【インタビュー】WOMCADOLEの船出「最高の連続を」

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■“最高新記録更新せな”って

──ただ、ここまでバラエティ豊かな楽曲が揃うと、曲順を決めるのが大変だったんじゃないかなと思ったんですが。

樋口:曲が揃った瞬間は違う曲順で決めてたんですよ。最初は「LULLABY」と「ミッドナイトブルー」が逆になっていて、プリプロが終わった後に、並べ替えて一周回して聴いてみたらバチンとハマった。でも、そこぐらいでしたね。あとはすんなり、こう来て欲しいなっていう感じで。

──ポイントはありましたか? たとえば、伝えたい言葉とかサウンド感とか。

樋口:わかりやすいところだと、7曲目の「R-18」まではだいぶゴリゴリじゃないですか。いわゆる強い音、強い色なんですけど、「kamo river」から一気に表情が変わる。そのどっちもが俺なんすよ。全部俺なんだけど、前半で見せられなかった部分、どちらかというと弱い自分を後半に置くことによって、柔らかい自分が出せるんじゃないかなと思って。でも、自分が書いた曲をこう置きたい、こう感じ取ってほしいと思って並べていったから、あんまりストレスも感じずにこうなりましたね。

──なるほど。それにしても「R-18」から「kamo river」の高低差が……(笑)。

樋口:すごいっすよね?(笑) 本当に同じ人間なのか?って。

──ええ。でも、あそこにグっとくるものがありました。自分の中で鳴ったものを忠実に表現するというお話がありましたけど、「ミッドナイトブルー」のストリングスは、それこそ樋口さんの中で鳴っていたから入れようと。

樋口:もうほんまにそれだけですね。実際に聴いてみて、いらんと思ったらやめるけど、脳内だけじゃなくて、一回身体で聴いてみたい。そこはこれからも変わらんところやと思います。



──アレンジをしていく中で、樋口さんからメンバーのみなさんにオーダーされることも多いんですか?

樋口:曲作りの段階で、“こういうのやってみて?”っていうのはありますね。で、プリプロして、実際に身体で聴いて、“ここはいらんのじゃない?”とか“もうちょいいけそうやな”みたいな相談はします。相談っていうか、ぶつかり合いみたいな。

安田:それが樋口発信のときもあるし、メンバー発信のときもありますね。たとえば「NANA」のドラムとかは、生じゃなくて打ち込みで、もうちょっとチャラみを出したくね?とか(笑)。そうやって作っていったものを、メジャーで初めてのフルアルバムに入れられたのは、“俺ら、こういうこともできるんやで?”っていう提示ができてよかったし、自分の頭の片隅では、ここで幅広いものを提示しておきたかったところもあって。言い方は悪いけど、ここでジャブ打っといたろかっていう。そうすることで、今後さらにもっといろんなことができると思うし、もっといろんなことをしたいってメンバー各々が思うかもしれないんで。だから“ここで風呂敷広げとこ”みたいなイメージです。

──先ほどチャラみというお話のあった「NANA」は、かなりダンサブルですけど、そういう曲もやってみようと。

樋口:俺ら、昔は“4つ打ちファッキュー”みたいな感じだったんですよ。ただの偏見なんですけど(笑)。別にケンカ売ってるわけでも全然なくて、俺らが毛嫌いしていたっていう。

黒野:滋賀でも流行ってたんですよ。同世代のバンドが4つ打ちバンバンやってたから、その反抗心で“俺たちは絶対やんねえ!”みたいな。

安田:若い頃特有の(笑)。

樋口:変な尖り方してたよな? でも、それを逆に胸張ってやったらかっこええやんと思って、逆にやったりました。

安田:でも、流行っていたような速い4つ打ちじゃなくて、俺らは重くて腰に来るような4つ打ちを出したんねん!っていう。


▲黒野滉大(B)

──ちなみに、アレンジを詰めていく中で難航した曲ってありましたか?

樋口:……なんやろうな?

黒野:難航か……。

安田:……ってなるぐらい、うまくいったってことじゃね?

樋口:でも「FLAG」は? Aメロのニュアンスがまったく違ってたんですよ。で、黒野がわかりやすく手を挙げられる、疾走感のあるやつにしようやって。

安田:そうやったわ! 確かにイントロはめっちゃ考えとったな。

黒野:この曲は一番みんな考えてた気がするな。歌詞とかメロディはずっと変わっていないけど、他をどうするか?っていう。

──確かに、自分たちのいまが一番濃く出ている曲のど頭をどうするか?っていうのは悩みますよね。

安田:プレッシャーじゃないけど、“最高新記録更新せな”っていう気持ちはあって。よりよいものにするために、ああでもないこうでもないって言ってた感じでしたね。それゆえの難航でした。

──個人的に「R-18」は、サビのメロディや構成とかをいろいろ考えられたのかなと思ったんですが。

樋口:構成は最初からこの感じでしたけど、後からブレイクダウンみたいな部分を付け足しました。この歌がなんせタイトル通り、18禁の映画を観てオナニーするっていう話なんですよ。


──いいですね。メジャーデビューのタイミングで、その歌詞の内容というのが。

樋口:でも、そんなの犯罪でも何でもないから。それを“何してんねん”って笑うようだったら、そんなこと言ってくる世の中のほうがよっぽど腐ってるっていう歌なんですよ。だから、これに関してはもうまっすぐに重たいやつがよくて。そのときに安田が“こういうのどうや?”って、ブレイクダウンを勧めてきて。

安田:僕はそういうハードめなバンドが好きなんで、“これ、うまいことちょいちょいってやったら入れてくれるんちゃうん?”って(笑)。でも、自分がブレイクダウンをやりたいから無理やり突っ込んだんじゃなくて、あくまでも曲が呼んでいるもののヒントを出して、採用されたっていう感じですけどね。

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