【インタビュー】TETORA、『教室の一角より』は本当のことしか歌っていないアルバムです

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■メンバーに“ええやん”って言われるのが嬉しい
■2人の演奏が加わることで味付けされる気がします


――1stアルバム『教室の一角より』は、どんな決意で作り始めたんですか?

上野:『教室の一角より』は、やっとこのメンバーで演奏した曲だけを録ってアルバムにしたという感じです。アルバムに入っている曲は昔のメンバーで録ったデモもあって、それをやっと今のメンバーで再録できました。

――13曲って結構なボリュームですよね。

上野:“今のTETORAやで”という曲が全部詰まっています。ライヴでやっている曲に加えて、今の3人で作った「素直」「もう立派な大人」「頑張れた」「レイリー」「憧れ」などの13曲です。

――このアルバムを『教室の一角より』と名付けた理由は?

上野:高校のときに、授業中に寝ていたり隠れて携帯を触っていたりしますよね。私もそういう人だったんですけど、先生に怒られながら歌詞を書いたり曲を作っていたんです。そういう教室の一角で書いてきた曲をようやく今出せたということで、このタイトルにしました。

――ようやく出せたというのは、その頃からバンドで作品を出したい、バンドをやって生きて行きたい、と強く思うようになっていたということですか。

上野:メルヘンって思われると嫌だから、あんまり人に言っていないんですけど、高校の頃に夢でステージに立っているのをめっちゃ見たんです。それが<京都大作戦>のステージかどうかはわからないんですけど、雨が降っている中で人がいっぱいいて、私は歌わないでただ泣いているだけなんです。それを見てお客さんもワーって泣いていて。そういう夢を見てから、“あ、将来どこかでこんなことがあるんだ”と思って、それを求めてやっています。それからは、そうなれるように頑張ろうと思ってますし、それ以外のことは何も考えていないです。

――アルバムが出来上がって、どんな思いを持っていますか。

ミユキ:歌詞を読むのが好きなので、“こういうことを考えてたんだ”とか思いながらレコーディングしていたのがすごく楽しかったです。羽有音が日常で言いそうなことが歌詞に盛り込まれているので、改めて聴いて結構面白いなと思いました。

――上野さんは、どんな気持ちで歌詞を書いているのでしょうか。

上野:喋るのがめっちゃ苦手なんですよ(笑)。綺麗な日本語が出てこなくて。なのでその分、歌詞ではちゃんとしたことを言いたいと思って書いています。

――テーマとしては、日頃自分が感じていることや恋愛のことが多いですか。

上野:そうですね、そういうことが多いです。

――『教室の一角より』は、一枚を通してどんなことを歌っているアルバムだと思いますか。

上野:う~ん……。“本当のこと”ですね。本当のことしか歌っていないアルバムです。

――いのりさんにとってはどんな一枚になりましたか。

いのり:私も歌詞が好きなので、よく聞くんですよ。“いつものお菓子とパックジュース(「日常」の歌詞)ってなんなん?”とか(笑)。自分が“ええな”って思っていたバンドに入ることができてアルバムを作ることができて、めちゃくちゃ誇りに思いますし嬉しいです!

上野:ええメンバーや(笑)。


――上野さんにとっては、いのりさんやミユキさんに曲を聴かせて良いと思うかどうかが、曲を完成させる上で重要なのですね?

上野:正直、ボイスメモで送ったときにメンバーに“ええやん”って言われるのが嬉しいですね。ただ、スタジオで3人でやったときに完成形は変わります。そこで、より良くなった曲がアルバムに入っています。2人の演奏が加わることで味付けされる気がします。

――歌を前面に出しているものの、曲の中で押し引きがあって歌詞に沿ったアレンジの工夫をしているなと感じました。ドラム、ベースはどんなことを考えて演奏しているのでしょうか。

ミユキ:とりあえずは1曲を通して自分が考えたフレーズをやって、羽有音がこうしてほしいというものがあれば変えたりもします。歌詞をすごく聴かせたいので、一番は“ボーカルを邪魔しない”ことを考えています。

いのり:私も、歌声も歌詞も好きなので、歌が目立つようにしたいという気持ちが一番にあります。ベースは考えすぎちゃうとできないので、スタジオで決めたりもします。それと、たまに夢でベースを弾いているところを見たりするので、起きて“これは!”って思い出してそのまま弾いたり(笑)。“これはこの曲でやるのかな”って、弾いているのが見えるんですよ。

上野・ミユキ:え~!?

――夢ネタが多いバンドですね(笑)。ミユキさんも夢エピソードないですか。

ミユキ:羽有音に怒られてクビになる夢をよく見ます。

上野・いのり:あははははは(笑)!

上野:“目が覚めたら泣いてた”って。

ミユキ:そうそう(笑)。

――夢にまでバンドのことが出てくるぐらい、いつもバンドのことばかり考えているんですね。

上野:そうですね。

――MVも公開されている「ずるい人」は、とても短い曲ですね。

上野:この曲は、2番まで綺麗に作っちゃうのが悔しくて、“1番だけしか作ってないねん!”という気持ちで書きました。

――それは、歌詞に出てくる“君”に対して悔しいということ?

上野:そうです。なんか、別れたのにズルズル歌ってるのも悔しいなと思って、“パンッ”と終わらせました。

――すごくダイレクトに、歌う対象がいるんですね。

上野:はい、いつも“この人に書く歌”と決めて書いてます。

――それこそ、「告白」という曲も〈私は君の事が好きなのです〉とストレートに歌っていますよね。

上野:「告白」は、“ずるい人”と付き合ってた頃に書いた曲で、別れを告げられる曲なんです。“ずるい人”が「告白」を歌っていて、それで書いたのが「ずるい人」の歌詞なんです(笑)。

――ああ~、なるほど!繋がっているんですね。

上野:「告白」は、私が片想いで好きって告白する曲じゃなくて、別れを告げられる曲です。「告白」は泣きながら作ったんですけど、それをめっちゃ楽しそうに歌っていたので、そのことを「ずるい人」で書きました。

――「告白」の歌いまわしやリズムにはヒップホップ的な印象も受けますが、曲としてはどんなイメージで作りましたか。

上野:これは、G-FREAK FACTORYさんの「日はまだ高く」を聴いて、“こんな曲が作りたい”と思って書きました。結果、全然似てはいないんですけど、曲の原点はそこですね。

――1曲目の「素直」は、MVも公開されていますね。

上野:先に公開されていた「ずるい人」のMVを見た人が、コメントで“TETORA好きです!こういうふわ~とゆったりするライヴが大好きです”って言ってくれているんですけど、“違うで!”と思っていて(笑)。それでこういう速い曲も作りました。

――では、それぞれが推したい曲と聴きどころを教えてください。

いのり:「もう立派な大人」は、歌詞も良いんですけど、個人的にベースを弾いていて一番楽しい曲です。それと、「憧れ」の家族のことを書いた歌詞。私は上野家じゃないのでわからないですけど、家族の風景が見える曲なので好きです。曲の構成も好きです。

ミユキ:私も、「もう立派な大人」が好きです。曲の途中でリズムが変わるんですよ。そのドラムがすごく好き。ライヴでもこの曲はちょくちょくやってるんですけど楽しいです。それと、「レイリー」はAメロに入るドラムのフレーズを結構考えて叩いているので、思い入れがある曲です。

上野:2曲選ぶとすると、1つは「レイリー」です。私は恋愛の曲を結構書くんですけど、これは恋愛の曲ではなくて、自分の考え、精神を書きました。人がどう感じるかはわからないですけど、私にとっては人生で初めて優しい曲を書いたつもりです。もう1曲は「憧れ」です。この曲は初めて家族について書きました。レコーディングのとき泣きながら歌っていたんですけど、自分の中で“平気、平気!”と思っていることを歌詞にしてみたら、急に心が痛くなったんです。家族の歌をあえて書いてなかったんですけど、作ったらやっと正直になれた気がしました。

――さて、初のツアー<TETORA 「教室の一角より」リリースツアー“わんぱくツアー”>が行われますが、意気込みを聞かせてください。

上野:わんぱくに、がむしゃらで、全力でライヴしに行きます。

――TETORAはこれからどんな夢を持ってバンド活動をしていきますか?

上野:いつか、伝説になります。

いのり・ミユキ:おぉ~!

取材・文●岡本貴之


リリース情報

『教室の一角より』
2019年6月26日発売
2500円(税抜) OOR-001
1.素直
2.出来ないよ
3.今日くらいは
4.もう立派な大人
5.告白
6.ずるい人
7.ワンダーランド
8.とおい
9.頑張れた
10.イーストヒルズ
11.日常
12.レイリー
13.憧れ

ライブ・イベント情報

<TETORA 1st FULL ALBUM 「教室の一角より」リリースツアー“わんぱくツアー”>
2019.07.27 [Sat] 心斎橋BRONZE
2019.07.30 [Tue] 渋谷O-Crest
2019.07.31 [Wed] 名古屋Party'z
2019.08.06 [Tue] 福岡Queblick
2019.08.08 [Thu] 岡山 CRAZY MAMA 2ndROOM
2019.08.12 [Mon] 八王子RIPS
2019.08.14 [Wed] 千葉LOOK
2019.08.15 [Thu] 新潟RIVERST
2019.08.30 [Fri] 京都MUSE
2019.09.01 [Sun] 神戸太陽と虎
2019.09.06 [Fri] 高松DIME
2019.09.09 [Mon] 水戸LIGHT HOUSE
2019.09.11 [Wed] 横浜F.A.D
2019.09.13 [Fri] 仙台enn 3rd

<スペースシャワー列伝 第140巻~追風待月の宴~>
2019.06.15 [Sat] Shibuya WWW
ACT ハンブレッダーズ
kobore
Half time Old
TETORA

<ヤングオオハラ「OOHARA EXPRESS 2019」>
2019.06.22 [Sat] 心斎橋Pangea
ACT ヤングオオハラ
TETORA

<マイアミパーティ presents ただいま、おかえりツアー2019>
2019.06.23 [Sun] 名古屋CLUB ROCK'N' ROLL
ACT マイアミパーティ
ネクライトーキー
TETORA

<ゆうき presents BEATNUTS>
2019.06.27 [Thu] 高田馬場club PHASE
ACT Unblock
The Jest
Jacob.Jr
TETORA

<SHE'll SLEEP 3rd Demo E.P.“Days”Release Party 【“Still Awake”vol.2】>
2019.06.30 [Sun] 松本ALECX
ACT SHE'll SLEEP
RIDDLE
TETORA
andmore...

<牛若ノ舞台 宵山2019~KYOTO MUSEの乱~>
2019.07.05 [Fri] 牛若ノ舞台 宵山2019~KYOTO MUSEの乱~
ACT 京都大作戦2019
~倍返しです!喰らいな祭~
「 牛若ノ舞台 宵山2019 」
~KYOTO MUSEの乱~
Maki
OCEANS
Hakubi
UMEILO
TETORA

<見放題2019>
2019.07.06 [Sat] 見放題2019
ACT アメ村周辺サーキット
TETORA

<A TENTION!>
2019.07.09 [Tue] F.A.D YOKOHAMA
ACT レイラ
かたこと
ユレニワ
FEEDWIT
TETORA

<MORNING RIVER SUMMIT2019>
2019.07.13 [Sat] MORNING RIVER SUMMIT2019
ACT 大橋ちっぽけ
osage
OverTone
THREE1989
竹内アンナ
Czecho No Republic
バンドハラスメント ビッケブランカ
LAMP IN TERREN
TETORA

<Odd Number Festival 19 summer >
2019.07.13 [Sat] Odd Number Festival 19 summer
ACT 会場 : 名村造船所

<桃子 presents 桃太郎の新地開拓 vol.2>
2019.08.28 [Wed] 大阪ESAKA MUSE
ACT ゼンマイジカケ
One Shot Riot
有澤百華
TETORA

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