【インタビュー】Dear Chambers、「メンバーじゃない」と断言する3ピースバンド

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モリヤマリョウタ(Vo&G)、秋吉ペレ(B&Cho)、しかぎしょうた(Dr)からなるDear Chambersは、もともとは飲み仲間だったという3人が2017年10月に結成した3ピースバンド。エッジの効いたハイトーンボーカルを最大の武器に、疾走感溢れるサウンドを持ち味として、全国を駆け巡っている。

今回はモリヤマリョウタと秋吉ペレにインタビューを実施。BARKSに初登場ということで、彼らがどのような思いのもと活動を行なっているのか話を聞いた。「ひねくれ者」だと自負し、自分たちの関係性を「メンバー」ではないと断言するDear Chambersのインタビューをご堪能あれ。

  ◆  ◆  ◆

■僕らはメンバーじゃなくて「友達」なんで

──10月2日に2ndミニアルバム『Remember me』をリリースされましたが、どんなリアクションが届いていますか?

モリヤマリョウタ/Vo&G(以下、モリヤマ):前作(1stミニアルバム『Goodbye to you』)を出したときよりは、確実に反応が多いです。自分たちの見えないところで広まっている感じは……あるよね?

秋吉ペレ/B&Cho(以下、ペレ):うん。そうだね。

──ライブの雰囲気も変わってきていたりします?

モリヤマ:そうですね。動員も少なからず増えているし。すごい初歩のところで言うと、お客さんが初めてそのバンドを見るときって半円状になることが多いんですよ。(フロアの)最前のところが空いて、円みたいに周りに人がいる感じになるんですけど。たとえば、ツアーで地元の若手のバンドと一緒のときって、そのバンド(のフロア)はそういう感じになっているんだけど、僕らの出番になると、全然行ったことのない土地でもその円が埋まっていたりして。すごく小さい反応だけど、それを動かすのも結構難しかったよね?

秋吉:そうだね。期待してくれている、楽しみにしてくれている人がいるなっていう感じがある。

モリヤマ:その空いているところをパワープレイで埋めるバンドもいるじゃないですか。「もっと前に来て」みたいな。そういうのはあんまり好きじゃないんで。自分たちはいつも通りやっているつもりだけど、前に来るっていう反応は、曲を少しでも知っていないと難しいと思うから、そこはちっちゃな成長というか、一歩ずつ前に進んでいるかなと思います。

──パワープレイはしたくないとのことでしたけど、「こういうことはしたくない」みたいなことって結構多いんですか?

モリヤマ:結構多いと思います。元々この3人は違うバンドをやってたんですけど、その当時にやってたことを今はやってないよね? 「(手を)挙げろ」みたいなことは言わないし。

ペレ:言わないね。なんか、そこは「察しろ」っていう感じ(笑)。

モリヤマ:うん。あまり寄り添いすぎないというか、「みんなで共有しよう」みたいなのはあんまり好きじゃないんで、それこそ「察しろ」ですね、基本的には。それを自分たちがどこまで察せさせられることができるかだと思うし、「挙げろ」って言うのがカッコいいバンドがいるのもわかってはいるけど、僕らがそれをやる必要はないかなって。みんながやっていることはあんまりしたくないんですよ。たとえば、アーティストがお客さんに向かってダイブすることって、メロディック(パンク)とかでは元々あったけど、最近の歌モノとか日本語で歌ってるバンドがやっているのを観たりすると、「僕らは絶対にステージからは降りない」みたいな考え方になるっていう。ひねくれてるんすよね(笑)。

ペレ:俺も思った。ひねくれてるだけだ(笑)。

モリヤマ:あと、自分の好きなバンドがそういうことをしてないっていうのもありますね。ELLEGARDENの細美さんはステージから降りないとか。かたや、自分の好きな銀杏BOYZの峯田は降りるし、じゃあどっち?ってなったときに、僕はちゃんと歌いたいからステージにいるほうを選択するっていう。

▲モリヤマリョウタ(Vo&G)

──他にもやらないと決めていることはあります?

モリヤマ:どうだろう……。「あれをやってないね」って人から言われて、「ああ、確かにそれやりたくないっすねえ」みたいな感じなんですよ。

ペレ:確かに普段あんまり気にしたことないかもね。なんとなく3人の空気感で分かり合っているというか。

モリヤマ:そもそも、この3人って友達だったんですよ。飲み仲間だったんで。

──結成の経緯がCDの帯に書いてあったんですが、ただの呑んだくれがたまたま3人そろったのでバンドを始めることになったんですよね?

モリヤマ:そうです(笑)。元々は対バンで知り合って、打ち上げで仲良くなって、何回も対バンするようになって、毎回打ち上げが楽しくなっちゃって、暇な日があったら飲みに行くようになって、気づいたらスタジオ入ってバンドを始めたっていう。その関係が今も続いている感じなんですよ。だから、機材車とかでもずっと3人でしゃべっていて。そこで「これはかっこいい」「これはダサい」みたいな価値観の共有ができているから、自然とそうなっていくんでしょうね。ただ、たまにドラム(しかぎしょうた)が逸脱しちゃうんで、そこをツンって突くっていう(笑)。

──バンドを始めるときに、「こういう音楽をやろう」みたいな話もされなかったんですか?

モリヤマ:「こういうのが好き」っていう話はしてたけど、「こういう感じのものをやろう」っていうのは特になかったよね?

ペレ:うん。そもそも楽しくやりたいというか、ストレスなくやりたいから、最初にスタジオに入るときに、まずはELLEGARDENのコピーをやろうって話になったんですよ。で、「一軒め酒場」で飲んでからスタジオに行くっていう、普通とは逆な感じだったんですけど(笑)、スタジオに入ったら誰もコピーの練習をしてきてなくて。

モリヤマ:そのときはもうひとりいたんですよ。僕の高校の後輩だったんですけど、そいつだけ練習してて(笑)。

ペレ:で、コピーできないから、「めっちゃELLEGARDENみたいな曲でも作ってみるか」っていうことになって。

モリヤマ:その日にノリで作ったのが『Goodbye to you』に入っている「city」という曲で。その日に「wish」もできたんだっけ?

ペレ:3曲ぐらいできたよね?

モリヤマ:なんなら「city」のイントロは、その後輩が作ったやつなんですよ。

──じゃあ、4人になる予定だったんですか?

モリヤマ:僕はもともと4人でやろうと思ってたんです。言ってしまえば、ギターがそこまで弾けなかったんで。だから、ギターを入れた状態でやりたかったけど、他に好きなギタリストがいなかったんですよ。いることはいるんだけど、ほかでバンドをやってたりするから、自分が納得のいかないギタリストを入れるぐらいなら僕が弾こうと思って。

ペレ:だから、結局3人になっちゃったっていう感じですかね。いい人がいたら入れたいねとは話してたんですけど。

モリヤマ:それに、今ここに誰かが入ったとしてもグチャグチャになるんじゃないかっていう。

ペレ:ちょっと見えないよね(笑)。

▲秋吉ペレ(B&Cho)

──これだけ3人の意思疎通ができているとなると、なかなか難しいかもしれないですね。ただ、そこは3人の繋がりがそれだけ強固だともいえますし。

モリヤマ:まあ、オフ日も3人で遊んでますからね。

──オフ日も!? どんな話してるんですか?

モリヤマ:本当に他愛もない話ですよ(笑)。彼女がどうだこうだとか、あのバンドがどうだこうだとか、あそこの飯がうまいとか。無言になってるのはマジで疲れてるときぐらいだよね?

ペレ:マジで疲れて寝てるか、酔っ払って潰れてるかの2択です(笑)。

──(笑)。それだけ仲がいいと周りから珍しがられません?

モリヤマ:マジで仲良いよね?っていうのはすごく言われますね。

──逆に、周りを見てなんで仲良くないんだろうって思ったりします?

モリヤマ:そこは他のバンドが「メンバー」だからだと思いますよ。僕らはメンバーじゃなくて「友達」なんで。たぶん、メンバーになっちゃうとダメなんですよね、僕らは。

ペレ:ちょっと関係性変わってくるよね。

モリヤマ:仕事をしていないやつが出てくるとそこに目が行っちゃって、バンドの調子が悪くなってくるとそいつにチクチク言ったりとか。過去にそういう経験もあったんで。だから僕らは友達でいようって。

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