【インタビュー #3】doa、デビュー15周年を語る_後編「バラバラな3人が“声”で繋がっている」

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■アコースティックをやって良かった
■3人のハーモニーがより進化した

──アコースティックライブも震災復興に関連したことですか?

大田:そうですね。それに、バンド形式のツアーの場合は、東京、名古屋、大阪といった主要都市だけをまわることが多かったので、アコースティックで47都道府県を制覇したいと。普通は1~2年で47都道府県を一気にまわると思うんですけど、そうじゃなくてもいいんじゃないかって。何年かかってもいいから全国をまわるツアーをしようというアイディアは、すごくいいと思いましたね。

吉本:アコースティックライブは賛成だったけど、アコースティックにアレンジすることが難しい曲というか、実際に不可能な曲もあったんですよ。リハでやってみて、「……どうなの、これ?」みたいな(笑)。イベントとかで1~2曲アコースティックセットでやることはあったけど、1ステージとなると結構大変だったんです。でも、アコースティックで成立させるための試行錯誤も楽しかったんですよね。

徳永:アコースティックライブとなると、僕はベースではなくてアコギとピアノを弾くんですよ。なので、一から練習しないといけないという(笑)。あと、毎公演、セットリストを変えようということになったんだよね?

大田:そう。当初は全公演同じセットリストでツアーをまわろうとしていたんですけど、スタッフから「ライブごとに曲を変えてほしい」と言われたんです。「最低でも1曲目だけは変えてほしい」と。

徳永:「それだったら全公演変えよう」という話になって(笑)。候補曲を常に40~50曲持ち歩きながら、都度都度セットリストを考えたり。

吉本:結果的にツアー中、同じセットリストは1日たりともなかった。すごく面白かったですね。セットリストが変わるから、毎回いい感じの緊張感があって。

大田:そうだね。ただ、僕は最初、アコースティックでの演奏が下手クソだったと思うんですよね(笑)。“ドラムがいないとこんなに大変なんだ!?”って。

徳永:まずドラムいないのでカウントが出せないでしょ。ギターのボディを“コンコン”と叩いてカウントを出すんですけど、その“1、2、3、4”がいつもズレるという(笑)。あと、曲によってギターのチューニングを変えているんですけど、それを忘れて曲が始まって、すげぇ不協和音が鳴ったりとか(笑)。

吉本&大田:あったあった(笑)!

吉本:アコースティックライブって、そういう時も「ごめん!」ってお客さんに謝って、やり直せる空気感が作れるのも魅力で。とはいえ、最初の頃はしょっちゅうやり直してたので……多すぎた(笑)。

大田:“鼻血ストップ”というのも、あったね(笑)。

徳永:あったー。バラードを歌い終えた僕の鼻からツーっと血が出たという(笑)。

吉本:長野公演だったんですけど、その時ちょうど御岳山が噴火したんですよ。だから、御岳山の噴火と連動したのか?……みたいな(笑)。

徳永:するわけない(笑)!

吉本:「鼻に詰めものをして、そのままライブを続けようか」と提案したんですけど、スタッフがステージ袖で思いきり“×マーク”を出していました(笑)。

徳永:「雰囲気ぶち壊しになるので、一旦中断しましょう」とスタッフから止められた(笑)。

吉本:爆笑だったな(笑)。それ以来、徳永さんはライブのときに脱脂綿を携行するようになったんです(笑)。あと、岐阜の古民家みたいな場所でアコースティックライブをしたことがあったんですけど。僕らが座っている真横にお客さんが座っていて、“ええっ?”と思いながらライブをしたことも(笑)。

▲ベストアルバム第1弾『doa Best Selection “ROCK COAST”』

──古民家をはじめ、いろいろなシチュエーションでもライブをされていますよね。これもアコースティックならでは。

徳永:カフェ、教会、小学校の体育館、酒蔵、芝居小屋…というふうに、ありとあらゆる場所でやっています(笑)。

大田:どんどんライブをやる会場じゃなくなってきているんですけど(笑)。たとえば居酒屋だったり。

吉本:ウエストコーストロックとか言ってるのに、酒蔵でライブとか(一同笑)。

徳永:酒蔵とか芝居小屋だと、お客さんは座布団に座って見てもらうからね(笑)。

吉本:居酒屋のカウンターにキーボードを置いてライブをしたこともある。城でもやったよね?

大田:うん、高松城でライブをしたんですよね。もう、なんだかよくわからないけど、毎回いい経験になっています。

徳永:楽しいですね。3人のハーモニーがより進化したという意味でも、アコースティックツアーをやって良かったなと思います。だから、今はバンド形態のリハーサルがすごくやりやすいし、前よりも時間がかからなくなりました。ただ、アコースティックツアーはサポートメンバーがいないから、楽屋がシーンとしています(笑)。この間の高松城は、お城の端っこの縁側で日向ぼっこして、3人とも一言も発しない。あまりに静かすぎて“シーン”という音が聞こえました(笑)。とはいえ、仲が悪いわけじゃなくて、一緒に居すぎてしゃべることがないんです(笑)。

大田:面白いことがあっても“これはライブのMCのネタにしよう”と思って話さなかったりするしね(笑)。

──なるほど。あらゆる意味で楽しんでいるという。

吉本:予想外のことが起きてばかりで、すごく面白いです。

徳永:もうすぐ47都道府県を一周するんですよ。最後は沖縄になるのかな。

吉本:沖縄にしたいですね。ライブのアフターパーティーで、徳永さんがファンの皆さんとハグをするんですよね? あと、“徳永さんの部屋に10分間いられる券”が当たるとか(笑)。

徳永:おいおい!思いつきで言うな。「やらないんですか?」という声が出たら困る(笑)。全国制覇はすごく楽しみだけど、終わっちゃうのが嫌なんですよね。沖縄の後は寂しい気持ちになるんじゃないかな。

大田:いいじゃん、もう1回まわれば(笑)。

吉本:そうですよ。またやりましょうよ。

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