【インタビュー】クレイジー・リックス「本当にクオリティが高くないと認めてもらえない」

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スウェーデンのスリージーなロックバンド、クレイジー・リックスが初来日公演を行った。1980年代L.A.メタルを継承するスタイルとエネルギッシュなステージには定評があり、結成17年にして念願の来日を果たしたかたちだ。

フックのあるリフとキャッチーな楽曲、パワーヒッターのドラムに重厚なコーラスワーク、そしてしっかりと安定感あるダニー・レクソンの歌声は、ポップなメロディかつエキサイティングなステージを展開し、ライブバンドとしての真骨頂を発揮してみせた。最新アルバムからの選曲が一番盛り上がる様子は、彼らの作品毎の成長を物語るもので、来日公演は現ラインナップによる前作との2枚を軸に組み立てられていた。

ライブではアコースティックの見せ場もあり、1980年代サントラをモチーフにしたユニークな演出と終始シンガロングの連続で場内は高揚感と多幸感で満たされていく。立ち振る舞いも華やかに輝いた90分のステージは、はやくも再来日の期待を寄せるものとなっていた。

東京公演の前日、ダニー・レクソン(Vo)、クリッセ・オルソン(G)、イェンス・ルンドグレン(G)、ジョエル・シレラ(Dr)、イェンス・アンダーソン(B)のメンバー全員によるインタビューが実現した。


──初来日はいかがでしたか?

全員:最高だよ。

イェンス・アンダーソン:日本でのライブは、バンドを作ったときからの夢だったんだ。

ダニー・レクソン:実は9年前に一度決まりそうだったんだけど、震災の影響でダメになってしまったんだ。それ以降も何度か話はあったけど、なかなか実現しなかった。でも僕らクレイジー・リックスにとって日本は素晴らしい地域だし、ずっと来たかった国だから本当に嬉しいよ。


──メンバー皆さん、日本は初めてですか?

全員:そうだよ。

イェンス・アンダーソン:昨夜はオフだったから渋谷のスクランブル交差点とかあちこち迷いながらも行ってみたよ。

イェンス・ルンドグレン:洗浄トイレが最高だよね。素晴らしい発明だと思うよ。もう興味津々だよ(笑)。

──楽しまれているようで何よりです。さて、最新作『Forever Wild』は6thアルバムですが、前作から現在のメンバーなので2ndアルバムのような心境でしょうか?

イェンス・ルンドグレン:僕とクリッセにとっては2枚目だから2ndアルバムのような気持ちもあるね。

ダニー・レクソン:もともと4枚目を作り終えた時点でバンド存続自体が微妙でね、次のアルバムも作るのか解散するかのどちらかと思っていた。結局は次も作る事になったから、前作の5枚目『Ruff Justice』は、オリジナルメンバーにとっても新しくスタートした1枚目みたいなところもあるんだよ。そこから自然と出来たのが今回の『Forever Wild』になるんだ。

イェンス・アンダーソン:使った機材もスタジオも前作と同じだから、この2枚のアルバムは連続性があるね。

ダニー・レクソン:前作『Ruff Justice』の「Wild Child」「XIII」「Live Before I Die」の3曲は、『13日の金曜日』のゲームに使われる事が決まっていたんだ。アルバムの中でもこの3曲がまず先にできて、『13日の金曜日』だから当然ホラーっぽくて曲調がちょっと暗めだった。アルバムにはメジャーキーの曲は1曲もなかったんじゃないかな。この3曲を中心にした事でアルバム全体も暗めになったわけ。だから今作はまず軽くて明るいものにしようと思っていたんだ。例えるなら、前作がホラー映画なら今作はアクション映画くらいにさ(笑)。この明確なテーマの違いはあるよ。

──クレイジー・リックスは、セルフプロデュースができるのも強みだと思いますが、ご自身ではいかがですか?






ダニー・レクソン:バンドメンバーがプロデュースを手掛けるのは、メリットとデメリットがある。アルバムを第一に考えて、メンバーにも厳しく、でも自分もメンバーだから気持ちもわかってしまう。外部の人間なら後腐れもないけど、メンバーだとシコリが残っても困るしね。でも、各メンバーのできる事や性格も把握しているし、何よりも予算が節約出来るのは大きい。最近はそういうバンドも増えてきたと思うな。

──今作『Forever Wild』ではスキッド・ロウやスローターあたりの雰囲気も感じますが、皆さんのヒーローは?

イェンス・ルンドグレン:デンジャー・デンジャーのオリジナルギタリスト、アンディ・ティモンズやラットのウォーレン・デ・マルティーニだよ。

イェンス・アンダーソン:僕はアイアン・メイデンのスティーヴ・ハリスや、キッスのジーン・シモンズ。ジーンはベースプレイだけでなく彼の舌もね(笑)。

ダニー・レクソン:スキッド・ロウのセバスチャン・バック、アイアン・メイデンのブルース・ディッキンソンやデンジャー・デンジャーのテッド・ポーリー。特にセバスチャンとブルースのビブラートはいいよね。僕も歌い方に採り入れてはいるんだけど、とても難しいな。

クリッセ・オルソン:僕は1970年代派で、ジョン・サイクスやゲイリー・ムーア、リッチー・ブラックモアかな。

ジョエル・シレラ:他のメンバーとは僕だけテイストが違って、トゥールのダニー・レクソン・ケアリーなんだよ。1980年代よりも激しい方が好みで、ダントツにトゥールが好きなんだ。とても影響を受けている。

──ライブも観に行きました?

イェンス・ルンドグレン:子供の頃は1970年代のバンドも良く聴いていたから、AC/DCやブラック・サバス、オジーやディープ・パープルあたりは観たけど、ヴァン・ヘイレンはまだ観た事がないな。

ダニー・レクソン:スウェーデンには<Sweden Rock Festival>があるから、そこには自分の好きなバンドが9割は出ているよね。ここ10年くらいはずっと行っている。でもボン・ジョヴィやデフ・レパードは昔の方がいいな。

──「Silent Thunder」のMVやビジュアルなどは、80'sリスペクトが徹底されていますよね。


ダニー・レクソン:今の時代、徹底するのは難しいんだよ。当時のような予算が取れないからね。巨大なスタジオで長い時間をかけてアルバムも作れたし、ド派手な事ができた。今はテクノロジーの発達によって若干補えてはいても当時の雰囲気まで出すのはとても難しい。ビデオも、シリアスなものよりも少しのユーモアを混ぜて作るようには心がけているかな。

──北欧勢には80'sを意識したバンドがたくさんいますが、飽和状態ではありませんか?

ダニー・レクソン:たしかに飽和状態にはあるね。ただ僕らは15年以上の歴史があってアルバムも6枚出してフェスティバルでも優遇されている。似たようなバンドが増えたのは、1980年代リバイバルが認められているって事なのかな。バンドが増える事で、また新しいリスナーに届くチャンスでもあるし、良い事だと思うよ。

──そもそも北欧で1980年代リバイバルが人気なのはなぜでしょう?

クリッセ・オルソン:趣味がいいからさ(笑)。

イェンス・アンダーソン:こういう音楽だけが流行っているわけではなくて、スウェーデンにはもっとたくさんの音楽が流行っているから、もしかしたら僕らのような音楽が国外では一番知られているって事かもしれない。

ジョエル・シレラ:スウェーデン国内では、僕らのような音楽は全然知られていないし、とても小さい規模でしかないんだ。実際、僕らのツアーもスウェーデン国外の方がずっと多いからね。






──今回の来日は、日本のブッキングエージェントがスウェーデンでのライブを観て決めたそうですよ。ライブにも定評がありますね。

イェンス・アンダーソン:クオリティの高いバンドと評価してもらっているよ。機材をしっかりと揃えて、いつでも安定した良い音が出せるよう心がけている。サウンド面であたふたしてしまうとプレイにも影響するからね。今回の日本には来ていないけど、いつも同じサウンド・エンジニアがついてくれているのも大きいね。

ジョエル・シレラ:昔より今の方が更に良くなったと言ってくれているね。

ダニー・レクソン:今が一番プロフェッショナルだと思う。10年前と今では格段に違うよ。

イェンス・アンダーソン:スウェーデンはバンド数が多いから、本当にクオリティが高くないと認めてもらえないんだ。だからいつも切磋琢磨して意識を高く持つようにしている。



──今後も楽しみです。

イェンス・ルンドグレン:来年はまずオーストラリアでツアーをやって、夏のフェスティバルの話も決まりつつあるし、来年も良い年になりそうだよ。

イェンス・アンダーソン:こうして日本に来れたのは、日本の皆んながアルバムを買って聴いてくれたからだよね、本当に感謝しているよ。

ダニー・レクソン:スウェーデンのミュージシャンにとって、日本でプレイするのは夢でもあるんだ。1980年代から憧れてたバンドたちが日本に行っていたしね。ベストを尽くしてまた戻って来れるように頑張りたいよ。

全員:本当にありがとう。

取材・文:Sweeet Rock / Aki
写真:Yuki Kuroyanagi

<Crazy Lixx ~ FREEDOM FORCES Japan Tour 2019 ~>

2019.9.25 Shibuya Club QUATTRO
1.Wicked
2.Blame It on Love
3.Hell Raising Women
4.Rock and a Hard Place
5.Lock Up Your Daughter
6.Break Out
7.Children of the Cross
8.Wild Child
9.Whiskey Tango Foxtrot
10.Love Don't Live Here Anymore
11.Make Ends Meet(Acoustic)
12.Walk the Wire
13.It's You
~ Training Montage ~(SE)
14.Silent Thunder + Heatseeker
15.XIII
16.21 Til I Die
17.Ain't No Rest in Rock 'n' Roll
18.Never Die(Forever Wild)
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