【ライブレポート】スカパラの<サマソニ>ステージに桜井和寿降臨「しあわせが、こんにちはしたな!」

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東京スカパラダイスオーケストラが<サマーソニック>東京公演2日目、MARINE STAGEのトップバッターを飾った。

◆ライブ画像(19枚)

定刻の午前11時、オープニングSEが流れ出すと観客の大歓声と手拍子に導かれるように、どんな季節や天候だろうと自らのスタイルを崩すことなく揃いのスーツでビシッとキメている9人の男たちがステージに登場する。谷中敦(B.Sax)が「WE ARE TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA!盛り上がる準備はいいか、サマソニ!戦うように楽しんでくれよ!」とシャウトすると、日本のロックフェスのアンセムとも言える「DOWN BEAT STOMP」がオープニングナンバーとして披露される。初っ端からスカパラメンバーと観客が一体となって、スタジアム全体でモンキーダンスを繰り広げたり、拳を振り上げたりと、熱気を帯びていく。


大森はじめ(Per)の「スキャラバン!」の掛け声を合図に披露された2曲目の「スキャラバン」では、さらに激しくモンキーダンスが繰り広げられていく。NARGO(Tp)、沖祐市(Key)、加藤隆志(G)によるソロまわしで場内をさらに盛り上げていく。MCでは谷中が「サマーソニック20周年おめでとう!」とお祝いの言葉を述べるとともに、「スカパラは30周年です。30年間いろいろなことがありましたが、光を集めるように進んできました」と観客に伝えたあと、「Glorious」が披露される。サビではステージ上でタオルを振る谷中に合わせて、会場の観客も一斉にタオルを振る一幕も。

「Paradise Has No Border」のイントロが流れると場内からは一際に大歓声があがる。元々はアルコール飲料のCMソングとしてお茶の間に広がったが、インストナンバーでありながらも小学校・中学校・高校の多くの吹奏楽部で演奏されたり、さらには高校野球の応援ソングとして甲子園でも演奏されるなど数多くの人たちに浸透した曲となった。


GAMO(T.sax)が「この会場でいちばん盛り上がっているのはどこだ?」と煽り会場中から大歓声があがるなか、GAMOが盛り上がっている方を指さし「こっちへ行くぞ!」とNARGO(Tp)、北原雅彦(Tb)、谷中敦(B.sax)のホーンセクションと川上つよし(B)、加藤隆志(G)を引き連れ、上手側の花道へ移動してフォーメーションを組んでサビのメロディーを奏でると上手側からは大喝采が沸き起こる。次にGAMOが「そっちはどうだ?」と下手側を煽ると下手側からも大歓声があがり、同様にGAMOがメンバーを引き連れ下手側の花道へ移動し、再びサビのメロディーを奏で、さらに盛り上げていく。

「最高の盛り上がりをサンキュー、サンキュー、サンキュー!」と茂木欣一(Dr)が観客に感謝を述べ、MARINE STAGEへの出演は2003年以来16年振りであることを伝えたあと、「この喜びを歌に託したいと思います。遥か彼方まで届けたいよね」と茂木がボーカルを務める「銀河と迷路」が披露される。熱気に包まれていたステージに茂木のボーカルが爽やかな風を運んでくるようだ。「遊戯みたいにGO」では観客の体をさらに揺らしていく。


そして、いよいよ桜井和寿が登場することとなる。しあわせな瞬間を目の当たりにできる知らせは前日に突然舞い込んだ。「スカパラと桜井和寿、サマソニでの共演が急遽決定」というニュースに多数の音楽ファンたちが心を躍らせた。実は、スカパラが桜井和寿をゲストボーカルに迎えてデビュー30周年記念“歌モノ”シングルとして「リボン feat.桜井和寿(Mr.Children)」をリリースした8月7日に、サマソニのMARINE STAGEでMCも担当しているサッシャがナビゲーターのJ-WAVE「STEP ONE」に谷中と茂木が生出演。その際、サマソニを開催しているクリエイティブマン清水直樹社長ともサマソニ談義をしたのだが、そのとき清水社長が「スカパラのステージに桜井さん出てくれないかな?」と希望的発言をしたのだが、その時点では桜井和寿の出演はまったく決まっていない状態だった。

谷中が「紹介します。スペシャルゲスト、桜井和寿!」と呼び込むと、上手から桜井和寿が颯爽とステージに登場する。会場中からこの日いちばんの大歓声が沸き上がる。もちろん披露された曲は「リボン feat.桜井和寿(Mr.Children)」だ。桜井和寿が素晴らしい歌声を響かせながら同時に観客のことも煽っていく。


そんな日本最高峰のボーカリストの歌声とパフォーマンスにスカパラメンバー全員がずっと笑顔で演奏している。桜井和寿は下手側の花道へ行ったり、上手側の花道へ行ったりとステージ全体を使ってスタジアム中に歌声を届けていく。最後は桜井和寿のジャンプで曲が締められ、ステージ上では谷中と桜井和寿が抱き合うシーンも。桜井和寿は「楽しんでって!スカパラ最高!」と叫んでステージを後にした。

初披露された「リボン feat.桜井和寿(Mr.Children)」は、実はレコーディング以来、一度もいっしょにパフォーマンスはされておらず、この日のライブでもリハーサルは行われていないことから、まさに音楽家としての力量が試される一発勝負の場であった。


「スカパラ最後の曲です。最後まで楽しんでってね!」と加藤隆志(G0が観客に言うと同時に、ラストナンバーの「ペドラーズ」が披露される。朝イチからこんなに盛り上がって最後まで体力がもつのかというくらい観客も踊りまくっている。演奏終了後、谷中が「最高の景色をありがとう」と観客に感謝の思いを伝えたあと、ある意味スカパラのステージ上での恒例行事となっている谷中のセルフィー撮りが行われることに。「桜井くん!」と桜井和寿を再びステージ上に呼び込み、数万人の観客をバックに最高の笑顔のスカパラメンバーと桜井和寿が記念写真を撮影。

10人の男たちがステージを去ったあと、MCのサッシャが「サマソニ20年の歴史のなかで、最強のオープニングだったのではないでしょうか!」と言っていたが、まさにその通りの熱狂が生み出されていた。「リボン feat.桜井和寿(Mr.Children)」の歌詞の一節に『しあわせよ、こんにちは。そばにいて』というフレーズがあるが、ステージ裏で谷中が最後に言ったひと言がこの日のライブを物語っていた。「しあわせが、こんにちはしたな!」と。



写真◎勝永裕介

セットリスト

01. DOWN BEAT STOMP
02. スキャラバン
03. Glorious
04. Paradise Has No Border
05. 銀河と迷路
06. 遊戯みたいにGO
07. リボン feat.桜井和寿(Mr.Children)
08. ペドラーズ

◆東京スカパラダイスオーケストラ オフィシャルサイト
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