【ライヴレポート】J、ツアー<THE BEGINNING>完遂「自分自身の新しいスタート。止めるな!」

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Jが4年ぶり11枚目のオリジナルアルバム『Limitless』を携えてツアー<J LIVE TOUR 2019 -THE BEGINNING->を開催。そのファイナル公演が8月11日に東京・マイナビBLITZで行われた。

◆J 画像12点

同ツアーはアルバムリリース前となる7月6日の岡山公演からスタート。以前のライヴが西日本豪雨の影響でやむなく延期(振替公演という形で後に実現)になった経緯もあり、まず岡山で待っているオーディエンスに届けたいというJ自身の想いもあったということだ。そしてリリース前から新曲を披露していったこともあり、各地を廻って辿り着いたファイナル東京公演の爆発力は想像を超えるものだった。


ギュウギュウのフロアから期待と気合いがびしばし伝わってくる中、メンバーが登場。「東京! 飛ばしていくぞ!」とJが叫び、しょっぱなに放たれたのは疾走感と揺るぎない強さを感じさせる「Now And Forever」だ。間奏ではmasasucksとごっちんのツインリードが火花を散らし、ジリジリと太陽が照りつける季節を加速させるナンバーにいきなり撃ち抜かれる。続いて投下されたのは「PYROMANIA」。Jがペットボトルの水を勢いよくフロアにぶち撒き、波のように揺れるオーディエンス。“この東京、全部、壊せ!”と歌って不敵な笑みを浮かべるなど、同曲後半はJの合図でクラウドサーフ状態に。

「会いたかったぜ! 全国ツアーを廻って、もうファイナルです。ここにその熱を運んできました。今夜、いままででいちばん熱いライヴにしようぜ! 覚悟はいいか?行けるか?」──J



直後に放たれた「Go Charge」はエネルギーの塊が飛んでくるようなアクト。最新アルバム『Limitless』で“可能性に限界なし”と定義づけ、ロックの衝動性と力を信じ続けてきたJだからこそ、過去のナンバーも威力を増している。先ごろフェンダーとエンドース契約を結び、プレシジョンベースに持ち替えたことも飽くなき探求心と冒険心の表れであり、強靭さとダイナミズムをそのままにソリッドに鳴らされる音にたちまち持っていかれる。

「最高のアルバムになった」と新作について触れたJは、「爆音で行こうかな」と笑い、ここからは新曲をたて続けに投下。

アルバムの幕開けを告げるスケール感たっぷりの「the Beginning」は弦楽器陣が分厚いコードを鳴らし、音と音の隙間でベースを高く掲げるイントロダクションからしてど迫力。そぎ落とされたサウンドは4人全員が鳴らす音が強く魂が込もっているからこそ爆発力を持ち、永遠に途切れない炎が待つ世界にJのボーカルがいざなっていく。そしてmasuoのパワフルなドラミングとごっちんのスピーディなギターリフに血が騒ぐ「Don’t Let Me Down」はギリギリの緊張状態を解き放つようなナンバー。間奏のJのウィスパーボイスもスパイスになり、場内は熱気を帯びていく一方だ。そしてmasasucksの作曲による「Fever」はギターのストロークで始まり、メロディラインも新鮮。新しい扉を開け放つような光とエナジーが場内を満たしていった。




「新曲はどうだい? いい感じかい?」──J

Jが問いかけると大歓声。「4年間の想いをがっつり詰め込んだ」というアルバムの曲たちは強くメロディックで心を掴まれる。

ギターとベースの絡みがスリリングなミドルチューン「at Midnight」も骨太ながら実にシンプルなアプローチ。その気迫あふれる演奏と焼けつくようなJのボーカルに吸い寄せられるがごとく聴き入るフロア。空気を変えるように投下されたのはアルバムの中で最もキャッチーかつパンキッシュなナンバー「Can’t Get Enough」だ。初期パンクにやられてベースを手にしたというJの原点を思わせる曲に拳が突き上げられ、“解き放つのさ本当の声”というフレーズに続いてシンガロングが巻き起こった。

「高みに行きましょう!」という言葉とともに放たれた「Fly Again」はミラーボールの光が反射する中、大地から羽ばたくようなスケール感で鳴らされ、masasucksがキラめく景色に色をつけるギターソロを響かせた。その高揚感のまま、「RECKLESS」に突入し、ハンドクラップと歓声で大盛り上がり。



「ホントに今回、最高のツアーでした。自分自身の新しいスタート。ツアータイトルのようにホントに始まり。全国各地、イカれているんじゃねーかな?っていうぐらい最高だった」──J

「いつもの25倍ぐらい行けますか!?」と怒涛の歓声に耳を傾け、後半戦は新たなガソリンをぶち込むかのごとくパワーアップした「break」を投下。“衝動は 止まらない”の“止まらない”という言葉を何度も叫び、「止めるな!」と絶叫してのエンディング。その初期衝動を再燃させる1stアルバムからのナンバー「BUT YOU SAID I’M USELESS」から、雄大な大自然を浮かび上がらせるナンバー「NOWHERE」へ。

本編ラストは「オマエたちのその胸の炎、俺に見せてくれ!」と叫んだ「Feel Your Blaze」で場内はシンガロングに。“絡んだ鎖を引きちぎれ”と歌うこの曲も、アルバム『Limitless』のメッセージと地続きにある。自分を解き放つことで広がる視界。窒息しそうな世界に風穴をあける音楽。Jのロックは衝動をキープすると同時に今、この瞬間、時代を捉え続けているからこそ色あせず、グルーヴし続けている。



アンコールでは「難産だった」というアルバムについて触れ、変わらない想いを正直でまっすぐな言葉で届けた。

「10枚のアルバムを出して、その節目を超えて作るアルバムは一体どういうものなんだろう? 自分自身が追いかけてきたロックというもの、音楽に対してこれからも俺自身、いままでのように熱くドキドキできたりするんだろうか?って自己確認し続けた時間だったと思います。今回のアルバムには4年間の葛藤もあるし、気づきもあるし、誓いもあるし、いろいろな想いがギュウギュウに詰まってます。自分自身、このアルバムをどう形容していいかわかんないんだよね。いまだにわからない。だけどツアーを始めて全国各地、爆音でみんなと一緒に大騒ぎして、また大切なものを俺はこの身体に刻みつけらたんだと思います」──J

「会場に来られなかった人にも、みんなから感謝を伝えてほしい」と告げ、「みんなもそれぞれいろいろなものを抱えて、このライヴ会場に来てくれたと思う。日常でそれぞれがそれぞれの場面で戦ってると思うんだよね。そんなときに俺の曲が俺のライヴがみんなの刺激にエネルギーになってくれることを祈ってます」と述べた。


最高の仲間であるバンドのメンバーを紹介した後は、12月30日に<J 2019 放火魔 大暴年会>、12月31日に<F.C.Pyro. Members' Only ~’19-‘20 COUNT DOWN LIVE~>を渋谷TSUTAYA O-EASTで開催するという発表も。そして「いまの俺からみんなへのメッセージを込めてプレゼントします」と披露されたのは“果てしない世界は まだ終わりなんかじゃないだろう?”と問いかける「Love Song」。その真摯な響きと強さに場内が感動に包まれる中、ラストナンバーは焼けつくように熱い「BURN OUT」。“途切れないように”と叫び、Jは新しい相棒のベースを高く掲げた。

多くのミュージシャンがその背中を追い続けてきた存在であるJが見せてくれたものは、その続きが見たくてたまらなくなるとんでもない景色だった。

取材・文◎山本弘子
撮影◎Yoshifumi Shimizu

■<J LIVE TOUR 2019 -THE BEGINNING- FINAL>8月11日(日)@マイナビBLITZ赤坂 SETLIST

01. Now And Forever
02. PYROMANIA
03. Go Charge
04. the Beginning
05. Don’t Let Me Down
06. Fever
07. at Midnight
08. Can’t Get Enough
09. Fly Again
10. RECKLESS
11. break
12. BUT YOU SAID I'M USELESS
13. NOWHERE
14. Feel Your Blaze
encore
en1. Love Song
en2. BURN OUT

■<J 2019 放火魔大暴年会>

12月30日(月) 渋谷TSUTAYA O-EAST
open17:00 / start18:00
▼チケット
前売¥5,500(税込 / ドリンク代別)
プレイガイド発売:11/2(土)~

■<F.C.Pyro.限定 J '19-'20 COUNT DOWN LIVE!!!>

12月31日(火) 渋谷TSUTAYA O-EAST
open22:00 / start23:00
▼チケット
前売¥5,500(税込 / ドリンク代別)
※ファンクラブ会員限定公演のため、プレイガイド発売はございません
Jオフィシャルファンクラブ“F.C.Pyro.”にて最速チケット先行受付中
http://fancube.jp/fcpyro/



■J 11thフルアルバム『Limitless』

2019年7月24日(水) リリース

▲通常盤

【CD+スマプラミュージック】CTCR-14969 ¥3,000 (税別)
【CD+DVD / Blu-ray+スマプラミュージック&ムービー】
DVD:CTCR-14967/B Blu-ray:CTCR-14968/B ¥8,000 (税別)
※DVD/Blu-rayには「Now And Forever」と「新曲」のMUSIC VIDEOに加え、<F.C.Pyro.NIGHT vol.16 新宿BLAZE公演>の模様を収録
※初回生産分は限定スリーヴ仕様

▲SPECIAL盤

【SPECIAL SET (CD+DVD/Blu-ray+スマプラ, PHOTO BOOK)】
DVD:CTCR-14965/B Blu-ray:CTCR-14966/B ¥10,000(税別)
※上記CD+DVD/Blu-ray+スマプラミュージック&ムービー仕様に加え、<J LIVE TOUR 2019 -Voyage 2019->初日のEX THEATER ROPPONGI公演ライヴショットを中心とした全80ページの写真集を付属した豪華スペシャルパッケージ
※初回生産限定
※三方背ケース仕様

【F.C.Pyro.限定 SPECIAL SET】
DVD:CTC1-14970/B Blu-ray:CTC1-14971/B ¥10,800(税込)
※上記SPECIAL SETのパッケージにシリアルナンバープレートが装着されたJオフィシャルファンクラブ“F.C.Pyro.”限定バージョン
※初回生産限定

▼CD
01. the Beginning
02. Now And Forever
03. at Midnight
04. Don’t Let Me Down
05. Ghost
06. Love Song
07. Falling Star
08. Come Alive
09. Can’t Get Enough
10. Fever
11. Fly Again

▼DVD / Blu-ray
<LIVE:F.C.Pyro.NIGHT vol.16 -at SHINJUKU BLAZE 2019.05.05->
01. Now And Forever
02. Go Charge
03. PYROMANIA
04. alone
05. CHAMPAGNE GOLD SUPER MARKET
06. ACROSS THE NIGHT
07. RECKLESS
08. break
09. BUT YOU SAID I'M USELESS
10. Feel Your Blaze
11. TONIGHT
12. BURN OUT
<BONUS MOVIE>
MAKING OF F.C.Pyro.NIGHT vol.16 - at SHINJUKU BLAZE 2019.05.05-
<MUSIC VIDEO>
・Now And Forever
・Love Song

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