【インタビュー】DraiN、『GO FOR BROKE』は来たる10周年への第一歩「意地もあった」

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■もがいていると感じたかもしれないけど
■意外と本人は遊びながらやっています

──今回のアルバム『GO FOR BROKE』は、この10年近くの楽曲をまとめたものですか? それとも、ごくごく最近の曲が中心ですか?

440:ごくごく最近ですね。もともと、いろんな時代の曲も集めたんですけど、自分なりの歌を活かせる曲やチャレンジしたい曲も増えていくと、昔の曲っていらなくて。今のスタイルや今のアグレッシヴさを出したいってことで、ほぼ新曲になったんですね。それにもともとはシングルを考えていたんですけど、フルアルバムにしちゃおうってことになったんです。

▲440 (Vo)

──でも今のところ、DraiNには正式ギタリストがいないじゃないですか。レコーディングではゲストギタリストで元JURASSIC(現Apes From Nine)の耕史郎、元GARGOYLEのKENTAROが参加しています。どういう感じで曲のアイデアを二人に投げて、どういうふうにアレンジを固めたんですか?

440:耕史郎くんの場合、それほど細かいやり取りをしなくても、自分の思っていたイメージを形にしてくれたんですよね。それに今っぽくなっていたりして、すごくありがたかったですね。正式ギタリストに関してなんですけど、今まで音源もなかったし、活動もままならなかったんで、いきなり募集しても誰も見向きもしないと思うんですよ。一度、形を作って動いて、ここから正式なギタリストを探していこうかなと思っているんです。僕はジョン・サイクスとかザック・ワイルドが好きで、自分が作る曲はだいたいピッキングハーモニクスがいっぱい入ってくるんですよ(笑)。そういうギターを弾いてくれる人がいればいいかなと。あとステージに立ったときの佇まいが存在感あるギタリスト。そういう人を探しているんですよ。今まで自分が一緒にやってきたギタリストは、存在感ある連中ばっかりだったんで、探すのも難しいんですけどね。

──正式ギタリストが加われば、曲もまた大きく変化していくと思うんですよ。今回のアルバムの各楽曲は、近い将来の変化も見据えたプロトタイプ的な感じもあるんですか?

440:今、自分たちができることはここ。この先は、やっぱりギタリストの色も関わってくると思うんです。それを自分たちが求めているところもあります。ギターとボーカルは、ぶつかり合うほうがおもしろいんですよ。そこでうまくいかないときもありますけど、さらにいい曲が生まれることもある。自分の持っていないアイデアも入ってくるから。そういうことで言うと、今回のアルバムに関しては、自分の全てが出ている仕上がりですね。

▲MAKI (B)

──二人のメンバーも、自分の色をかなり入れ込むことができました?

Tamaryang:そうですね。僕はプログレの世界に足を突っ込んでいたこともあって、キーボードとか他の楽器も好きなんですよ。だからドラムで自己主張するって考えというよりも、バンドのアンサンブルを大切にしていて、そこで自分の考えているものは作れたかなと思います。「DICE」という曲では、ドラムのアレンジも早めに投げたら、「こういうのを待っていた」と440さんは言ってくれましたね。

MAKI:原曲のデモはベースが入っていない状態なので、ベースフレーズはどう付けてもいい感じなんです。ライブで動くことを想定しながら曲を聴いて、自分なりのプレイを付けていきましたね。メロディアスな感じとか、スラップやタッピングもやるので、そういうのもブチ込んでいきました。自分のバンドでアルバムというのも久々だったので、自分の成長ぶりも出したいと思っていましたね。

──そしてボーカルなんですが、詞の中身がけっこうもがいているように感じましたが?

440:あっ、もがいていますか(笑)? 歌詞はプロレスのネタから始まっていたんですけど、最近は人間関係だったりとか。音楽以外の仕事もしているんですけど、いろんな人間関係にヘンに巻き込まれることも、今年は多いんですよ(苦笑)。そういうのも歌詞に入っていたりとか。爆発力を生むために、意図的に歌詞のテーマをそういったところに持っていった部分もあります。あと苦しんでいた20代後半から30代の頃に書いた歌詞から、ひとつずつフレーズを持ってきて、つなぎあわせてストーリーを書いたり。「WEATHERCOCK」がそうですね。変なやり方を思いついちゃったがために、書くのは苦労しました(笑)。

──でも楽しんで詞を書いたんですか。さっき「意地でやり続けてきた」と言っていたので、理想通りに進まないイラ立ちをブチまけているんだと思っていました。

440:そればっかりだと、ちっちゃくなっちゃうんで。こういう作品を作るのは、絵を描くのもそうなんですけど、やっぱりおもしろいからやるわけじゃないですか。全部、遊び心からスタートしてます。曲もそうですね。自分にとっての音楽は、自分のネガティビティをぶつけるものではないんです。さっきの人間関係を書いたってことも、ちゃかし半分なんですよね。もがいているように感じたかもしれないですけど、意外と本人は遊びながらやっています。疲れないほうがいいなと思って。なにしろ一度、疲れちゃった時期もあるんで。やるなら楽しんだほうがいいかなと思って。

▲Tamaryang (Dr)

──なるほど。

440:ライブって絶対に楽しいじゃないですか。曲を書くのも一緒なんですよね。今回のアルバム制作期間も、いろいろ考えて苦しむ部分もいっぱいあったんですけど、ちゃんとやっているなってポジティヴマインドに考えを切り替えれば、楽しさに変化するし、やりがいもあるんで。深く考え始めると、とことんまで考え込んじゃうタイプではあったんですけど。でも僕は、仕事関係の友達とか仲間がすごく多いんですよ。そういう連中と話をしていると、“こういう考え方もあったんだ”とか、ヘンに凝り固まる必要もないなって考えさせられることもあって。それに今は、やりたいことをやっているんで後悔しないなって思いますね。

──歳を重ねて、逆に柔軟になった印象ですね。20代の頃の440は、もっと意固地で……。

440:まあまあ(苦笑)。そうですね、カッコつけてましたね(笑)。でも音楽を続けられて、本当に良かったと今は思いますね。これからも続けていくんでしょうし。続けるにはモチベーションも必要になってくるけど、それを探せばいいだけだし。今度はなにをやろうかなって、考えるのもおもしろいんですよね。この活動も、普通のバンド活動だけでは全然おもしろくないんで。以前も俳優さんたちとコラボしてイベントをやったりしたんですよ。自分の周りにいろいろな人がいるから、“一緒になにかをやろうよ”ってアイデアを形にできるのも、すごくありがたい環境にいるなって思いますよ。

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