【人間椅子連載】ナザレス通信Vol.64「緩やか」

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人間椅子はデビュー30年を迎えたこの度、ついに機材車を購入しました。ハイエースのロング、ハイルーフ、シルバーの新車です。デビュー当時は他のバンドから古い車を譲ってもらったりしていましたが、これらは事務所のものなので、完全にバンドの持ち物として所有したのは初めてなのです。ある時期などは崩壊寸前のキッチンカーに乗っていましたが、その頃の移動が一番辛かったなぁ。冷房がない上に窓も少なく、床がベニア板で、とにかく熱がこもって蒸し暑くて苦しかった記憶が身体に刻み込まれています。冬になってあまりに寒くて辞めたような・・・、よく思い出せません。事務所を辞めて、個人経営の形にしてからはずっとレンタカーで、それが20年くらい続きました。そして、ついに今回の新車購入です。感無量です。漁師さんのように大漁旗で着飾ってお披露目したいくらいの気分です。

車を運転、管理するのは第四のメンバー、川端くんです。川端くんは本当に運転が上手いのです。「上手い」より「巧い」が相応しい、職人の巧みの技と呼べるほどの高度な運転技術を誇ります。自分のように、右を向いただけで目眩を起こすほど三半規管が弱い者だからこそ、よく判ります。高速道路のカーブで「G」を与えず、撫でるように走る運転はもはや芸術の域に達しています。緩やかに発進し、緩やかに加速し、緩やかに減速し、緩やかに停車します。まるでRitchie Blackmoreのスライドギターのようです。有難いことです。


スライドギターは、ボトルネックと呼ばれるガラスで出来た管に指を通し、それで弦を撫でるように弾いて独特な音を出します。The Allman Brothers Bandなどが有名ですが、ハードロック界ではRitchieの音が好きです。DEEP PURPLE時代から弾いていますが、RAINBOWになってからのバラードで弾く優しいスライドギターソロが絶品です。特にそれを堪能できるのが1stアルバム「Ritchie Blackmore's Rainbow」の「Catch The Rainbow」と「The Temple Of The King」です。疲れて弱っている時に聴いたら涙腺が緩むこと必至です。2ndアルバム「Rising」の「Stargazer」で聴ける鬼気迫るスライドソロも圧巻ですが、前者2曲の泣けるソロは、すさんだ心を癒してくれる魔法の音色です。

あと3時間後に機材車が迎えにきて、これから山形に向かいます。ツアー前半戦では早速ダッシュボードにコーヒーをぶちまけて顰蹙を買ったので、後半戦では飲み物の蓋をきっちり締めるよう気をつけます。

今回のマイベストテープ~スライドギターが光る曲

A1.Catch The Rainbow / RAINBOW
A2.One Of These Days / PINK FLOYD
A3.Woke Up This Morning / NAZARETH
A4.Tears In My Eyes / URIAH HEEP
A5.Hats Off To(Roy)Harper / LED ZEPPELIN
B1.The Temple Of The King / RAINBOW
B2.Heartache Tonight / EAGLES
B3.Love Hunter / WHITESNAKE
B4.The Joker / THE STEVE MILLER BAND
B5.Free Bird / LYNYRD SKYNYRD


New Album『新青年』



2019年6月5日(水)発売
■初回盤(CD+DVD)
¥3,241(税別) TKCA-74791
■通常盤(CD)
¥2,685(税別)TKCA-74792
※ジャケットは初回・通常共通

[CD]
M1.新青年まえがき(作詞・作曲/和嶋慎治)
M2.鏡地獄(作詞・作曲/和嶋慎治)
M3.瀆神(作詞/和嶋慎治 作曲/鈴木研一)
M4.屋根裏の散歩者(作詞・作曲/和嶋慎治)
M5.巌窟王(作詞/和嶋慎治 作曲/鈴木研一)
M6.いろはにほへと(作詞・作曲/和嶋慎治)
M7.宇宙のディスクロージャー(作詞/和嶋慎治 作曲/鈴木研一)
M8.あなたの知らない世界(作詞・作曲/和嶋慎治)
M9.地獄小僧(作詞/和嶋慎治 作曲/ナカジマノブ)
M10.地獄の申し子(作詞・作曲/鈴木研一)
M11.月のアペニン山(作詞・作曲/和嶋慎治)
M12.暗夜行路(作詞/和嶋慎治 作曲/鈴木研一)
M13.無情のスキャット(作詞・作曲/和嶋慎治)

[DVD]
「新青年」への軌跡

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