【人間椅子連載】ナザレス通信Vol.66「尿路結石」

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バンド生活30年目にして、初めてライブを欠席するという失態を演じてしまいました。9月7日長野ジャンクボックス、OUTRAGEとのライブです。楽しみにして下さった長野のお客さん、県外から長野まで足を運んで下さったお客さん、本当に申し訳ございませんでした。深くお詫びいたします(何だかバイト時代に書いた始末書みたいだな)。欠席の理由は、尿路結石による激痛のためです。皆さんも気をつけて下さい。この痛みは極悪です。例えるなら腹の中でカブトムシとクワガタが相撲をとっているような感じです。原因はどうも食べ物にあるようです。野菜などに含まれるシュウ酸なる物質がカルシウムと化学反応を起こして腎臓で石になり、尿管に詰まって悪さをするらしいのです。これを聞いて自分はもう二度と危険な食べ物を口にしないと誓いました。特にほうれん草とたけのこが良くないようで、どちらも大好きなのですが、もう見るのも嫌になりました。あと、ブロッコリー、レタス、茄子などもだめらしく、今まで毎日せっせと石の材料を摂取していたのかと思うとぞっとします。大好きなコーヒー、お茶も良くないようなので、毎日水ばかりがぶがぶ飲んでいます。更には肉の脂身、過度の塩分、過度の糖分なども石の製造を助けるらしいので、大好物のコーラも、スタ丼も、牛丼もきっぱりとやめ、豆腐やヨーグルトやうどんなど白くて柔らかいものばかりを食べる毎日を過ごしています。


この苦しみを曲で表わすならばと考えた時、真っ先に浮かんだのがKING CRIMSONのJohn Wetton時代の三枚です。アルバム「Larks' Tongues In Aspic」の1曲目「Larks' Tongues In Aspic , Part One」は経験したことのない痛みがじわじわと迫り来る恐怖をうまく表現しています。5曲目の「The Talking Drum」もDavid CrossのバイオリンとRobert Frippのギターがこれから始まる悲劇への警告音に聴こえます。そして続く「Larks' Tongues In Aspic , Part Two」はいよいよ始まった壮絶な戦いの主題歌です。アルバム「Starless And Bible Black」の1曲目「The Great Deceiver」は腹の中での石の暴動を如実に伝え、「Fracture」は寄せては引く痛みの波が精神を蝕み破壊する様を劇的に伝えてくれます。アルバム「Red」の1曲目「Red」は正に身体のレッドゾーンへの警鐘であり、「Starless」の悲しい音色は、ライブを欠席しなくてはならない無念さと、今まで不摂生を続けてきた自分への激しい後悔を代弁しています。この時期Robert Frippも尿路結石に悩まされていたのか、と勘ぐってしまうほどリアルに病状を体現した三枚です。




憎い石が腹の中で暴れ回っている間は、ハードロックを全く受け付けませんでした。そんな苦しい時に心を安らかにしてくれるのはROLLING STONESです。あのゆるい感じが傷んだ身体の痛みを和らげてくれます。バンド名からして早く尿管から石が転がってくれそうです。昔から大好きだった「Their Satanic Majesties Request」はあまりストーンズらしくないのですが、メロトロンが聴けて、サイケで、スペイシーで、メロディアスで、とても気持ちいいのです。「2000 Man」はKISSがカバーしており、Ace Frehleyの歌がぴったりはまっていて、こちらもかっこいいテイクに仕上がっています。

長野では和嶋くんとノブくんがアコースティックライブで穴を埋めてくれたようで、とても感謝しています。対バンのOUTRAGEもアンコールで人間椅子の二人とともにBLACK SABBATHの「Paranoid」を演奏して盛り上げてくれたそうで、とても感謝しています。本当にありがとう。オープニング・アクトのINVICTUSもありがとう。そして心配してくださった皆様、ありがとうございます。それにしても、お医者さんの「腎臓に次の石が控えていますね」という言葉が気になります・・・。

今回のマイベストテープ~ライブに穴をあけてしまった絶望を表わす曲

A1.Starless / KING CRIMSON
A2.She's Gone / BLACK SABBATH
A3.C'est La Vie / EMERSON,LAKE&PALMER
A4.Crying Days / SCORPIONS
A5.Shadows Of Grief / URIAH HEEP
B1.The Wanton Song / LED ZEPPELIN
B2.Angeline / GUN
B3.The Sun Goes Down / THIN LIZZY
B4.Black Velvet Stalion / BUDGIE
B5.Comfortably Numb / PINK FLOYD



<バンド生活三十年~人間椅子三十周年記念ワンマンツアー」(全7公演)>

11月26日(火)仙台 CLUB JUNK BOX
11月28日(木)札幌 cube garden
11月30日(土)弘前 Magnet
12月4日(水)博多 DRUM Be-1
12月7日(土)名古屋 Electric Lady Land
12月9日(月)大阪 umeda TRAD
12月13日(金)中野 サンプラザホール
*一般発売は10月20日(日)から開始
http://ningen-isu.com/news/?id=8833

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