【インタビュー】Linked Horizon、「真実への進撃」を語る。「“使命”であるとは思っているかもね」

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Linked HorizonがTVアニメ『進撃の巨人』のオープニングに戻ってきた。アニメの物語がいよいよ深みに突入していく中、ニューシングル「真実への進撃」が6月19日(水)にリリース。収録曲のうち、『進撃の巨人』Season3 Part.2のオープニングテーマ「憧憬と屍の道」はここまでのLinked Horizonと『進撃』との関わりなくしては成し得ない、極めて濃密な情報量をもつ作品に仕上がっている。カップリング曲には『進撃の巨人』ミカサ役の石川由依をボーカリストに迎えた「13の冬」を収録した。

『進撃』の世界を唯一無二の立ち位置で見つめ続けてきたLinked Horizon主宰のRevoは、ニューシングル制作にあたり何を感じ、考えたのか。本インタビューではライターの冨田明宏がじっくりと話を訊いた。

◆Linked Horizon 画像

■責任という表現が正しいかはわからないけど、
■“使命”であるとは思っているかもね。


──「真実への進撃」の制作も落ち着かれたタイミングかと思いますが、最近はいかがお過ごしでしょうか?

Revo:「真実への進撃」の制作に関してはずいぶん前から準備はしていたから、今はだいぶ落ち着いています。「さて、次は……」という段階ではあるのですが……まあ、まだあまり言えないようなことを今は進めていますね。

──なるほど……。

Revo:正直に言うと、かなり忙しい時期が続いていたから少し休みたい気持ちもあるんだけど、“near future(近い未来)”に向かって準備をしないといけないからね。

──確かに。しかしながらその“near”はRevoさんの体感としての“near”ですから……。

Revo:そうですね。「(Sound Horizonの新作は)間違いなく令和の間に出します!」と宣言しておきますけど(一同笑)。

──わかりました(笑)。

▲「真実への進撃」初回盤

──まず「憧憬と屍の道」のお話しからお伺いいたしますが、素直に申し上げて最高です。

Revo:ありがとうございます。

──これまでに『進撃の巨人』と共に歩みを進めてきたLinked Horizon(以下LH)でなければ生み出すことの許されない、Season3 Part.2のOPとしても、『進撃』主題歌としても集大成的な1曲でもあって。

Revo:100%これしかない……かどうかは断言しかねるけど、僕個人の気持ちとしては「こうしたかった」OP曲なんだと思いますね。制作に入る段階で、僕にとってはもっとも相応しいと思えた形がこの「憧憬と屍の道」だった。当然、単独でも成立する曲にしなければならないんですけど、今までの流れを汲んだものにはしたいんですね。連続する物語の中の1曲でもあるので。とはいえ、ここまで直球に集大成感を出すというのは、ある意味覚悟が必要なことだよね。

──まさに。冒頭のフレーズから始まりこれまでの主題歌タイトルが畳みかけられるメドレー的な構成など、ある意味、直球の剛速球でもありました。

Revo:真正面からぶつかってそのまま押し切る、そんな『進撃』の主題歌になっていると思います。1曲の中であれこれと変わったことはたくさんしているんですけど、そこまで意外とは思われていなんじゃないかな。「なるほど、今回はこうきたか」と。連続する物語に携わり続けるからこそできる仕掛けなわけで、こういうことを僕たちにやらせてもらえることの幸せを改めて感じましたね。単独の曲としての良し悪しは当然あると思いますが、この「憧憬と屍の道」という曲は間違いなく僕たちにしか生み出せない曲です。世界中のどんなに素晴らしいアーティストを連れてきたって、この曲は作れない。なぜなら、これまで僕たちが生み出してきた楽曲たちがもう『進撃』の歩みの一部になっているから。Season3までに亡くなってしまったキャラクターたちがいて、今回のPart.2で新たに亡くなったキャラクターたちもいる。その屍の道の上に物語があり、その道の先にそれぞれが追い求める真実がある。だったら楽曲だって、過ぎ去ってしまえば無意味になるものではなくて、楽曲たちも道になっているんだということを、僕はこういう形で伝えたいと思ったんでしょうね。ひるがえってその思想というのは、楽曲のみに適用されるものではなく、これまで進撃を形作ってきたすべての要素へのリスペクトでもあります。きっと『進撃』が好きで追いかけているファンのみなさんなら納得してくれるんじゃないかなって。

──Revoさんはアニメ『進撃の巨人』に対して観測者のような立場で各Seasonにフォーカスしたメロディと歌詞を紡いできましたが、その観測的視点は『進撃』ファンであれば納得できるものばかりだと思うんです。“あの日 人類は思い出した”で、まさに『進撃』の世界に帰ってくることができたので。

Revo:それは嬉しいですね。

──もはや『進撃』への取り組みはライフワークに近いというか。

Revo:すでにそうなっている気がしますね。気づけば、僕の音楽活動の中に『進撃』があるというより、『進撃』の隙間を縫って僕の音楽活動がある、みたいな状況になっているとも言えるからね。とても幸せなことだけど、だからなかなか“near future”がこないんだなって思われてると思うけど(一同笑)。

──それはもはや、『進撃』に対する責任と言いますか……。

Revo:責任という表現が正しいかはわからないけど、“使命”であるとは思っているかもね。「これはRevoがやらねばならない」という気持ちで1曲ずつ作り上げてきた、その“道”を振り返ると、すでに使命にはなっていると思います。とはいえ、ここまで集大成的な意味合いを含ませた主題歌を作ってしまったことで「この先どうする?」という怖さも実は感じてはいます。ただ、次のことを考えて今全力を出さないというのはないかな。次があるならこれを越えなきゃいけない。仮に無理でも目指さなきゃ。それが創作活動の根幹だろうね。

──Revoさんも仰る通り、これまでの主題歌は各Seasonでフォーカスされた物語を切り取るように描いてきたわけですが、今回の「憧憬と屍の道」は集大成的な側面もあるので少し趣が違いますよね。やはりそれくらいの思いをこのSeason3 Part.2には込めたかった?

Revo:そうですね。いうなれば「ここを目指してみんな屍を越えてきたんだ」と言えるような物語なわけだから。

──まさに、アルミンやエルヴィンたちが追い求めてきた真実ですね。

Revo:ようやくここまできたよね。真実はすぐそこにあると。屍の道の先だと。おのずと集大成感もでてくるよね。この胸アツ内容を表現すると。

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