【対談】感覚ピエロ×ミオヤマザキ、「ワード選び。そこにお互いの色が出てる」

■メンバーのキャラもかぶってますよね
■ドラムはオチやし

──孤独が原点にありつつも、どちらかと言うと感覚ピエロは「ハルカミライ」に代表されるように孤独をポジティヴに昇華しようとしてて、ミオのほうは「メンヘラ」に代表されるように、孤独をリアルに歌うことで共感を得ている感じがしますが。

mio：使ってる言葉はマイナスですけど、うちもプラス思考のつもりで“死にたい”って歌ってるんです。だから、そこはあんまり違いではない気がしますね。最近、「ふたりぼっち」っていう曲を出したんですけど、“ぼっち”っていう言葉はマイナスのイメージだけど、“ふたりぼっちになりたい”っていうプラスの意味で使ってたりして。

秋月：ワード選びですよね。そこにお互いの色が出てると思いますね。

mio：感覚ピエロの歌詞は、みなさんで書いてるんですか？

秋月：僕が3、横山が7ぐらいです (※その他、滝口、アキレスが手がけた楽曲もある)。

mio：うらやましいです（笑）。別々の人が歌詞を書いてても、ちゃんとひとつのバンドになるのはすごい。

──感エロは“エロ”、ミオは“メンヘラ”っていう、どちらもキーワードで説明できるっていう個性を持ってるバンドだと思いますけど、そのへんはどう感じてますか？

mio：そのぶん偏見もすごいんですよ。「メンヘラ怖い」とか、「ふざけてる」とか言われたりするんです。けっこう真面目なことも歌ってるんですけどね。

秋月：ああ、それはわかります。俺らも、「はじめまして」のバンドと喋ってると、「ぽっと出のバンドかと思いきや、ちゃんとしてる」って言われたりするんですよ。他のバンドと同じように、飛び級せずに地に足を着けてやってるし、ラクしてこういう場所にきてるわけじゃない。そこはライブを見てもらえれば、解消できるんですけどね。

──これだけ世の中にたくさんのバンドがいるなかで、一見してそういうふうに思われるのって、2組とも“シーンに自分たちの存在や爪痕を残すためには、どうすればいいのか？”っていうことを、ちゃんと戦略的に考えているからだと思いますけど。

横山：俺からすると、ミオは狙ってるところにピンポイントで、自分たちの音楽を届けることができるバンドなんですよ。さっきも言ったけど、たとえばTwitterで「ピストル」をカバーして、ABCのyasuさんに「聴いてくれてますか？」ってバンって出すのも、どこに届けたいかが、はっきりしてるからだと思うんです。それが楽曲とか言葉選びにも出てる。うちらも「O･P･P･A･I」とか「A BANANA」みたいなエロ系の曲とか、「拝啓、いつかの君へ」みたいなメッセージ性の強い曲があって、そのバランスを考えてるところはあるから、そういうところは似てるなと思ったりしますね。

taka：でも、言うほど僕らは狙ってるつもりはないんですよ。聴く人には自由に音楽を選択してほしいから。それで、過去に『choice』っていうアルバムを出したんですけど。届ける側のエゴは、押しつけだと思うんですね。だから、さっきmioが言ったとおり、うちの曲はマイナスっぽく思うかもしれないけど、それを聴いて“生きたい”って思ってくれる人もいる。そこまで絶対に“ここを狙う！”みたいなのはないのかもしれないです。

──ちなみに、感エロは「A BANANA」のミュージックビデオがエロすぎて年齢制限になったり、ミオは不倫をテーマにした「民法第709条」のミュージックビデオを自主規制したこともありますけど、あれは狙ってるんですか？

秋月：いやいや、ハプニングです。戦略じゃない、事故です。できるなら、凍結なんかされんほうがいいですからね。

滝口：突然だったよね。

mio：うちもそうですね（笑）。けっこう力を込めて作ったんですけど。周りの人たちに「良くない」って言われたので、3日で下げました。

taka：個人的には、mioにはそういう戦略的なことを考えないでほしいなっていうのはあるんですよ。とにかくボーカルは自由にさせてあげたい。好きなことをやらせたいから、野良猫でいいというか（笑）。そのぶん舵をとってあげたり、調整したりみたいなのは僕の役目だし、すごく赤裸々に言うと、それが戦略なのかもしれないですね、うちの。

秋月：いいね。うちのネコは“CIAO ちゅ～る”をガンガン与えられてるな。

横山：完全に餌付けられてます（笑）。

──話を聞いてると、横山くんとmioさん、秋月くんとtakaくんっていう各パートの雰囲気もそれぞれ似てますよね。

taka：メンバーのキャラもかぶってますよね。

秋月：ドラムはオチやし。

Shunkichi：ただ、うちが完全に勝てないのは、ドラムのパワーですね（笑）。

横山：キャラのパワー？

Shunkichi：いや、物理的なところで（笑）。

Hang-Chang：(アキレスと腕の太さを比べて)明らかに2本分ぐらいある！

Shunkichi：色も違う（一同笑）！

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