【来日直前インタビュー】ジェイソン・ムラーズ「フジロックは突出した魅力のあるフェスティバル」

ツイート


ジェイソン・ムラーズが、フジロック(7月28日@グリーンステージに登場)および翌日の中野サンプラザでの単独公演のため、まもなく来日する。今回BARKSでは、来日公演と2018年8月にリリースされたアルバム『Know. / ノウ。』や今作をひっさげたツアーについて訊いたオフィシャルインタビューを掲載する。

  ◆  ◆  ◆

■ サーカスの一員になったような気分だよ

── 昨年ニュー・アルバム『ノウ。』をリリースして<Good Vibes Tour>を開催されていますが、ここまでツアーはどのような感じですか?

ジェイソン・ムラーズ:とても楽しい時間を過ごしているよ。自分がミュージシャンとしてここまで来られるとは思っていなかったんだ。なぜだかわからないし、なぜそんなに大きな夢を持っていたのかもわからないけれど、夢が叶った時にどんな風に感じるのかは実現するまでわからないものだね。新作に収録されている曲には、「感謝」、「喜び」の気持ちや「愛」を込めていて、妻へのラブレターもあれば、友人、家族、そして自分に向けて書いた曲もある。時には自分を鼓舞する必要があるからね。ツアーはそれらを反映したもの。ステージの上には楽器をプレイできる親友たちがたくさんいて、彼らと一緒に旅をし、良いバイブスや喜び、感謝の気持ち、愛や平和を広めているんだ。今はまるで夢の中にいるみたい、まるでサーカスの一員になったような気分だよ。

── アルバムにはポジティブな曲がたくさん収録されています。悲しいことがあったときや辛い状況の時の方が曲が書けるというソングライターの方もいらっしゃいますが、ポジティブな状態をキープするのが大変だと感じることはありますか?

▲アルバム『Know. / ノウ。』

ジェイソン:悲しい曲を書くときもあるよ。でも、それをアルバムに収録したいとは思わないし、悲しみとか自分を見失っているような内容の曲をステージで披露したいとは思わないんだ。人生においてポジティブでいるための心がけは必要だと思うし、喜びや平和に常に意識を向け続けることや、分かち合うこと、許すこと、自分に襲いかかってくる感情や行動に気づくこと……など、訓練も必要だと思う。僕が書く曲にも表れているんじゃないかな。悲しい感情に襲われてしまうことはあるけれど、その感情だけにとらわれたくないと思っているよ。

── アルバムのために書いた曲から収録曲を選ぶのは大変でしたか? 選ぶ際に決め手となったのはどのようなことなのでしょうか?

ジェイソン:そうだね、とても大変だったよ……。どの曲がアルバムに収録されるのかは、完成するまでわからなかった。今回は、4年間で125曲位書いたんだ。毎回、20曲位書き上がると「よし! アルバムの感じがつかめてきた!」と思い、40曲位書くと「いや、なんか違うな……」と感じ、80曲位に達すると「もう間違いない! これらの曲の中にアルバムに収録されるべき曲があるはずだ!」となり、100曲位書き上がると今度は、「もしかしたらまだ半分位しか書けていないかも……」という思いが一瞬頭をよぎったりする(笑)。この繰り返しの中で、実際には努力が必要だったけど、その努力が全面に出ていないような、良い曲を見つけ出すんだ。あとはタイミングもあるよ。僕は、結婚をして少し休みをとり、これまでとは違うライフスタイルを送っていた。2016年にはクレイジーな選挙があり、世界が混乱すると皆が思い、実際にそうなっているところもたくさんある。これは試練の時だと思ったんだ。これらのことによって、ライターとしての僕がこのコミュニティーで自分のエネルギーをどのように使うべきかについて考えさせられた。そしてたくさんのことが前進し、新たな夢ができると、希望の扉が開いた気がしたんだ。その時、自分の書いた曲に目を向けてみたら、希望、愛、平和、感謝、それらについて書いた曲が全てあることに気付き、『ノウ。』というアルバムが動きはじめた。何を”知る”ことが出来るかというと、逆境や絶え間なく続く変化に直面しても「愛されること」を選択できるということ。やはり答えは「愛」なんだ(=Love Is Still The Answer)。愛は僕たちの原動力になっているよね。朝ベッドから起き上がるのは、この人生を愛しているから。家族のことを愛しているから彼らのために働きたいと思うし、力になりたいし、養いたいと思う。また、自然を愛しているから庭の手入れをしたいし、農家の方々に会いたいし、自然を愛する気持ちを通してこの惑星をより良いものにしたいと思う。全てのポジティブなことは「愛」がベースになっているのだと思う。当時のことを反映したいという思いも込めながら、最終的にアルバムはこのように仕上がったんだ。

── アルバムの最後(日本盤ボーナス・トラック除く)に「Love Is Still The Answer」が収録されていますが、本当に美しい楽曲だと思います。

ジェイソン:ありがとう! 僕も大好きな曲なんだ、ありがとう!

── この曲のミュージック・ビデオには、ファンの方が参加されているのですよね。


ジェイソン:そう、愛の方向にカメラを向けてもらったんだ。今の時代、皆が繋がっているよね。僕たちはあらゆるものにカメラを向けているので、僕が旅をして自分の視点だけでミュージック・ビデオを作る必要はないと思った。なので、世界中の人に「愛が見えた方向」にカメラを向けてくださいとお願いしたんだ。共通していたのは、子供、孫、祖父母、配偶者、友人など、その多くが人間に向けられていたというところ。あとは自然。これは、僕たち人類が「自然」であり、地球と繋がっているということを見事に物語っていると思ったよ。僕たちは呼吸をして生き続けている生物なのだから、調和しながら暮らし、行動するべきだと思うんだ。「Love Is Still The Answer」のビデオはファンによって作り上げられたもの。100以上の国から、1,000以上も集まったんだ。それらをまとめてビデオが出来上がったときは、感動して泣いてしまったよ……。

── 曲を書いている時やレコーディングしている時に起こった面白い出来事などがあったら、ひとつシェアしていただけますか?

ジェイソン:LAでディナーをしている時、高校のクワイアを指導している音楽教師に出会い、話をしたんだ。自分自身も高校時代にクワイアに入っていてその時の先生を尊敬していたので、きっと彼も彼の生徒たちにとって大きな存在なのだろうなと思っていた。数日後、友人がある音楽の先生のことが載っているニュース記事を送ってくれて、そこには音楽教師として表彰された「彼」が載っていて、なんと僕の名前を出してくれていたんだ。会った時になんらかの衝撃を受けて覚えていてくれたのだと、とても嬉しく思ったよ。

それはそうと、ある日スタジオで「Love Is Still The Answer」を制作している時に、「クワイアが加わったらすごく良さそうだよね、特に若い人の声……」と話していて、自分も入っていたし、そのサウンドがすごく好きだからハイスクール・クワイアが良いかもしれないと思ったんだ。すると、スタジオで働いていた女性が「私の高校の先生でとても良い人がいるわ。先日グラミー賞でMusic Educator賞を受賞したばかりなの」と言うんだ。彼の名前を聞き、彼の写真を見ると、それはこの前会った彼だった。出会う運命だったのだと思ったよ。その後のことをかいつまんで話すと、「この前ディナーでお会いしましたね。コーラスのアレンジをお願いできますか? あと、生徒たちの声をレコーディングさせてもらえませんか?」と連絡し、彼が快諾してくれたので、マイクを持って南カリフォルニアにあるTesoro高校に行って45分の自習時間内に生徒の声を2曲分レコーディングしたんだ。そのうちの1曲はアルバムには入らなかったけれど、スタジオを学校に持ち込み生徒たちの素晴らしい歌声をレコーディングできたこと、見事なアレンジを施してくれた音楽教師と一緒に仕事ができたことに本当にワクワクしたよ。その後、何度かライヴでも一緒に歌ってもらったんだ。偶然出会ったり、会話の中にも出てきたりと、宇宙に引き寄せられたのだと思う。アルバムには、このようなマジカルでシンクロニシティーを感じるような様々な瞬間が散りばめられているよ。それらの手助けもあり、アルバムが完成したんだ。

◆インタビュー(2)へ
この記事をツイート

この記事の関連情報