【インタビュー】Nakanoまる、一度触れたら病みつきになるような中毒性を持ったミニアルバム『WOW』

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■友達だって思っているのが私の一方的な気持ちだったにしても
■関係性って些細なことで変わらないなって思ったのが「QU」


――では、それぞれの楽曲について少しずつ伺っていきたいのですが。

Nakanoまる:まず「QU」は親友に向けて作った曲です。中2の時にBUMP OF CHICKENを教えてくれた子なんですが、昔からの古い友達=旧友で「QU」。誕生日にはいつもLINEでメッセージをくれたりしていたんだけど、2年くらい前に突然来なくなって。すごく寂しくなって、中学の時のことを思い出していたんです。あの頃の私は彼女に対する独占欲がすごくて、彼女に彼ができた時も“盗られた!”と思ってしまうくらい彼女に対する愛もすごかったんですよ。今思えば距離感がおかしかったんですよね。

――なるほど。

Nakanoまる:で、同じ時期に作った「とっても明るい未来」は、部活やクラスが同じだったいつものメンバーとの集まりがきっかけで生まれました。たまに“なんでこのメンバーといるんだろう?”“飲み会、行きたくないなぁ”なんて思う時があったりして、一度LINEグループから抜けたんですよ。そうしたらみんなが“どうかしたと!?”って大騒ぎになって。そうやって一度離れたことで人との距離感みたいなものがわかったんです。ライブに来てくれるお客さんともそうだけど、私、ちゃんと向き合えてなかったんですよね。これくらいの距離感でいればいいんだってわかってからは、すごく居心地が良くて、楽しくて、ハッピーでいられるようになりました。


――人との距離感という共通点を持った2曲なんですね。

Nakanoまる:はい。LINEが来なくなっても私の“好き”という気持ちは無くならないし、友達だって思っているのが私の一方的な気持ちだったにしても、彼女は親友だし、私はハッピー。関係性ってそんな些細なことで変わらないなって思ったのが「QU」で、「とっても明るい未来」のほうは“こういう関係性だったんだな”っていう気づきから生まれた曲。この2曲はぜひセットで聴いて欲しいです。

――「ドキ死」は、先ほども話に出たNakanoまるさん主演の映画の主題歌ですね。

Nakanoまる:以前、シンガーソングライターの工藤ちゃんがTwitterで“ずっとドキドキしていたい”って呟いていて、それに対して私は“ずっとドキドキしてたら死んじゃうよ!”と思って作った曲です。

――Nakanoまるさんの作る曲は、最後の最後で場面をぐっと展開させたり、オチをつけるような1フレーズを持ってくる曲が多いですよね。「ドキ死」もそうだし、「俺たち、クズ人間」も。「とっても明るい未来」もそうかなと思いますが。

Nakanoまる:確かに。ポップだけど歌詞はちょっと暗いとか、ストーリー性のあるものとかもそうですが、これまで好きで聴いてきたELLEGARDENやBUMP OF CHICKENといったバンドからの影響も出ているのかなと思います。

――「いかのお寿司」も、タイトルと歌っている中身のギャップが面白い曲です。

Nakanoまる:<いかのお寿司お菓子もな>と続くんですが、これ、すごく大事なことを言ってる標語なんですよ。

――「いかない・のらない・大声を出す・すぐ逃げる・知らせる」「押さない・かけない・喋らない・戻らない・泣かない」っていう、自分の身を守るための言葉が並ぶんですよね。

Nakanoまる:はい。高円寺の電柱に貼ってあったんですが、すごく錆び付いていて、こんなことで安全性が守れるのか!と(笑)。これを曲にしてもっといろんな人に知ってもらわなきゃと思ったし、単純にこれを歌にしてみたいなとも思って書きました。そうやって生き抜いていこうぜっていうところから発想を広げたんですが、その頃ちょうど友達の彼氏がタトゥーを入れていて世間を生きにくそうだなって思ったり、考えてみればお母さんも生きにくそうに生きてる人だったし、私が以前受けたミスiDのオーディションを受けるような子達もそうだったなって。私自身も“生きづらそうな人だね”って言われたことがあったりして、そういう生きづらい世間なんだけど、みんなで生き抜いていこう!<いかのお寿司お菓子もな>が広まったらきっともっとハッピーだよなと思って作っていきました。


――「俺たち、クズ人間」はかなりパンキッシュなナンバーですね。

Nakanoまる:恋愛関係のゴタゴタを間近で見ていて、でも自分は部外者だから何も言えなくてっていうところから歌詞を書きました。曲は、バンドのメンバーとセッションしながら作ったもの。最後の「喧嘩」もそうですね。

――「喧嘩」はすごくナチュラルな歌詞だなと思いました。作品の最後に収録される曲って結構意味あり気だったりするけど、これは肩の力を抜いてありのままを歌ったんだろうなと。

Nakanoまる:そうですね。自分的にどの曲にも思いを込めているから、最後はどうしようかなってずっと悩んでいたんです。でも、みんな出てくるしこの曲がいいかなと思って。

――みんな出てくる?

Nakanoまる:猫も犬も、あの人も私も出てくるから(笑)。

――最後にみんなでカーテンコールしているみたいな(笑)。

Nakanoまる:(笑)。喧嘩した時って色々考えちゃうけど、これくらいパッパラパーでいたいなっていう。元彼と喧嘩した時の、ただ事実を述べてみた曲です(笑)。

――個性豊かな、そして何度もリピートして聴きたくなるような6曲。MVもぜひ見ていただきたいですね!では最後になりますが、今後の活動についても聞かせてください。

Nakanoまる:今年は6月に「令和源氏オペレッタ」という舞台もやらせていただいたんですが、11月には、女優として参加するMOOSIC LAB 2019の長編映画も公開になります。音楽はもちろんですけど、これからもいろんな形でNakanoまるの表現を広げていきたいなと思っています。

取材・文●山田邦子


リリース情報

mini album『WOW』
2019.8.28 Release
HTP-1023 / ¥2,000 (税抜価格)+税
01.とっても明るい未来
02.QU
03.ドキ死
04.いかのお寿司
05.俺たち、クズ人間
06.喧嘩

ライブ・イベント情報

<Nakanoまる 1st EP『WOW』リリースパーティー!!>
8月28日 @下北沢HALF

<おかありな、なんかやります。>
2019年9月4日(水)下北沢CLUB Que
出演:
おかありなとゆゆゆ(スペシャル編成)
Nakanoまる
西山小雨

<弾語りライブ+サイン会>
2019年9月8日(日)ヴィレッジヴァンガード下北沢

<バンドセットアコースティックライブ+特典引換会(特典:ポスター)>
2019年9月21日(土)タワーレコード池袋店
場所: TOWER RECORDS池袋店6階イベントスペース

<ねむいフェスvol.4>
2019年9月23日(祝)Club Malcolm
出演:原宿眠眠/みのりほのか/武井麻里子/彼女のサーブ&レシーブ/Nakanoまる/ミライスカート/イロハマイ

<Nakanoまるバンドワンマン『DOKIDOKI』>
2019/9/28@下北沢BASEMENT BAR

2019年10月13日(日)佐賀 RAG-G
出演:カノエラナ / Nakanoまる / 武下詩菜 / 野間優貴

<弾き語り+サイン会>
2019年10月14日(月・祝)タワーレコード福岡パルコ店
場所:タワーレコード福岡パルコ店イベントスペース

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