっかけは?

上野:私は京都出身なんですけど、地元の<京都大作戦>に毎年行っていて。行っているうちに「自分もやらな!」と思って。ずっと声がコンプレックスだったんですけど、歌わないと<京都大作戦>に出られないと思ってバンドメンバーを探しました。

――声のコンプレックスを歌なら個性にできると思ったということ?

上野:いや、バンドを始めたときも自分の声は嫌いでした。でも、歌を聴いてくれた人たちが“いいね!”って言ってくれて、もしかしたら良いのかなって最近思い始めているところです。


――今年は<京都大作戦2019前夜祭 牛若ノ舞台 宵山2019>に出演が決定しましたね(7/5「~ KYOTO MUSEの乱 ~」に出演)。

上野:そうなんですよ。<京都大作戦>が原点なので、夢が叶いました。

――いのりさんがベースを初めたきっかけは?

いのり:小さい頃から8年ぐらいピアノをやっていたんですけど、“音楽は好きだけどクラシックは違うな”と思ってやりたくなくなってしまって。部活では吹奏楽部に入ってトランペットとサックスをしていて、それも楽しかったんですけど、高校で軽音部に入って支える楽器の方がカッコイイなと思ってベースをやるようになりました。その頃、東京事変の「キラーチューン」を聴いて、亀田誠治さんのベースがめっちゃカッコイイと思って、ベースが好きになりました。

――ドラムのミユキさんはいかがですか。

ミユキ:私も小さい頃にピアノを習っていて、ピアニストになるのが夢だったんですけど、やっぱり向いていないなと思って。中学で吹奏楽部に入ってトランペットがやりたかったんですけど、やりたい子が多すぎてオーディションに落ちちゃって、パーカッションをやることになって。やってみたら奥深さを知って、高校の軽音部に入ってドラムをやるようになったんです。バンドをやりたかったのは、UVERworldさんが好きで、ライヴもめちゃめちゃ行っていたからです。

――この3人で始めることになったときに、“こんな音楽をやろう”という話はしましたか。

上野:特にしなかったかもしれないです。私が曲を作っているんですけど、弾き語った曲を聴いてもらって、それを2人が“ええやん!”って言ってくれて、それからスタジオでベースとドラムが合わして、さらに“ああ、ええやん”ってなって……。“ええやん”で今が成り立ってます。

いのり・ミユキ:(笑)。

――2人は最初に上野さんの曲を聴いたときに、“ええやん”と思ったということ?

ミユキ:もう、“ひと聴き惚れ”というか、初めてライヴを観たときに私が一方的に好きになって、自分から“サポートさせて!”って言ったんです。それぐらい、めちゃくちゃ曲が好きです。

――“ひと聴き惚れ”したポイントってどんなところにあったんですか。

ミユキ:曲も好きなんですけど、歌詞がまっすぐ一直線なんです。すぐに伝わってくるんですよね。そういう歌詞がすごく好きになって、曲調も私の好みだったので、一緒にやりたいと思いました。

いのり:私もお客さんとして観に行ってたんですけど、“ええやん”と思っていました(笑)。バンドに入るとは思っていなかったんですけど、メンバーが抜けて声を掛けてもらって嬉しかったです。

――上野さん、メンバーに絶賛されていますね。

上野:よかったです(笑)。

――作詞作曲はどうやって始めたんですか。

上野:高校の頃にカラオケに行くと、みんなキーの高い西野カナさんの曲とかを歌うんですけど、私は高いキーの声が出なくて。“どうやったら、みんなと一緒に歌えるんだろう?”って考えたんですけど、自分で曲を作ったら自分で歌えると思って。自分で曲を作ったら、どう歌ってもそれは間違いじゃないじゃない。だから、そこから曲作りを始めたんです。

――すごく独特なポジティブさがありますね。何が起こってもサバイバルして生きて行けそうな。

上野:そうですよね(笑)。

――この3人になってから、『イーストヒルズ』をリリースしたりMVも何曲か公開されていますね。周りの反響はどうですか?

上野:う~ん、いとこが増えました。

ミユキ:えっどういうこと?

上野:全然喋ったことがないいとこから、“MV見たで、がんばってんねんな”とか言われるようになって。急に知らないいとこが増えました。

いのり:ははははは(笑)。

上野:それとか、あんまり仲良くなかった友だちが言ってくれたり、知らなかった人と知り合いになりました。

いのり:私は“この人誰やったっけ?”みたいな同級生からLINEが来たりしました。

上野:わかる!

ミユキ:私もそんな感じで、学校の先輩や後輩から“見たよ!”とか連絡が来て驚きました。

――そういう反響は、想像していましたか?

上野:あまり気にしてなかったです。“反響があるかな?”ということすら思っていなくて、“好きなことをやって出した”という感じで。

◆インタビュー(2)へ
この記事をポスト

この記事の関連情報