【インタビュー】Blue Vintage、オーガニックで心地よい感触のハートウォームなニューアルバム『BLUE』

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■大人の人たちは“なんか懐かしいな”と感じてくれるだろうし
■音自体は新しいことをやっていれば古いものにはならないと思う


──サウンド的にはどんな手応えがあります?

Taiga:Jくんは何でも歌えちゃうんで、いろんな楽曲ができちゃって自分の中で定まってない感があったんですね。Blue Vintageはどこを目指してるんだ? と考えた時に、うちらの中にはあるんですけど、側から見たらわかりにくいかなと思ったんです。『BLUE』はジャンル的に一つにまとまったものにしようとしたんですけど、結果的にいろんなタイプの楽曲ができちゃった(笑)。ファンクもあればロックもあるし、結局これがBlue Vintageなのかなと。ブルーノ・マーズってわりとそういう感じですよね。いろんなタイプの曲があるけど、ブルーノ・マーズが歌ったら彼の曲になる。Jくんだったらそれが成立するんじゃないかと思っていて、普通はジャンルを一つに絞ってやっていくと思うんですけど、Blue Vintageに限っては、たとえばレゲエもレゲエ風に歌うんじゃなくて、本当のレゲエのアーティストみたいに歌えるし、ロック風じゃなくてロック・ミュージシャンが歌ってるように、Jくんは歌えるんで。それで成立しちゃうんだろうなということは、このアルバムを作って思ったことですね。ただテーマ的には今後はもっと絞っていこうと思っていて、わかりやすく海を感じるようなものもあっていいのかなと思います。ジャック・ジョンソンとか、ドノヴァン・フランケンレイターとか、アコースティック系のものを次でやってみたいと思っています。

──このアルバムも、7、8、10曲目あたりはそういうテイストですよね。

Taiga:そうですね。

──そこも含めて、Blue Vintageが今できることのショーケースみたいなアルバムなのかなと。

Taiga:自分ら的にはそこを気にしていて、いろんなジャンルに行きすぎかなと思うんですけど、周りからそう言われたことはあんまりなくて。だからこれはこれで有りなのかなと思っています。

──アンケート取りますか。このアルバムでどのタイプの曲が好きか。

Taiga:もちろん「渚のハニー」とかはライブで盛り上がってくれるんですけど、「Good Morning Tokyo」「Empty Room」「Umbrella」などのミッドのアコースティック系の曲のほうが受けがいいんです。ここがBlue Vintageの勝負する場所なのかなと思っています。ゆっくりまったりしたような、しっかり聴かせるような楽曲を作っていきたいなと思っていますね。


──僕もそっちに一票入れたいですね。シーンの中のポジションを含めて、そこが一番ハマると思います。僕は「Beautiful Woman」がすごく好きですね。スローでメロウな、せつなく優しいR&B。でも聴く人によって、好きな曲はけっこう分かれると思います。

J.Speaks:分かれますね。ミュージシャン周りでは「Good Morning Tokyo」や「La Fiesta」がいいと言ってくれて、ファンの間では「渚のハニー」でぶち上がって「Empty Room」で泣くとか。いろんなタイプの楽曲があると思います。

──それこそシチュエーションによって、夜の都会と休日の海辺では沁みる曲が違うと思うし。Taigaさん、特にお気に入りの曲は?

Taiga:そうだなー、「Umbrella」ですかね。今までにあったようでなかったBlue Vintageの姿がこの曲にはあるので。リリックの世界観もすごく好きですし、梅雨の季節にも合っているので、今の僕のプッシュは「Umbrella」です。あと「Umbrella」「La Fiesta」「Why so serious?」は実は僕の幼なじみと一緒に作った曲で、Sho“Oga”Takahashiというジャズのベーシストで、生でベースを入れているので、この3曲はベースもしっかり聴いてほしいです。

──あと耳に残るのはホーンセクション。いろんな曲で良い仕事をしています。

Taiga:本物感が出ますよね。Blue Vintageの音楽がいわゆるJ-POPと圧倒的に違うのが、音と音の隙間を埋めていないこと。J-POPならシンセやパッドで埋めてくるところにホーン隊を足していくと、一気に洋楽感が増してBlue Vintageの色がフッと出てくる。そういう大人の雰囲気を醸し出したくて、今回いろんな曲にホーンを入れています。J-POPの曲は風通しのいいものが少なくて音が詰まっていて、“こう聴いてほしい”というものが完全にあるじゃないですか。もっと音数が少なくて楽器の素材を生かした洋楽に近いサウンドメイキングをしていきたいと思っています。それを聴いた大人の人たちは“なんか懐かしいな”と感じてくれるだろうし、音自体は新しいことをやっていれば、そういう手法を使ったとしても、古いものにはならないと思うので。そういうやり方で新しいものを表現していくのが、Blue Vintageの音楽だと思っています。

J.Speaks:J-POPという枠で言うと、老若男女が口ずさめるわかりやすい部分は多少意識してるかもしれない。キャッチーなものを意識しつつ、「La Fiesta」みたいなディープめの曲もやって、メリハリがあるほうがいいと思っています。


▲Taiga

──絶対洋楽派とか、そういうわけでもなく。

J.Speaks:そういう意識はないですね。J-POPにはたくさんの名曲がありますし、たとえばサザンオールスターズの「真夏の果実」を今聴いても時代に関係なくやっぱりいい曲だなと感じますし。Blue Vintageのヴィンテージは、10年後も色あせない音楽が作りたくて名付けたので、ある程度時代の流れは読まないといけないんですけど、そこをうまく汲み取りながら、自分たちのカラーでどうやれるかが今後のカギになっていくんじゃないかと思います。

──いろんな可能性をばらまいてる感じですかね。J-POPリスナーも洋楽ファンも関係なく。

J.Speaks:何でもいいです、どこかが引っかかってくれれば。それができるのもBlue Vintageだけだと思うので、最近は海外も意識していこうかなと思っていますし。

──アルバムを引っ提げて、この夏はフェスにたくさん出ます。J.Speaks:夏は忙しくしてないとね。

Taiga:そうですね。“夏はやっぱりBlue Vintageで”という感じになりたいので。

J.Speaks:まずは「海のキング」を目指して、いろいろやっていこうと思ってます。海を歌っているアーティストさんとコラボしてコネクションを今作っていて、あとはもちろんライブですね。夏フェスにガンガン出て行って輪を広げたいです。

──どんなライブを観せてくれますか。

Taiga:最近は、とりあえず盛り上げるみたいな、“このライブは勝負だ。勝たなきゃ”と思うライブが増えてきたので。もちろん演奏をしっかりやって、それ以上に印象を残していくことを考えています。今まで出られなかったフェスの最初のほうに出られることが最近多いんで、今年はトップバッターをしっかりやって、爪痕を残しまくって“来年はもう少し遅い時間帯にステップアップするぞ”という思いで、いろんなところでライブをやっています。必ず良いライブをやるので、ぜひ一度見てほしいです。

取材・文●宮本英夫


リリース情報

『BLUE』
FMCD-028 / FROG MUSIC / ¥2,700(tax out)
2019.6.19 Release
1. Hey Hey Hey
2. Mojito
3. Good Morning Tokyo
4. La Fiesta
5. Why so serious?
6. Lazy Boy
7. Umbrella
8. Empty Room
9. Loser
10. Beautiful Woman
11. 渚のハニー

ライブ・イベント情報

<Live Information>
2019年7月13日(土) 夏びらきMUSIC FESTIVAL 2019
[会場:東京 アリーナ立川立飛]
2019年7月14日(日) OCEAN PEOPLES’19
[会場:東京 代々木公園イベント広場]
2019年7月21日(日) Blue Vintage アルバム発売記念ミニライブ&特典会
[会場:東京 お台場デックス東京ビーチ]
2019年7月26日(金) VUENOS chillin
[会場:東京 VUENOS]
2019年8月4日(日) IBUSUKI SUMMER BREEZE 2019
[会場:鹿児島 指宿港海岸]
2019年8月25日(日) LIVE Cheers! in OSAKA
[会場:大阪 #702 CAFE&DINER なんばパークス店]
2019年9月1日(日)Blue Vintage oneman Live “This is BLUE”
[会場:東京 代官山LOOP]
2019年9月5日(木) shake hands ~TOKYO CRITTERS × Blue Vintage~ Powered by NATSUBIRAKI MUSIC FESITIVAL
[会場:福岡 福岡ROOMS]
2019年9月7日(土) The 2019 ISA World Surfing Games Festival
[会場:宮崎 KIRISHIMAヤマザクラ宮崎県総合運動公園]

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