【インタビュー】アルコサイト、力強く優しく多くの人の心に届く3rdミニ・アルバム『逆風に帆をあげろ』

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■“大人になっていくのも悪くないな”って感じてもらえるような
■ポジティブな一枚、希望を持てる作品かなって思います


――作詞作曲者としての北林さんの変化はメンバーのみなさんはどう感じていますか?

浜口:昔は、世に出ていない曲でも“そんなこと思ってるのか?”って、だいぶ噛みついていく歌詞があったんです。今作は、「終わらない」の何度でも立ち上がってみせるという前向きな気持ちとか、「陽だまり」についてもラブソングというよりは“愛の歌”という感じなので、色々と心境の変化はあるのかなって思います。

小西:僕と英雄は同い年なんですけど、だからこそ話せることもあるし“こいつ、こんなに優しかったっけ?”っていう内面の変化を感じたりとかありました。今作の曲の変化というのは、そういう内面の変化がしっかり表れているなっていうのは感じました。

――例えば「花束」のような曲も、昔は書けなかった?

北林:そうかもしれないです。感謝とかではなくて、もっと違う角度の曲になっていたんじゃないかと思います。自問自答することが多いんですけど、簡単に言ったら丸くなったということなのかもしれないなって。“丸くなった”って、ロックバンドにとってはdisに使われることが多いですよね。“丸くなっちゃったけど、昔の方が良かったな”とか。でも自分は、そんなに自信がある人間じゃなくて。学校でも友だちはいるけどみんなの前では良い顔をして1人になったら孤独を感じるようなタイプの人間なんです。だからこそ人に言われた言葉をすごく考えるし自分に対しても迷うし、それで出した答えが間違っていることもざらにあるし。失敗もめちゃくちゃするけど、それでも前に進もうっていう、色々心境が変化していく、ある意味人間らしい人間だって自分で思っていて。丸くなっていくということも、どれだけプラスで捉えて前に進む原動力にできるかって思うんです。聴いた人にも“こういう一面もあったんだ、大人になっていくのも悪くないな”って感じてもらえるような、ポジティブな一枚、希望を持てる作品かなって思います。

――そういう気持ちになれたのは、この1年半の経験が大きかったですか。

北林:ドラマーが抜けたときは、自分の中では胸が苦しかったです。高校1年のバンドを始めたときからの長い付き合いだったので。そいつとお別れするのはすごく悲しかったですし、ダメなこともいっぱい考えちゃったんです。“自分がもっと有名だったら”“自分がもっと売れていたら、やめへんで済んだのかな”って考えて、すごく落ち込んで自信も無くしました。でも、新しく入ってくれた森ちゃんもそうですけど、色んな人の愛に救われたので。そのいただいた愛で、どれだけ自分が変わって一歩前に進めるかっていうことを考えました。それがきっかけになっています。

――リード曲が2曲ありますね。まず「東京」はどんな思いで書いた曲ですか。

北林:僕は大阪出身なので、東京は戦っている人がいる場所というイメージがあったんです。この曲の主人公は上京しているんですけど、大人になるにつれて色んな矛盾と戦っていて。やらなきゃあかんのはわかっているけど、できない自分がいたりとか、「愛してあげるよ」の歌詞に出てくるように、卑怯な手を使う奴らにやり返したいけどやり返せなくてグッとこらえなあかん瞬間があったりとか。そういう矛盾する思いを抱えながらも踏み出していく強さを表現したいと思って書いた曲です。歌詞は何回か書き直しました。


――「東京」はサビの“後悔をして”“オールドスクールで”の語尾のあたりの響きが変わる感じがいいですね。

北林:ありがとうございます。

浜口:あれは、最初ヒデが弾き語りで作ってきた段階で“最高やな”って思ってました。バンドでやると変わることもあるんですけど、僕の強い意志でそこの部分は変えずに生かしたんです。「東京」というタイトルと歌、コードの響きは情景が浮かぶようにマッチしていたので良いなと思いました。

小西:「東京」のサビの語尾が上がるコードの部分は、意外とスッと浮かんで歌とも当たらずに良いフレーズが出来たんです。ギターのフレーズと歌メロとの兼ね合いってすごく考えるところなんですけど、当たっている場合は僕のフレーズを変えて避けることが多いです。

森田:この曲はサビ自体が結構長いんですけど、その中で最初の一回し目のドラムパターンはガツガツ前に進んで行くような、頭にキックが2発入っているビートなんです。でもそれをサビ全体でやってしまうと展開が同じになってしまうし、変わったリズムにすると今度は整合性がなくなるので、二回し目だけキックの位置をちょっと変えたり刻むシンバルを変えたりしています。基本的なボトムを支える役割りは変えずにドラムで彩りを変えられる部分を工夫しているので、改めて聴いてみてほしいです。

――もう一方の「終わらない」についてはいかがですか。

北林:結構、落ち込んでいた時期があったので、そのときは曲を書いてもしっくりこなかったんです。でもこの曲ができたときにやっと希望が見えたというか、自分の中でも踏ん切りがついたというか。2018年の10月にライブ会場限定でこの曲だけリリースして、そこからライブででもずっとやっています。自分が落ち込んでいる時期にお客さんや色んな人に助けてもらって、自分が前に進む気持ちをリアルに表現した曲です。

――10月まで続くツアーが始まったばかりですが、意気込みを聞かせてください。

北林:色んな感謝を胸に、来てくださる方の中には、仕事や学校、色んなことで頑張っている人たちの生きる力になれればなと思います。アルコサイトの色んな面を見ることができると思いますし、楽しみにして来てほしいです。

小西:前回のツアーが4人で回れなかったこともあって、森ちゃんが入って足並みが揃って回れることが嬉しいです。がんばります。

浜口:1stミニ・アルバムのときのツアーが<50本未満はドライブやろ?ツアー>というタイトルにしていて、期間中のライブも合わせたら55本ぐらいで。でもそれぐらい回ってなかったらツアーじゃないやろみたいなことを言っていたんです。2ndのときのツアーは<ぶっ刺されたい奴かかってこいドライブ>として、26本回って。今回は21本でシレっとツアーと題しているんですけど、まずそこを突っ込まないでほしいです。

一同:(笑)。

浜口:メンバーが変わったということで、これからは本数が何本であれツアーと言わせてほしいです(笑)。真面目な話をすると、今回はこれまでやっていたライブハウスのもう1つ小さい系列店に行ったりするんです。それはどうしてかというと、今僕らが一番大切にしたいのは今来てくれているお客さんなんです。大きい会場で対バンもたくさん出るライブをするより、自分らが一緒に出たいバンドを連れて行って、地元のバンドが出てくれてお客さんと近い距離でライブができるっていう、最高のツアーだと思っています。そういうところを感じてくれたら嬉しいです。

森田:僕は前回のツアーも20数本サポートとして参加していたんですけど、正式メンバーとしてリリースツアーを回れるのが嬉しいです。楽しみにしていますので、みんなも同じぐらい楽しみしてくれたらなと思っています。

取材・文:岡本貴之


リリース情報

3rd mini album
『逆風に帆をあげろ』
STR-1053 全7 曲 \1,600(税抜)
1.鳴り響け
2.生きたがり
3.東京
4.愛してあげるよ
5.花束を
6.陽だまり
7.終わらない

ライブ・イベント情報

<逆風を力に変えろツアー>
8/21 (水) 京都 GROWLY
9/6(金) 福岡 Queblick
9/7(土) 大分 SPOT
9/8(日) 鹿児島 SRHALL
9/12 (木) 岡山 CRAZYMAMA 2ndRoom
9/13 (金) 神戸 太陽と虎
9/20 (金) 金沢 vanvanV4
9/21 (土) 富山 SOULPOWER
9/22 (日) 名古屋 APOLLOBASE
9/26 (木) 高知 ri:ver
9/27 (金) 高松 DIME
9/29 (日) 久留米ウエポン( 仮)
10/3 (木) 水戸 LIGHT HOUSE
10/4 (金) 仙台 enn3rd
10/6 (日) 郡山 PEAK ACTION
10/7 (月) HEAVEN`S ROCK宇都宮 2/3
10/22 (火祝) 大阪 LIVESQUARE 2ndLINE

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