【インタビュー】DIR EN GREY、30thシングルは10分越えの大作「アルバムの最後のピース」

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■もっと奥行きや情緒がある
■音の質感とかも含めての曲作りだった

──ミックスエンジニアはDan Lancaster、マスタリングエンジニアはBrian “Big Bass” Gardnerですね。

Die:エンジニアが外国の方なので、メタルっていうか、ドカーンとパワフルにいってしまうっていうか。自分の思い描いていた、押し引きやわびさびのある音質と逆の方向になっていて。インパクトはあったんですけど、インパクトだけの曲ではないから、もっと奥行きや情緒があるように、突き詰めていきましたね。メンバーの好みが分かれたところもあって、なんとかお互いの意見を尊重しつつ。結果的にいいところに落ちつきましたけど。

▲薫(G)

──ただ単にバンドサウンドだけではなく、歌が軸となった世界観を大切にすべき曲だったから、細かいところまでこだわりたかったんですよね。

Die:そうですね。音の質感とかも含めての曲作りだったので、単純にはいかないですよね。すごい音を返してくれるエンジニアとやればOK、とはいかない。

──この曲に対するお互いの解釈をすり合わせていく必要があったというか。

Die:そのやり取りを何回も重ねましたね。自分たちが納得できるところが、どんどんどんどん深くなっているので。とはいえ、細かい修正指示も英語に翻訳して送るので、そのやり取りがね……ほんま、メンバー1人でも現地に行ったほうが伝わるよなって思いました。正直、日本人のエンジニアのほうが密にはできるんですよ。細部までやり取りできる分、時間がかかってしまいますけど、今後はそういうふうにしなければいけないんじゃないかなって、最近は思います。海外のエンジニアさんとやり取りしていると、「歌はこの一文字だけこの音量レベルで聴かせたい」とか言い出したら、作業が終わらないというかね。そういう話になると、現状でも言いたいことは、実はまだあるし、そこまで突き詰めるとミックスだけで1年ぐらいかかってしまう。また、それで最終的にいいものができるのか?というと、そうでもないかもしれない。

──なるほど。

Die:っていうところで、自分との折り合いをつけなきゃいけなかった。だから、これからはエンジニアとのコミュニケーションを大事にしたいっていうことと、作品を重ねるごとにエンジニアがメンバーそれぞれの個性をわかってくれることを望むっていう。だって海外の方ですから、音として捉えているだけで、歌詩の意味も正確に理解してないかもしれないですし。どういうふうな感覚でエンジニアリングしているのか、インタビューしたら面白いのかもしれないですよ(笑)。

▲「The World of Mercy」初回生産限定盤

──たしかにそうですね。また、ライヴで演奏することでも変化していくでしょうしね。

Die:はい。バンドで合わせてから、まだ3日しか経っていないんですけど(笑)。まだまだ音が身体に共鳴していない段階なんでね。今は、ただ演奏しているっていう感じです。その上に行かないといけないですからね。

──Toshiyaさんは、バンドで合わせてみていかがでしたか?

Toshiya:いや、楽しいですよ(笑)。

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