【インタビュー】百足、圧倒的ボキャブラリーと華のあるキャラクターで飛躍が期待されるNo.1ラッパー

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■“メイク・マネー”とか“ビッチ”とかあんまり言いたくない
■そういうリリックは書けないんですよ(笑)


──音源の話もしたいんだけど、今作ってるのはミニアルバムですね。まだ2曲ぐらいしか聴けてないんだけど、どんな作品になるんだろう。

百足:7曲なんですけど、もう全部完成していてミックスして出すだけです。

──ミュージックビデオが公開されている「FREEDOM」がリードトラックになるのかな。

百足:元々「FREEDOM」の前に3、4曲作っていて、どれか1曲を最初に上げようとしたんですけど、「FREEDOM」ができた瞬間に“これだ”ってなったんで。上がってるのは「FREEDOM」1曲だけど、ライブで他の何曲かをやっているんで、みんなが楽しみにしてる曲も入ると思います。

──「FREEDOM」はインパクトがものすごい曲。いきなりエレキ・ギターのリフが飛び出して、あれ? ロック?みたいな。トラックはタイプライターさんですか。

百足:そうです。“こういう感じの曲作りたくて”と言ったら、その場でトラックを組んで、ミキシングしてくれる人がギターを弾いて、“これ入れとくね”みたいな。5分くらいでなんとなくのトラックができて、“これでフリースタイルしてみて”って感じで、その日にできました。


──ロックっぽいしトラップっぽいしハウスっぽい。めちゃくちゃ明るくてキャッチーだけど斬新な曲。どういうイメージだったんですか?

百足:それこそメロコアっぽい明るさがほしいなと思って、「FREEDOM」の前に作った3、4曲は全部オートチューンをかけてエモい感じのラブソングだったんですけど、やっぱりいろんな層に聴いてもらうには明るい感じのキャッチーなほうがいいかなと思って、キャッチーさ重視で作りましたね。トラックを聴いた時に、友達とライブハウスで騒いでるような、PVがまさにそうなんですけど、そんなシーンが浮かびました。

──あえてJ-POP寄りと言っちゃってもいいかな。

百足:USというよりかは、日本人が受け入れやすいメロディラインを入れて。「高校生RAP選手権」で優勝してすぐ出したんで、時期的にも5月とかで、ちょうどいい感じにフィットしたかなというハマり方でした。

──旅立ちの歌というか、応援歌的なメッセージの曲ですよね。

百足:そうですね。ラッパーって“元から才能あるぜ”っていう感じが多いですけど、自分は全然違って元々才能あったわけじゃない。だけどそんな奴でも一歩踏み出せば簡単にできちゃうよっていう、一般人でもマイク握ったらラッパーになれるっていう感じです。“メイク・マネー”とか“ビッチ”とかあんまり言いたくないんで(笑)。そういうリリックは書けないんですよ。

──そりゃリアリティがない(笑)。18歳で。

百足:札束とかクラブ、女とか、そういう経験がまずないんで。等身大って感じです。

──やっぱりリスナーは同世代を想定している?

百足:やっぱり上の人は聴いてないんで。中高生が“俺にもできるかも”って感じで聴いてくれれば。

──百足くんの世代は、2000年生まれの「00(ゼロゼロ)世代」っていう言い方をされているでしょ?

百足:たまたま2000年生まれにすごい奴らがたくさんいて、なんでかわかんないですけど。元々、藤KooSという奴とONO-Dっていう奴がいて、3人で“同い年?俺ら00だね”とか言ってたのが、“え、Novel Coreも、HARDYも00なの?”ってなってどんどん増えて、00ってすごいねって。00世代だけのMCバトルもあって全員有名な奴らばかりで。

──しかも仲が良いんでしょ。

百足:仲は良いですね。みんなうまいんで、大舞台で会うことが多いんですよ。地方の00の子も、うまいから東京に呼ばれて全国各地の00が何回も東京に来るんで俺んちに泊めたりしてて。母は選手権に出た奴はみんな知っていて、“あーHARDY、韻マンに勝てたね”とか言って(笑)。みんなも俺のお母さんを知ってるみたいな。


──00世代の繋がりは強みになりそう?

百足:高校を途中で辞めちゃった俺の青春というか。同じ世代のいろんな方言の子たちが来て、ずっと一緒に遊びながら“そういえば00とか言ってたね”ってなればいいかなと思いますね。00というジャンルができたことが嬉しいです。リスナーの人も“僕も00世代です”と言ってくれたり、あと俳優の人とか、インスタグラマーの人が“僕も同い年です”とか、常に00と言ってるおかげで年がわかられてるというか、ラッパーの年齢って見た目でわかんないじゃないですか。でも一瞬でわかるんで、そこで会話が成り立つから。

──すごく良いキャッチフレーズ見つけた。

百足:最初に言いだしたのはリスナーなんですよ。藤KooS、百足、ONO-Dの3人に“ゼロが二つ付くね”ということで、藤KooSとONO-DはOが二つあって、百足の百を100にしたらゼロが二つになることをリスナーの誰かが見つけて“うわー00だ”みたいになって。まあ無理やり感はあるんですけど(笑)。リスナーが深読みして俺らも楽しくなっちゃって、みたいな感じです。

──日本のヒップホップの中心になって、ちゃんと売れてください。下の世代に憧れられるように。

百足:最近やっと高校2、3年の後輩が出て来て、先輩面できるのが面白いです(笑)。学校辞めてからも先輩面できる機会が俺にあったんだって。クラブで後輩に会って“おっ、おつかれ”みたいな(笑)。“大丈夫、俺もお前の年にはそうだったから”とか、マウント取っています。

──ニヤついてる(笑)。いいね。個人的な近未来の目標は?

百足:同じジャンルにとらわれずに、“こういうのもできるんだ”っていうことをやり続けたいですね。次のPVも全然ヒップホップじゃなくてフューチャー系だったり、あんまりとらわれないほうがずっと楽しめるかなと思うんで。逆にオートチューンでエモい感じのトラップとかも大好きなんで、驚かれながらいつかスタイルを定着させていきたいです。若いうちにいろいろやっておきたいです。何でもやりたいですね。

取材・文●宮本英夫

百足は、カラオケの第一興商が強力プッシュする8月度D-PUSH!アーティストに決定していて、「FREEDOM」は楽曲配信されており歌唱が可能だ。また「FREEDOM」のミュージックビデオは、カラオケ背景映像に今だけクリップ(期間限定映像)として配信中。さらに、カラオケ演奏の合間に放映される音楽情報コンテンツ「DAM CHANNEL」内のD-PUSH!コーナーにゲスト出演し、パーソナリティとのトークを楽しませてくれる。DAM CHANNEL(目次本)D-PUSH!ページでは、ここでしか読むことのできないインタビュー記事とともにアーティスト写真、ジャケット写真が掲載される。そしてリリース情報、インタビュー記事が同社が運営するwebサイト「DAM CHANNEL」(https://www.clubdam.com)でも掲載される。カラオケ店やWEBで、百足との出会いを楽しんでほしい。


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