グレッチ、The Birthday チバユウスケのこだわりをつめこんだシグネイチャーギター発売

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グレッチからThe Birthdayのチバユウスケのシグネイチャーギターモデル「G6119T-62TB-YC Yusuke Chiba Tennessee Black with Bigsby」が登場。神田商会より50本限定で8月23日に発売される。

老舗米国ギターブランドのグレッチとチバユウスケの契約により誕生した「G6119T-62TB-YC Yusuke Chiba Tennessee Black with Bigsby」。ギタリストとしても長年のキャリアと実力の持ち主であるチバユウスケは、かねてより何本ものグレッチ・ギターを所有し、ステージやレコーディングで使用してきた。今回、グレッチとの製品開発にあたり積極的に彼のこだわりを随所に取り入れ、グレッチに求めるギターとしての美しさと操作性、ステージで映えるサウンドをかなえるべくシグネイチャーモデルを完成させた。


さらにチバユウスケ本人も自身のシグネイチャーモデルを製作する現場へ赴き、試作段階の製作工程を直に見ることでギターの構造や製造プロセスなどの造詣を深めた。弾きやすさを追求したネック・グリップは本人の好みにしっかり合わせるなど、細部に至るまで多くのアイデアを投入。ファースト・サンプルのギターを1年以上の歳月をかけてあらゆる状況下における演奏や実際のステージでのロード・テストを重ね、一切の問題がないことを確認し、今回のシグネイチャーモデルG6119T-62TB-YC“テネシー・ブラック”が誕生した。

1958年に誕生したグレッチのテネシアン(現在のテネシー・ローズ)モデルは、1962年にモデルチェンジを果たしている。「G6119T-62TB-YC」は、その1962年モデルを基本スタイルにしつつ、妥協なく彼が望んだとおりの仕様をすべて注ぎ込み、彼の求めるサウンドに仕上げられた。グレッチの長い歴史の中でさまざまなスタイルのパーツがその年代ごとの流行に合わせて生まれてきたが、年代を問わずさまざまなグレッチを弾いてきたチバユウスケならではの視点で、彼の理想とするギターを具現化している。彼のこだわりは構造からパーツの選定にまで至り、細部にわたりその仕様が反映されている。それぞれ異なった年式のボディー・シェイプや搭載パーツをバランスよく取り入れたデザインのため、今までのグレッチにありそうでなかった新しいルックスが魅力となっている。


▲ボディ・トップとネックにはアイボリーのバインディング。ストラップ・ピンはグレッチでは珍しいフェンダー・タイプ。

▲ピックガードにはTennessee Blackの文字とグレッチ・ロゴ。

ボディはメイプルを用い、高度なプレス技術により美しいトップアーチを生み出している。「G6119T-62TB-YC」は、グレッチ・ホロー・ボディの中でも小ぶりな16インチ幅、薄めの2インチ厚のシングル・カッタウェイ・ボディで優れた演奏性を実現。自身の愛用してきたテネシー・ローズのボディ・シェイプと同様に、現行のテネシー・ローズとは若干異なった、1989年に誕生したテネシー・ローズのシェイプ(チバユウスケ所有のテネシー・ローズは1999年製の同シェイプ)を採用している。

内部のブレイシングは、サウンド・ポストのないパラレル・トーンバーを採用。トップのヴァイブレーションがボディ全体に広がり、内部でバランスよく響く構造となっている。一見するとfホールが空いたホロー・ボディに見えるが、これはシミュレーテッドfホールと呼ばれるダミーのfホールで、実際にはボディ・トップにfホールは空いていない。1962年のテネシアン・モデルに使用された仕様で、独特のトーンを生み出し、不要なフィードバックを防止する役目を担っている。


▲ヘッドストックのロゴにはエイジド・パーロイドを使用。

演奏性に大きく関わるネックのシェイプは特にこだわった点。長年彼が愛用してきたテネシー・ローズから細かく採寸して作られ、しっかりと手になじむUシェイプの形状となっている。ローズウッド・フィンガーボードには、エイジド・パーロイド・インレイのネオクラシック・サムネイル・ポジション・マーカーが入っている。サムネイルとは、ネックを握った際の親指の爪のような形状から名付けられたもので、グレッチの代表的なポジション・マーカー形状の一つ。ヘッド・シェイプはナッシュビルにも採用されているスモール・ヘッドと呼ばれるもので、全体にすっきりとした印象を与える。ヘッドストックのロゴにはエイジド・パーロイドを使用し、1967年ヴィンテージ・テネシアン・スタイルのグレッチ・ロゴのインレイとなっている。また、1959年のテネシアン・モデルと同様のゼロ・フレットを採用し、ロー・フレットでの低めの弦高と優れた演奏性を実現している。


▲ピンド・エボニー・ベース&アジャストマティック・ブリッジ、フィルタートロン・ピックアップを搭載。

▲アルミ素材のコントロール・ノブとメタル製アウトプット・ジャック・プレートを搭載。

まるでモーター・サイクルのパーツのような鈍い輝きを持ったアルミ素材のコントロール・ノブと同様にアルミ素材のグレッチ・ロゴ入りビグスビーB6Cを採用。アルミ素材のコントロール・ノブは、1960年代から1970年代に多く採用されたスタイルで、ヘッドのグレッチ・ロゴと合わせてチバユウスケ所有の1967年製のモデルを再現。過酷なツアーにも耐え得るメタル製のアウトプット・ジャック・プレートを装備している。ボディとの接点であるブリッジ・ベースはエボニー素材を使用し、ブリッジ・ベースとボディの接点にはピンがあり、激しい演奏でもブリッジがズレない仕様になっている。このピンド・ブリッジは近年生まれた仕様だ。ブリッジはオクターブ調整が可能なアジャスト・マティック、心臓部であるピックアップはグレッチ・オリジナルのハムバッカー・ピックアップのフィルタートロンを搭載。シルバー・カラーのプレキシ・ピックガードは、ヴィンテージ仕様の厚手のものを使用し、このモデルだけに与えられた“テネシー・ブラック”の愛称が記載されている。パーツはシルバー・カラーで統一され、ブラック・カラーとマッチし精悍な印象を与える。

サウンドに大きな影響を与える塗装は、製造に非常に手の掛かるラッカーを使用し、落ち着いたセミグロス・ブラック・カラーで仕上げた。ラッカー塗装は非常に薄く仕上げられ、長年弾きこむことでそのヴァイブレーションによってエイジングが進み、ボディー全体に鳴り響く効果が期待できるものだ。


▲ヴィンテージ・ルックスのハードケースが付属。

▲サイン入りシリアル・ナンバー・ラベルが貼られている。

「G6119T-62TB-YC」は、シミュレーテッドfホール仕様のためにサウンドホールからシリアル・ナンバー・ラベルは見えないが、フロント・ピックアップの下にはシリアルナンバー・ラベルが貼られており、チバユウスケ本人直筆のサインが書き込まれている。さらに、チバユウスケ本人とグレッチ・カンパニー社長のフレッド・グレッチ、グレッチ・プロダクト・スペシャリストであるジョー・カドゥーチの直筆サインの入った認定書とスペシャル・ハードケース、このモデルの魅力を解説したミニ・ブックレットが付属する。



製品情報

◆G6119T-62TB-YC Yusuke Chiba Tennessee Black with Bigsby
価格:460,000円(税別)
発売日:2019年8月23日

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