【インタビュー】Mummy-D「ラッパーがジジイでもやれるってことを証明したい」桑名市PRソングという“挑戦”

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RHYMESTERのMummy-Dが書き下ろし楽曲「くわなにさくはな」を発表した。この曲は、三重県桑名市の魅力をPRする企画「Dig K」(Dig桑名)の一環として制作されたナンバー。今回はなぜMummy-Dが「Dig K」に関わることになったのかを聞いた。

◆Mummy-D 関連画像

■町の歴史をラップミュージックで表現する、という可能性

──桑名市のPR企画のために楽曲を書き下ろすことになった経緯を教えてください。

Mummy-D:このオファーを受けたのは、俺が単純に歴史が大好きだから。俺はみんなが引くレベルで歴史と地理が好きなんだよ。めちゃくちゃ詳しい。だから二つ返事で引き受けた。

──観光大使をやることに、ラッパーとして拒否感みたいなものはなかったんですか?

Mummy-D:全然ない。ラッパーとしてのアティチュード云々より、俺はラップの可能性を追求する方に興味がある。ラップは何かを説明したり、アピールするのに向いてる。じゃあ、とある街の歴史を、単なる「お勉強ラップ」じゃなく、普通に聴いていいと思える曲にできるかやってみたいと思ったんだよ。作ってる時、俺自身はすごくワクワクしてた。


──制作はどのように進めたんですか?

Mummy-D:実制作は今年の8月中旬くらいから半月くらいかな。でもそれ以前に取材という名の観光旅行に3回も行ってるのね(笑)。さっきも言ったけど、俺は本当に歴史が好きだから、日本全国のさまざまな土地にいろんな歴史があることを知ってるわけ。でも今回は桑名市の歴史を学芸員の方とかにもさらに深く教えてもらって。あとうまいメシと酒。もう最高だったよ。だから曲を作る段階で、すでに俺の中には桑名の魅力がインストールされまくってたわけ。いくらでも話せるって感じ。でも「お勉強ラップ」にするのは嫌だったから、曲の中にストーリーを作りたかったの。

桑名には伊勢国一の鳥居という大きな鳥居があるのね。ここは伊勢神宮にお参りする時の入り口にあたる場所でさ。江戸時代って実は旅行があまり推奨されてなかったけど、唯一お伊勢参りだけは許されていたから、当時の人たちにとってはものすごくポピュラーな娯楽だったんだよ。しかもこの一の鳥居は旧東海道に作られているから、かなり多くの大名が参勤交代の時にくぐってる。俺自身もくぐった時、好きな武将や、もしかたら自分の祖先もここを通ったのかも、と思ったんだよね。そこをこの曲のストーリーに盛り込んでみようと思ったの。

──トラックはどのように制作したんですか?

Mummy-D:桑名には「日本一やかましい祭り」と言われる石取祭というお祭りがあるのね。30数台の祭車が鉦と太鼓を一斉に打ち鳴らすんだけど、この音をサンプリングしてトラックを作ったら面白そうだと思ったの。

▲石取祭の模様

──今回はギターもDさん自身が弾いたんだとか。

Mummy-D:うん。エッジを効かせるより、人間臭いアコースティックな雰囲気が似合うと思ったから。それでなんとなく自分で弾いてみた。俺は本当にギターのクッソ初心者だから、一小節弾いては休む、みたいなことを繰り返して、それぞれの一番いいテイクをくっつけてる(笑)。

──制作で最も意識したことはなんですか?

Mummy-D:言葉が伝わるってこと。一回目に聴いて歌詞が入ってくる、という部分にものすごく重きを置いた。だからテンポも普段よりゆっくりめにした。最初にサビを作って、そこから曲を組み上げていった感じ。いつもの俺があのテンポでラップするなら、もっとラッパー的な技を駆使していろんなことをやるけど、今回は誇示すべきは俺の技じゃなくて、桑名市の魅力。だからナレーターみたいな感覚だったよ。「I Wanna Know」を連呼するのも、「桑名の」の響きから連想してるし。

◆インタビュー(2)へ
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