【速レポ】<京都大作戦2019>ヤバイTシャツ屋さん「10-FEETのライブを見たせいで人生が狂いました」

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<京都大作戦2019~倍返しです! 喰らいな祭~>が、いよいよスタートした。4日間にわたって開催される今回は、前半2日間が荒天のため中止となった<京都大作戦2018~去年は雷雨でごめんな祭~>のリベンジであり、ラインナップも2018年に出演予定だったバンドがほぼ揃った形となった。これは、10-FEETというバンドへの信頼でもあり、多くのバンドが、彼らがこのフェスにかける思いを重々知っているからこそのラインナップである。

◆ヤバイTシャツ屋さん画像

とくに2018年は、過去10回の開催を経て新たなフェーズへと突入する回でもあったため、主催の10-FEETはもちろん、出演を予定していたバンドたちも熱い思いを持っていただろう。そして1年間、大事に高めてきた思いを、今日は炸裂させる日となる。観客も同様で、とにかくテンションが高い。京都大作戦ではおなじみのMOBSTYLESの田原氏がMCとしてステージに登場し、「待ったな、みんな」と第一声を放つと、源氏ノ舞台に集まった大勢の観客から歓声が巻き起こる。無数の思いが詰まった歓喜の声と突き上がったコブシを見ただけで、思わずグッときてしまったくらいだ。そして朝のぐずついた空模様が嘘のように晴れ上がった空に向かって、田原氏の掛け声のもと盛大な“万歳”で<京都大作戦2019~倍返しです! 喰らいな祭>は幕を開けた。

源氏ノ舞台のトップバッターとなったのは、ヤバイTシャツ屋さん。「京都大作戦2019、はーじまーるよー!ここからまた新しい10年がはじまります。一番手、任せてください」とこやまたくや(G、Vo)は力強く叫んで、「全員かかってこい」の声で、1曲目「Tank-top of the world」へと突入した。

瞬時にしてさらに会場は沸き立って、高くコブシが上がり、シンガロングの声が上がるなか、しばたありぼぼ(B、Vo)のハイトーンが爽快に駆け抜けていく。続く「あつまれ!パーティーピーポー」では、のっけの「しゃっ!しゃっ!しゃ!しゃっ!しゃっ!」から観客のはしゃいだ声が重なって、もりもりもと(Dr、Cho)によるフィジカルなビートに、観客は歌い踊る。すばらしいパリピぶりだ。80'Sアメリカンハードコア的なエナジー全開の、3人のパンチ効きまくりのヴォーカルが掛け合う高速パンク「Universal Serial Bus」から、打って変わってのウルトラポップチューン「かわE」へというギャップで心を揺さぶって、再び観客を惚れさせる流れも最高である。


「ついにやってきましたよ、源氏ノ舞台に。京都大作戦は思い入れが強くて、何を隠そう僕は京都府宇治市出身でございます。今日も、うちの実家通ってここにきたもんな。1回目から欠かさず来ているフェスだから、アーティストのなかでは10-FEETの次に大作戦のことは知り尽くしてます」とこやまが語る。そして「知り尽くしてるってことは、どうすればお客さんが盛り上がるかも知ってるんです。京都大作戦では、いろんな盛り上がり方教えてもらいました。タオル回す曲、やってもいいですか?持ってない人は、手首腱鞘炎になるくらい回してもらっていいですか!」と続けると、フェスにうってつけのラウドで痛快な「L・O・V・E タオル」を観客の掲げるタオルの波に投下。間髪入れずにファストチューン「とりあえず噛む」を連投すると、今度は観客が一斉に波打つようにジャンプする。さらに高くジャンプさせるように、ギターのリフとリズミカルなタッチのしばたのベースが気持ちよく絡んで、地面が波打っているような壮観なシーンを源氏ノ舞台に広げていった。


「みんな今日のために、1年頑張ってきたんでしょ? 全部出し切れよ」と熱く語るこやまの言葉に、続く「無線LANばり便利」ではもう、ステージ前はカオス状態だ。

「ちょっとだけ個人的な話してもいいですか。僕は、京都大作戦と10-FEETのせいで人生が狂わされました。普通に学校を出て、普通に仕事をする人生を送ると思っていたんですけど、2008年にここで10-FEETのすごいライヴを見たせいで、衝撃を受けて。お客さんが全員笑っていて、飛び跳ねていて……僕もバンドをしないといけないと思いました。帰ってすぐ、一緒に行った友だちと10-FEETのコピバンを組みました。大学生になって今の仲間を見つけて、このバンドを組みました。そして、今このステージに立ってます。…2008年に10-FEETのライブを見たせいで人生が狂いました。おかげで今、めちゃくちゃ幸せです」。


どちらかといえば普段は斜に構えた感じのイメージがあるこやまから溢れ出たストレートな言葉に、共感の歓声がどっと上がる。そして、演奏したのはこの3人でしか鳴らし得ないぶっといグルーヴと早口でまくしたてる歌に、いやでも興奮する「ヤバみ」。ビートの鬼と化しているもりもとと強烈なパワーをぶつけるしばたのベースが、あっという間に観客を昇天させて、ラストは「ハッピーウェディング前ソング」へ。こやまは、「みんなもたくさんライブ行って、たくさん音楽を聴いて、人生狂わされて幸せになってください!この幸せな空間が、この先何年も何十年も続きますように、最高に幸せな曲をやって帰りたいと思います」と、多幸感たっぷりのシンガロングを生み出した。

源氏ノ舞台、1発目にして感情を振り回されるような、グッとくるライブとなった。京都大作戦愛、強し。

取材・文◎吉羽さおり
撮影◎HayachiN

【ヤバイTシャツ屋さん セットリスト】

1.Tank-top of the world
2.あつまれ!パーティーピーポー
3.Universal Serial Bus
4.かわE
5.L・O・V・E タオル
6.とりあえず噛む
7.無線LANばり便利
8.ヤバみ
9.ハッピーウェディング前ソング

■<京都大作戦2019 -倍返しです!喰らいな祭->

6月29日(土) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
6月30日(日) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
7月06日(土) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
7月07日(日) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
開場 9:30 / 開演 11:00 / 終演 20:00予定

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