【速レポ】<SATANIC CARNIVAL>EGG BRAIN「何歳になっても輝き続けろ!」
Motion City Soundtrackの「Everything Is Alright」を背負って登場した3人は、まさにそのSEが表す通り、晴れ晴れと気持ちのいい笑顔である。2015年から2018年まで約3年の活動休止を経て、SATANIC CARNIVALにも5年ぶりの帰還となるステージ。言葉は要らないだろう。全力の笑顔で立っている3人の姿そのものが、このステージに期するものと喜びのすべてを表している。
◆EGG BRAIN画像
そこから雪崩れ込むようにして立て続けにぶっ放された「CROSS THE SKY」「METEOR」は、ソリッドな8ビートの中につんのめりそうなほどの音のスピード感がある。何もかもを振り切って、ただ前向きに、ただひたむきに進んでいくための疾走。成熟など無縁とばかりに、陽光の中を青春感いっぱいにひた走るライヴは、健在どころかさらに若返っているように見える。
スタート当初からこのフェスティヴァルが掲げている“ラウドミュージックの居場所”という言葉には、脈々と連なるラウド/パンクの今をプレゼンテーションしていく意志と同時に、縦と横の線の両方で濃密なユニティを築いて受け継がれてきたシーンを踏み締めてきたバンド達の“還るべき家”としての意味も宿るようになった。徹頭徹尾陽性のヴァイブスを湛える大文字のメロディックパンクを大切に抱きしめてきたEGG BRAINにとって、その音楽を伸び伸びと解放できる場所として絶好のステージだろう。なおかつ、青春と仲間を歌の心臓にしてきたEGG BRAINにとっては、PIZZA OF DEATHに限らず、これまでの道のりで出会ってきた同胞達との絆を背負ってライヴをすることは、そのまま彼らの音楽のバネとエネルギーになるものなんだろう。
たとえば裏打ちのハットと歌の掛け合いで縦に跳ねる「MUZIC」や、緩やかなアルペジオと重心の低いリズムが絡み合う「YEAH!YEAH!」にも顕著なように、そして「楽しんでるか?」「遊んでるか?」と何度も声をかけるジョーイの姿が象徴するように、EGG BRAINのライヴには「楽しいことほど人と分かち合いたい」という執念がダダ漏れている。行けば行くほど、生きれば生きるほど、青春は現実と正論に取り囲まれて不自由になっていくことを知っているからこそ、彼らは自分の中の17歳を解放する手段として「人と大声で歌う」ことを求め続けるのだ。ラストに放たれた高速メロディックパンク「SEVENTEEN」は、そんなEGG BRAINの核心をストレート過ぎるほどに響かせていた。
「何歳になっても輝き続けろ!」…ジョーイが最後に叫んだ言葉だ。たったそれだけを伝えるためだけに、ひたすら前へ。そしてもし疲れることがあっても、またこの「家」に戻ってくればいいのだ。そんな絆と信頼を、ただただ真っ向から鳴らすライヴだった。
取材・文◎矢島大地
撮影◎本田裕二
【EGG BRAINセットリスト】
2.METEOR
3.Start from Scratch
4.VITAMIN
5.CAN'T HELP FALLING IN LOVE
6.MUZIC
7.YEAH!YEAH!
8.SEVENTEEN
■<SATANIC CARNIVAL'19>
6月16日(日) 幕張メッセ国際展示場9-11ホール
・物販開始 BOOTH AREA 開場 9:00
・LIVE AREA 開場 10:30 / 開演 12:00
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