【ライブレポート】DREAMS COME TRUE、<ドリカムワンダーランド>千秋楽

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DREAMS COME TRUEが9月8日、大阪・京セラドーム大阪にて<史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND 2019>のファイナル公演を開催した。以下、オフィシャルレポートを掲載する。

◆ライブ画像(全10枚)

7月14日のさいたまスーパーアリーナ公演からスタートし、全国5ヶ所11公演、38万人を動員した“史上最強の移動遊園地”もいよいよここ京セラドーム大阪で最終日を迎える。ご存知の通り、ワンダーランドの開催は4年に一度。さらに今回はデビュー30周年が重なるというメモリアルイヤーということで、いろんなスペシャルが詰まりまくったワンダーランドになった。果たしてどんなスペシャルがあったのか? 最終公演の模様をレポートする。

正面のLEDビジョンに映し出されたのはアニメーション。最新アルバム『THE DREAM QUEST』で活躍したキャラクター・十二音使徒が登場し、天空を映し出す大宮殿を作り上げる。会場全体がボールルームになるというアニメーションとコラボした演出が斬新だ。そして総勢約40名のパフォーマーたちが宮廷音楽隊となり、高らかに鳴り響く「A theme of the WONDERLAND」のファンファーレに合わせてダンスをし会場のテンションを上げる。ド派手な火柱と特効のあと、ドリカムの二人が登場、ワンダーランドの幕が開けた。


7曲目の「世界中からサヨウナラ」では早くもワンダーランド名物“空飛ぶ吉田美和”がお目見え。3Dフライトと言われる技術を駆使したフライングは本当に空を飛んでいるように見える。それにしても、毎回驚かされるのは、フライングするだけで相当な神経と体力を使うはずなのに、まったく歌がぶれないこと。吉田美和が驚異的なヴォーカリストにしてパフォーマーであることを再認識させられる。つづいて大掛かりな仕掛けが。なんとメインステージがアリーナ正面のオーディエンスの頭上を通過してセンターの位置まで移動したのだ。センターステージにトランスフォームしたままライブは進行し、スペシャルゲストが登場。30周年とワンダーランドが重なる今年に合わせて20年ぶりのシングル「SPOIL!」をリリースしたあの2人だ。そう。2回目のワンダーランド(’95年)で初ステージを踏んだという因縁浅からぬFUNK THE PEANUTS。絶妙の掛け合い的歌唱で会場を大いに湧かせて走り去って行った。

今回のワンダーランドの最大の見どころは何と言っても演奏に尽きる。元アース・ウィンド・アンド・ファイヤーの2代目ドラマー、ソニー・エモリーとT-SQUAREのドラマー、坂東慧というツインドラムに中村正人のベースが絡み合う超ド級のリズム隊、元タワー・オブ・パワーのグレッグ・アダムス(トランペット)やDIMENSIONの勝田一樹など総勢8名からなるワンダー・ホーンズという布陣は、ファンクやR&Bを血肉とするドリカムの音楽をその精神性含めて表現するために用意されたスペシャルなバンドと言っても過言ではない。後半に用意された、吉田美和曰く「渋めで主張の強い」パートは、今回のワンダーランドを象徴するものだった。


後半ラストスパートは、待ってました!の大ヒット曲パート。誰もが知っている名曲を畳み掛け、オーディエンスも大合唱で応える。「みんなの顔を見ながらここでこれを歌うとマジで泣けるやついきます」と言って始まったのは、「大阪LOVER」。曲の途中で中村正人がアリーナ席を演奏しながら練り歩くパフォーマンスで会場の熱が一気に上がる。さらに、「決戦は金曜日」では吉田美和&中村正人による自転車二人乗りによるダブル・フライトが実現。自転車ごと空を舞った二人がドームをゆっくり旋回していく。自転車には、「祝デビュー30周年 みなさま ホントにホントにありがとう!!!」の垂れ幕がぶら下がっている。30周年&4年に一度のワンダーランドが合わさった記念すべき年を象徴するシーンだった。



アンコールも含めて全31曲、3時間半を駆け抜けたスペシャルなワンダーランドがここに完結した。ちなみに、次に周年とワンダーランドが重なるのは、20年後の2039年ということだ。今回の奇跡のようなステージを見せつけられた後なら、20年後のワンダーランドも遠い夢物語に感じない。

文◎谷岡正浩
撮影◎中河原理英、岸田哲平

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