【インタビュー】GALNERYUS『INTO THE PURGATORY』「本来の姿がこれでした」

ツイート

2019年にデビュー15周年イヤーを迎え、<GALNERYUS 15th Anniversary ~Radiance~">を締め括るに相応しいニューアルバム『INTO THE PURGATORY』が完成した。

前作『ULTIMATE SACRIFICE』から約2年、海外での活動も含めたこれまでの15年の軌跡と意欲作であるニューアルバムについて、SYU(G)、小野正利(Vo)、YUHKI(Key)がインタビューに応じてくれた。


──デビュー15周年イヤーですが、この15年を振り返ってみていかがですか?

小野:僕は加入して10年なので、その前の5年は知らないんですけど、違いはどうなのかな?

YUHKI:以前よりもずっと上回ってやって来ているから、この10年が特にGALNERYUSですよ。

SYU:「本来の姿がこれでした」って感じだよね。もちろん過去のメンバーも尊敬してるけど、この10年がGALNERYUSだなと心から思いますね。

──メジャーで活動し続けているメタルバンドは少ないですよね。やりたい事はできたと思われますか?

SYU:常にやりたい事、みんなが驚くような新しい事を模索しつつやってきましたし、メンバーを100%尊敬できて、僕とYUHKIさんが作る曲を表現してくれて、自分たちも満足できた上でリスナーにも満足してもらえる音源が作れてきたかなと思います。楽曲やプレイもその都度磨いて皆さんに喜んでもらえたからこそ、メジャーで生き残ってこれたかなと。

YUHKI:ひと昔前だったら、メジャーレーベルの都合で音楽性を変えられたりもあったけど、僕らはメンバーとプロデューサーとメーカーと一心同体となって好きな音楽をやり続けられて来た事は奇跡に近いかなと思う。

小野:なかなかこういうジャンルでコンスタントにアルバムを出して活動するって難しいですよね。加入当時ツアーをやって、アルバムはどうなんだろうな?と思っていたら、毎年ですもんね(笑)。環境としてはとても恵まれていますね。

SYU:一概にメタルと言っても細分化されていて、僕らのメロディック・スピード・メタルってなかなか日本で爆発的に売れる事は難しいじゃないですか。でも僕らがするべき使命として、もっと同じようなバンドと火花を散らして盛り上げたいですね。僕らよりも下の世代で頑張っているバンドもたくさんいますけど、それぞれの個性を打ち出してくれたらもっとこのジャンルも盛り上がってくるんじゃないかな。


──これまでで印象深い出来事といえば、どういうことでしょう。

SYU:やっぱりやりたい事を形にしていく上でのメンバー交代ですね。特にJun-ichi(Dr)さんの脱退は方針の違いでしたけど、大きな出来事でしたね。

YUHKI:知らない間に15年が過ぎてしまったから特にって事ではないけれど、全てが有意義で幸せですね。

小野:僕自身は自分がGALNERYUSに加入した事に尽きますね。ソロでは出会えなかった色々なミュージシャンと一緒にイベントができるのも楽しいし、GALNERYUSのヴォーカルだ!という見方をしてもらえる事で一目置かれるんですよ(笑)。

SYU:謙遜する性格ですよね(笑)。

小野:いや、ホント。渋公にも立てたし、多くのお客さんが僕を受け入れてくれたからね。最初のツアーはとにかくGALNERYUSとして認めてもらえるようにと思ってやっていたので嬉しかったですね。

──小野さんが加入してからの方がもう長くなりましたが、ここまで続くと思っていましたか?

小野:「もう要らない」と言われるまで居続けようと思ったんですよ。

SYU:それはないでしょ。毎年そう言ってるけど、いつそれ言わなくなるの(笑)?

──優劣はないと思いますが、思い入れの強い作品はどれになりますか?

YUHKI:『RESURRECTION』はとても大事な作品だね。小野さん加入の新生GALNERYUSだったし。

SYU:僕もまずそれが浮かんだな。

YUHKI:バラエティに富んでいた『VETELGYUS』もいいな。

SYU:あれは演奏してても楽しいよね。

小野:どれもこれも思い入れもあるんだけど、『ANGEL OF SALVATION』はやっぱり凄いよねぇ。

──何度か海外進出もしていますが、先日の<PROG POWER USA>はいかがでしたか?


▲Masatoshi “SHO” Ono(Vo)


▲SYU(G)


▲TAKA(B)


▲YUHKI(Key)


▲FUMIYA(Dr)

SYU:大きなフェスはリハーサルがない事にも慣れてはいたんですけど、機材トラブルがあってね、YUHKIさんの電源が落ちてしまったり、FUMIYA(Dr)のシステム不良もあって、ちょっと予期せぬ事もありました。でもね、アメリカにこんなにGALNERYUSを好きでいてくれる人がいるんだと驚きでしたよね。気付いたら終わってて、もう日本に居た感じで(笑)。

YUHKI:弾丸だったもんね。南米でウケるのはわかっていたけど、北米ではどうなんだろうと思っていたから、凄く歓迎されたのでとても良かったです。またアメリカへは行きたいですね。

SYU:ライブ前からのGALNERYUSコールが凄かったんですよ。ありがたかったです。でもこれまで一番凄かったのはメキシコかな。小さいハコなんですけど、すし詰状態のお客さんでコールも凄くて「俺たちどこのスターなんだろう」って感じで(笑)。

小野:あの時は、人生で初めてブラジャーが飛んできましたね(笑)。

SYU:<PROG POWER USA>も同じくらいの熱さでしたよ。

──MCは英語で?

小野:うん、一番たくさん喋ったのは「Thank You」(笑)。それから「Next Song」ね(笑)。英語が堪能なベースのTAKAさんに教えてもらった「Are You Having Fun ?」も言ってみたけど、日本語で「楽しんでるかい?」って言っても同じく盛り上がったから、英語が通じたわけではなかったのね(笑)。もう雰囲気ですよ。

SYU:アメリカ人の反応ってもっとドライなものかと思っていたけど、凄く優しかったですよ。

小野:本番前にサイン会と握手会があったんですけど、それに結構並んでくれていたので気持ちも楽になりました。最後はスタンディングオベーションになって、ホッとしました。

──今後も海外の活動予定もありそうですか?

SYU:まだ確定はしてないんですが、海外もまたやる予定ですよ。

──そして2年ぶりのニューアルバムの完成となりますが、手応えはいかがですか?

SYU:いや、大変でした。いつもに増してスケジュールもタイトになっていたので、ギターは4日間で9曲録りました。本当にキツかったですけど、何とかなるもんだと(笑)。作品的にも起伏もあり、驚きもありですよ。

──コンセプトアルバムが続くと思っていましたが、そうではないのはアニバーサリーイヤーだからですか?

SYU:その通りです。やっぱり15周年を一番に打ち出した感じです。コンセプトアルバムも二作続けましたけど、これまでとは似た作品ではいけないなと。最初のYUHKIさんと曲作りの話し合いの段階では、前二作のコンセプトアルバムのスピンオフ的でダークサイドに寄ったスタートだったんです。リフ多めでダークな感じで若干攻撃的な曲も良いよね、なんて話していたんですけど、曲作りをして行ったらだんだん自由に作りたくなってしまって。だったらコンセプトにとらわれず、やりたい事をやろうと。小野さんの作詞やTAKA(B)さんの作詞も多めでみんなで分業して作りたかった。特にTAKAさんの文才をアピールしたかったのはありますね。

──第一印象は「なんて難しい曲だ」と思いました(笑)。

SYU:そうですね(笑)。変拍子までは行かないけどリズム的にも凝っているんですよ。キャッチーではあるけど、そういう部分は増えたかもしれないです。

──かなりプログメタルに寄った印象もあります。

SYU:おっ、そう言っていただけると嬉しいです。

YUHKI:リフとかはプログレに寄った硬派な面と、やっぱりGALNERYUSらしいメロディックな歌メロも僕らの世界だよね。

──ギターはとてもダークな部分を表現していますよね。

YUHKI:ギターは、7弦の曲もあるので、今までにないダークさが出ていると思いますね。

SYU:GALNERYUSでは7弦ギターはしばらく使っていなかったんです。『PHOENIX RISING』以降は使っていなかったと思う。

──たしかに、『PHOENIX RISING』の頃に近いような気がしました。

SYU:完成前からそう感じていたので、自分でも結構ギター弾きまくるんだろうなって。

YUHKI:ギターがそれだけ弾くっていう事は、必然的にキーボードやベースもそれだけ弾かなきゃいけないのよ(笑)。

SYU:オープニングは「Purgatorial Flame」からの「My Hope is Gone」…これぞGALNERYUSでの限界に挑戦した小野さんね(笑)。

小野:どうなんでしょう(笑)。

SYU:YUHKIさん作の「Fighting of Eternity」は、YUHKI節が大炸裂でケルティックな要素もあってとても気に入っている曲ですよ。キーボードの表現も多くて、最終的にソロでのクラシカルツインもあって素晴らしい曲になりました。

YUHKI:てんこもりな曲だね。ま、いつもの事か(笑)。

SYU:今回は、どの曲にもキーボードソロとギターソロを入れたくて、YUHKIさんの出番が多くなったよね。常に新機軸を入れてくれるし。

YUHKI:もう大変なんですよ。「これ前と同じじゃん」とは言われたくないので、今回もかなり作り込んでみました。メンバーそれぞれが毎回進化しているのもわかるので、自分も引き出しを広げていかないとと常に思っていますね。

SYU:「Glory」は、速い3連の曲でこれも若干のケルティック風味を入れていて、怒りや絶望に焦点を当ててTAKAさんに作詞してもらった曲です。

YUHKI:これだけ速い3連は今までなかったよね。それでいて重さもある。速さを出すと軽くなってしまうからこのテンポで重さを出すのは凄いよ。

SYU:ライブでできるように頑張ります(笑)。ギターは、チョーキングの技とかは気に入っていますよ。

YUHKI:ギターソロは聴きどころだよね。

──「Never Again」はめちゃめちゃメロハーですよね。

SYU:おっ、やった。これはメロハーですよ。リフは、先輩の偉人たちに影響を受けた部分も素直に出しつつ、GALNERYUSなりのものにしました。サビのメロは色々と変えてもみたけど、やっぱりあえての直球です。最後の英詞部分もTAKAさん作で聴きどころかな。そして「The Followers」がMVになります。このアルバムの中での推し曲のひとつかな。小野さんのオペラぽい歌唱とYUHKIさんのパイプオルガン風な音にベースソロもあり、世界観もダークに突き詰める事ができた曲です。これと「Come Back to Me Again」で7弦を使ってます。小野さんの切ない歌詞がとても良いですね、「帰って来なくていい、でも帰ってきて欲しい」って実体験なのかな?(笑)。

小野:いやいや(笑)。

SYU:「Remain Behind」もね、「お前はどこへ行ってしまったんだ」って実体験ですか?

小野:いやいやいや(笑)。だいたいSYUくんからこんな感じで書いて欲しいというものがあって。


SYU:「The End of the Line」はGALNERYUSらしい長めの曲ですね。「The Flag of Reincarnation」的な意味合いがあるかな。物語形式で場面を移り変わらせて行って、1分以上に渡るギターとキーボードのユニゾンやハモリとか、ライブで大いに聴きどころですよ。これ本当にどれだけライブで再現できるのかなぁ?

──アルバムリリース日からツアーが始まりますが、どんな内容になりそうでしょうか。

SYU:ニューアルバムの曲は全部やるつもりです。アニバーサリーなベスト選曲的なものも同じくらいのボリュームでできるといいかな。今後の展開としても、来年からはもっとライブを増やしたいよね。

YUHKI:アルバムが12枚でしょ、その時のツアーでしか演ってない曲もたくさんあるわけで、何か新譜のツアーとは別にレア曲だけのツアーとかも面白いよね。

SYU:遡れば遡るほど今の自分とは違うので、「今表現したらこうなる」って思うんですよね。

──そちらも楽しみにしています。最後にファンへメッセージをお願いします。

YUHKI:また激しくて素晴らしいアルバムができたので、ツアー初日が発売日ですが、生のGALNERYUSを是非とも観ていただきたいです。

小野:変わらないところと、また進化したところを感じてもらえたらと思いますし、GALNERYUSを堪能して貰って今年を締めくくって2020年も素晴らしく始まるように頑張ります。

SYU:新年一発目にもライブがありますからね。まずは発売日のライブからです。皆さんに楽しんで貰えるように頑張りますので、是非会場に遊びに来て下さい。

取材・文:Sweeet Rock / Aki

GALNERYUS(ガルネリウス)『INTO THE PURGATORY』


2019年10月23日(水)発売
通常盤 WPCL-13137 / 3,000円+税
初回限定盤WPCL-13136 / 6,666円+税
[CD+スマホリング+トートバック+INTO THE PURGATORY 初回限定盤Tシャツ(Mサイズ)]
初回限定盤WPCL-13151 / 6,666円+税
[CD+スマホリング+トートバック+INTO THE PURGATORY 初回限定盤Tシャツ(Lサイズ)]
1.PURGATORIAL FLAME
Music: SYU
2.MY HOPE IS GONE
Music: SYU Lyrics: SYU
3.FIGHTING OF ETERNITY
Music: YUHKI Lyrics: SHO
4.GLORY
Music: SYU Lyrics; TAKA
5.NEVER AGAIN
Music: SYU Lyrics: SYU, TAKA
6.THE FOLLOWERS
Music: SYU Lyrics: TAKA
7.COME BACK TO ME AGAIN
Music: SYU Lyrics: SHO
8.REMAIN BEHIND
Music: SYU Lyrics: SHO
9.THE END OF THE LINE
Music: SYU Lyrics: SYU
10.ROAMING IN MY MEMORY
Music: SYU

All Songs Arranged by GALNERYUS
Sound Produced by SYU & Yorimasa Hisatake
Produced by Yorimasa Hisatake

店舗特典
■Amazon.co.jp
デカジャケ
■HMV 全店(HMV&BOOKS Online含む/一部店舗除く)
GALNERYUS LOGO WATERPROOF STICKER(HMV ver)
■TOWER RECORDS 全店(オンライン含む/一部店舗除く)
GALNERYUS LOGO WATERPROOF STICKER(TOWER RECORDS ver)
■TSUTAYA RECORDS(一部店舗除く)/ TSUTAYAオンラインショッピング(予約のみ)
GALNERYUS LOGO WATERPROOF STICKER(TSUTAYA ver)
■サポート店
GALNERYUS LOGO WATERPROOF STICKER(サポート店 ver)
※サポート店特典の対象店舗は後日発表
※初回限定盤、通常盤ともに同一デザイン
※一部取扱いのない店舗もございます。特典はなくなり次第終了とさせていただきます。特典の有無に関するお問い合わせは直接各店舗へご確認下さい

<GALNERYUS 15th Anniversary ~Radiance~"WAILING IN THE FLAMES OF PURGATORY" TOUR>

10月23日(水)新宿 BLAZE
open18:15/start19:00
[問]HOT STUFF PROMOTION TEL:03-5720-9999
10月26日(土)福岡 DRUM Be-1
open17:30/start18:00
[問]BIG EAR ANTS TEL:
092-712-4221(月~金11:00~18:00/第2・4土11:00~15:00)
10月27日(日)広島 SECOND CRUTCH
open17:30/start18:00
[問]キャンディープロモーション広島 TEL:082-249-8334
11月8日(金)大阪 BIGCAT
open18:00/start19:00
[問]キョードーインフォメーション
TEL:0570-200-888(全日10:00~18:00)
11月10日(日)仙台 MACANA
open17:30/start18:00
[問]NEWS PROMOTION TEL:022-266-7555(平日11:00~18:00)
11月21日(木)新潟 GOLDEN PIGS RED
open18:30/start19:00
[問]FOB新潟 TEL:025-229-5000
11月22日(金)松本Sound Hall a.C
open18:30/start19:00
[問]FOB新潟 TEL:025-229-5000
11月24日(日)名古屋 Electric Lady Land
open17:00/start18:00
[問]SUNDAY FOLK PROMOTION TEL:052-320-9100(全日10:00~18:00)
11月29日(金)札幌 cube garden
open18:30/start19:00
[問]SMASH EAST TEL:011-261-5569
1月10日(金)新木場 STUDIO COAST
open18:00/start19:00
[問]HOT STUFF PROMOTION  TEL:03-5720-9999
一般チケット発売日:2019/10月2(水)正午12:00
全国一律 ADV \5,500 ※ドリンク代別途
入場整理番号付き 未就学児童入場不可 ALL STANDING

◆GALNERYUSオフィシャルサイト
◆GALNERYUSレーベルサイト
この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス