【連載】Vol.080「Mike's Boogie Station=音楽にいつも感謝!=」

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ハワイのミュージシャンにカラパナやセシリオ&カポノと同様に影響を与え1980年代にはTOMA/NATTOのデュオでヒット曲も放った卓越したギター・テクニックと唯一無二のオリジナルな歌声を持ち合わせたコンテンポラリー・ハワイアンのレジェンド、リチャード・ナット初来日公演!



1978年コンテンポラリー・ハワイアンの屈指の名盤『Zoomin' Away』を発表したリチャード・ナットと盟友デイヴ・トーマによる“Toma/Natto”。そのリチャードが1980年にリリースしたガットギターによる弾き語りが中心のファースト・アルバム『Not Just Another Pretty Face』は、2002年に日本で再発されて以降、ハワイアン音楽ファン、AORファンだけでなく、シンガー=ソングライター、ネオアコ、ブラジル音楽ファン等、ジャンルを問わず広く音楽ファンから愛され続ける珠玉のアコースティック・ミュージックだ。今年その続編と言える最新アルバム『Unpainted Face 1/2』と『Unpainted Face 2/2』を完成させ、発売に合わせて2019年10月リチャード・ナットは初来日公演を行い、素晴らしいステージを披露した。今回はそんなリチャード・ナットのインタビュー&ライヴ・リポートをフィーチャーしてのMBS!

まずはインタビューから。10月24日東京・曙橋Back In Townでのライヴ当日、サウンド・チェック/リハーサル後に話を聞いた。



Mike:アロ~ハ!リチャード、日本へようこそ。今回が初来日ですか?
Richard:80年代に一度来日しています。ウィリー・マックやクリス・ハートと一緒でした、もう30年前。日本は大好き。日本のオーディエンスはアメリカと違って僕の音楽をちゃんと聴いてくれるし、よく観ていてくれます。ソロとしては今回が初来日公演です.
M:まずはバイオ的なことから…、1956年ニューヨーク生まれですよね。
R:両親はハワイ出身。父は軍人で将軍補佐をしていました。1956年にニューヨークのウェスト・ポイントにある軍用病院で生まれました。
M:その後サウス・キャロライナやアラスカで育ったそうですね。
R:両親はホノルルの実家を手放しませんでした。サウス・キャロライナやアラスカに住んでいた時も、たまに実家に戻ったりしてたんです。アラスカには5年ほど、サウス・キャロライナは3~4年だったかなあ。その頃ちょうどベトナム戦争真っただ中で、まだ30代だった父にベトナムかドイツのどちらかに転勤の命令が下り、ドイツに行くことになったのです。父は単身赴任、母や兄や僕は1967年にホノルルの実家に戻ったんですよ。 



M:アラスカに住んでいた頃、ビートルズにシビレタとか。映画「A Hard Day's Night」で音楽に目覚めた!?
R:その通り(笑)。兄は映画のフィルム缶を映写室まで持っていくというバイトをしていたので、僕は兄にくっついていきよくいろんな映画をタダで楽しんでましたよ。ある日兄貴に「今日の映画は何?」と訊ねると、「よく分からないけど4人の歌手が出てくるゾ」と言うので座って観ていると、♪ジャーーン。It's been a hard day's night!♪と始ったんです。映画が始まってから終わるまで僕はずっと放心状態でした。その瞬間自分のやりたいことが分かったのです。“音楽”!そしての日映画館を出た時の気持ちを現在に至るまで毎朝起きた時に思い出しているのです。
M:そしてギターを始めた!
R:勿論ビートルズの影響でギターを始めましたよ。でもバーズの「Mr.Tambourine Man」でギターを一生懸命練習したんです。それまでディーン・マーティンやミルス・ブラザーズを聴いていたんですが、ビートルズと出会ってからはロックを楽しむようになりました。そうそう、小学4年生の時に初めて曲を書いたんです。どんな曲だったのか忘れましたが、日本人の女の子のことを…、もちろんラヴ・ソングでしたよ。ハハハ。



M:10代にいろんな楽器を楽しむようになったんですって?
R:兄の影響ですヨ。兄はドラムやベースが上手でした。僕もドラムやベース、そしてサックスやトランペット、キーボードにも触れるようになったんです。最初は全て独学でした。その後ブラスバンドにも所属してシューベルトの「軍隊行進曲」といった楽曲を演奏してましたが、僕は楽譜を読めなかったけど、1回聴けばすぐ演奏出来た。
一方で兄がスティーヴィー・ワンダーやジェームス・ブラウンといったブラック・ミュージックに凝りだしたので僕もロックからR&Bに熱中するようになったんです。兄はバンドを組んでいて、僕は彼らのリハやライヴにいつも顔を出してましたヨ。



M:実は1972年、僕は初めてハワイに飛びエルヴィス・プレスリーのステージを3回楽しんだんです…。
R:イエ~ス!僕もエルヴィス公演には行った(笑)。
M:ホノルル・インターナショナル・センターですね。
R:そうHIC。チケットは今思うととても安かった、とっても良い席で観たんだ。エルヴィスは世界中を巡りたかったんだけど、マネージャーのトム・パーカー大佐がグリーンカードを持っていなかった為それを断念したんだね。
M:だから僕はハワイに行ったんですヨ。HICでは翌年1月ローリング・ストーンズも…。



R:ストーンズは行けなかったです、そういえばワイフが98年にアロハ・スタジアムでストーンズを楽しんで、とても素晴らしかったと言ってましたヨ。
M:98年AS公演、この時も僕はハワイに飛んでました。ところで貴方はハワイでライヴ活動を本格的に開始したのは70年代前半からですか?
R:これはあんまり喋ったことはないんだけど、僕は16~17歳の頃サッカー少年だったんだ。一方で音楽活動を本格的に開始したのは70年代前半からでした。本来ならクラブで演奏するのは21歳になってから…。でも僕は親が寝床に入ると家からこっそり抜け出してクラブのステージに立っていたヨ。当時チョビ髭を生やしていました(笑)。クラブのオーナーが僕がサッカーボールを蹴ってる写真が掲載された新聞を持ってやって来て、「オイ、おまえは未成年だな」と言うので、「それは双子の兄弟だよ」と言ってやりました。双子の兄弟って同じ年齢でしょ。でもオーナーは「それならばオーケーだ」と言うんです(笑)。

M:日系ハワイ人、デイヴ・トーマとの出会いを語ってください。お二人は78年にトーマ&ナットのファースト・アルバム『Zoomin' Away』を発表しました。


▲LP『Zoomin' Away』 from Takeshi's Collection

R:デイヴとはさっきも電話で話してたよ。僕には真の友人と呼べる人物が5人いて、彼はそのうちの1人。初めて会ったのは僕が高校生の最後の1974年でした。その年の10月31日に兄が彼を家に連れてきたんだ。デイヴは僕より2歳年上で当時兄と同じバンドで演奏してた。二人で両親が僕ら兄弟のために建ててくれた楽器だらけの音楽部屋にいって一緒にギターを弾いたんだ。以来半年余り、デイヴと毎日のように会ってセッション。そして二人はバンド・メンバー公募に応募してアメリカ中西部を周り、ハワイに戻ってからバンドを結成したんです。バンド名を決めるのも苦労しました。Chapter 2。もうひとつはIlua、ハワイの言葉で2を表します。でもどっちもダメだな。ではToma/Nattoはどうだろうと提案したんです。アメリカ本土では僕の名前をネイトウと発音しますが、ハワイとフィリピンのハーフだった父の名前は、フィリピンではニエトウと言います。それがハワイではナットウ。ただし本土発音だとトマネイトウとなり、トメイトウつまりトマトみたいに聞こえるのです。これが面白いということになり、そこからToma/Nattoが定着していったんだよ。『Zoomin' Away』、日本でもコンテンポラリー・ハワイアンの名盤として評価されているのはとっても嬉しいです。
M:1980年にソロ名義として『Not Just Another Pretty Face』を発表…。


▲LP『Not Just Another Pretty Face』 from Takeshi's Collection

R:『Not Just Another Pretty Face』は当初はToma/Nattoのセカンド・アルバムとしてスタジオ入りしたんだけど、途中でデイヴと喧嘩してデュオは解散してしまい、実は余り良い思い出ではないんだ。ただレコードをよく聴くとデイヴの歌声がかすかに…。僕たちはそれぞれのマイクで同時に歌っていたので、デイヴのマイクのほうをカットしても、彼の歌声は私の背後で聴こえるのです。それからプロデューサーが残りを仕上げようと言うので、何とか1枚のアルバムを完成させたんだ。その後80年代に入って再びToma/Nattoで活動したんだよ。最初のレコーディングは右も左も分からないような状態で、ただスタジオでレコーディングして終わったけど、80年代に入ってからはいろんなことを学び、アルバム制作がとても楽しくなったんだ。


▲LP『Not Just Another Pretty Face』バック・カヴァー from Takeshi's Collection

M:そして今回ニュー・アルバム『UNPAINTED FACE 1/2』
『UNPAINTED FACE 2/2』を発表。オールディーズ・バッド・グッディーズと貴方の作品がとても上手くブレンドされた作品集です!
R:これは日本のVIVID SOUND CORPORATIONからのオファーです。当初は2014年に本作品のシリーズ・プロデューサーであるTakeshi Nagakuboに話を貰ったんだけどその時はタイミングが合わなかった。僕はソサエティー・オブ・セヴン・ラスベガスというショー・バンドを結成し10年ほどハワイとラスベガスで演奏してたんです。そのSOSLVを解散しホノルルに戻って音楽界からちょっと引退していた時期だったかな、Takeshiから改めてニュー・アルバムの話しを貰ったんだ。
M:収録楽曲について語ってください、セルフ・ライナーノーツ!
R:OK!!
『Unpainted Face 1/2』


▲CD『Unpainted Face 1/2』 提供:VIVID SOUND CORPORATION

(1)Reminiscing
M:これはリトル・リヴァー・バンド78年の大ヒットです。ズバリ名曲ですね!
R:僕の大好きな曲です。プロデューサーのKaz Sakamotoも大変気に入ってくれました。

(2)Rhythm Of The Rain
M:カスケーズ63年のヒット。2年前にカスケーズのオリジナル・リード・シンガー、ジョン・ガモーが来日しました。日本では60年代、毎年梅雨になるとこの曲がヒットしたものです。
R:この曲も好きで、もう何年間もプレイしています。まあワン・ヒット・ワンダー的ですけど演奏され続けていますね。素晴らしい楽曲です。

(3)Because
M:デイヴ・クラーク・ファイヴ64年のバラード、ヒットしました。
R:これも長年プレイしています。Toma/Nattoの頃からずっと演奏し続けているよ。



(4)Send A Little Love My Way(Like Always)
M:81年のスティーヴン・ビショップの隠れた名作ですね。
R:シリーズ・プロデューサーのTakeshi が、このアルバムはガットギター1本とヴォーカルだけによる『Not Just Another Pretty Face』の続編というコンセプトを決定し、僕がスティーヴンを好きなことをTakeshiは知っていたので、この曲を提案されたんだ。でも実は僕はそれほどこのナンバーは好きな曲ではなかったんだ。とりあえずレコーディングしてみたところ、とても出来栄えが良くて(笑)実は最初の2か月でレコーディングした楽曲は全て気に入らず、もう一度最初からやり直したんだ。というのも当初はあたかもデイヴと一緒にプレイしているかのように演奏してしまったのでサウンドがスカスカになったんだ。全てをアレンジし直し演奏スタイル自体も変更したんだよ。

(5)Leader Of The Band
M:ダン・フォーゲルバーグ82年のヒット・ナンバー。彼はハワイでとても人気があるとか…。
R:これは父に捧げた作品です。父はとても自分に厳しい人で、この歌詞が父を思い出させてくれるのです。ダンは間違いなくハワイで人気がありましたし僕も好きですよ。

(6)I'm Into Something Good
M:ハーマンズ・ハーミッツ64年のヒット。
R:以前コメディー・コーナーというスポットで何年か演奏したことがあります。まず曲芸師、そして僕、それからコメディアンという登場順でした。そこで取り立てて理由もなくこの曲を演奏したら確かコメディアンのひとりがこの作品をレコーディングしてみたらと薦めてくれました。その事を想い出してレコーディングしたんだよ。

(7)If I Said
M:このナンバーは貴方の書き下ろしですね。
R:古い曲ですヨ。『Zoomin' Away』の頃、僕がシャワーを浴びているたった10分間で曲が出来上がったんだ。その後、81年にプライベート・プレスで100枚にも満たないソロ名義シングルにもリズム・ボックスをバックにスムーズ&スロウなアレンジのヴァージョンを収録しているんだけど、このシングルは権利関係で再発は不可能なんだ。


▲シングル・レコード「If I Said」 from Takeshi's Collection

(8)Zoomin'Away
(9)Really Too Much
(10)Lia
M:『Zoomin' Away』収録、再レコーディングですね。
R:『Zoomin' Away』収録曲は最初のレコーディングが気に入らなかったので、ずっと録り直しを考えていたんだ。Takeshiから連絡をもらう以前に、実は再レコーディングをしてたんだ。ただしそれはギターだけではなく、ギター、ベース、パーカッション、そしてピアノという編成でした。今回はガットギター1本というコンセプトだったので再びスタジオ入りしてレコーディング。今回のシンプル・ヴァージョンとても気に入っているよ!楽曲はシンプルであるべきだね。

(11)Silent Town
M:84年Toma/Nattoのアルバム『Hot Nights』収録ナンバー。


▲LP『Hot Nights』 from Takeshi's Collection

R:オリジナル・ヴァージョンではニッキー・ホプキンスが素晴らしいエレピを演奏してくれました。ドラムスがジム・ケルトナー、ベースはティム・ドラモンド。これはロサンゼルス・レコーディングで彼らはものの1時間で仕上げてたんだよ。エンジニアはヴァロン・アブラモビッチで彼はエルヴィスのレコーディング・エンジニアもやっていて、カセット・テープに録音したマスター・テープを聴かせてくれたんだ。


▲LP『Hot Nights』バック・カヴァー from Takeshi's Collection

(12)House Of Gold
M:ハンク・ウィリアムスの名作。
R:ハンク・ウィリアムス大好きです!僕はクリスチャンで、この曲はイエス・キリストに関して多くを語っている。もう長年に亘ってこの曲をプレイしています。彼の楽曲では他に「I'm So Lonesome I Could Cry」も好きですね。

M:『2/2』についても語ってください。


▲CD『Unpainted Face 2/2』 提供:VIVID SOUND CORPORATION

(1)Can't Help Falling In Love
M:エルヴィスの1961年の映画「Blue Hawaii」からの名曲。僕が初めてエルヴィスを観た72年11月のHIC公演のラスト・チューンでもありました。
R:僕はこの曲をクラブのライヴで演り続けています。エルヴィスのようなスロー・ヴァージョン、♪ワ~イズ・メ~ン・セ~イ…♪と。ただし今回の僕のアルバムでは何か違うものが欲しかったのです。ちょっぴりレゲエっぽくしてレコーディングしてみるととても良い出来栄えに(笑)。上手く出来上がっていたので、これを使おう!となった訳なんだ!!



(2)Wouldn't It Be Nice
M:ビーチ・ボーイズ66年の大ヒット。
R:色々な曲を演った後でKazに電話して、「アルバムにアンカーになるような歌が必要だ」と話しました。僕にとってアンカー・ソングとは、アルバムを聴いていくうちに中だるみのようになる箇所があり、そこでリスナーをもう一度掴んで引き寄せるような曲を意味するんだ。僕はこのナンバーをよくピアノでプレイしていたのですが、今回はギター1本なのでアレンジし直してみたところ、とてもクールに仕上がったよ。やっぱりブライアン・ウィルソンは大好きです。勿論天才です。
M:そう言えば。あなたはビーチ・ボーイズのハワイ公演の前座も務めましたね?



R:ハハハ。Mikeは僕のことをよく知ってるね!Toma/Nattoで前座をやりました。そこはスタジアムで観客は5万人。二人の出番は昼の12時でしたよ!暑い~!僕らの次がハート、そしてビーチ・ボーイズ、面白い話があるんです。僕たちが出番を終えてハートがステージに上がっていく時に、トンネルを抜けて出て行くのですが、そこでちょうどカール・ウィルソンがビーチから歩いて入ってきました。裸足で濡れてて首回りにタオルを引っかけて(笑)当時の彼らはツアー用大きなコンテナを持ってきていたのですが、それを開けると中は全部ギターでした。なにしろギターだけ!(笑)でもその日の彼らの演奏の出来は全くダメでしたよ(笑)。

(3)Happy Together
M:タートルズの67年の大ヒット。
R:Kazのアイディアです。ちょっとしたビデオを作ったのですが、そこでこの曲を演ってみたら中々グッドな雰囲気、じゃあこれを収録しよう!となったのです。

(4)The Look Of Love
M:バート・バカラック作品、68年にダスティ・スプリングフィールドでヒット。映画007/カジノ・ロワイヤルで使用されました。ディオンヌ・ワーウィックほか多くのアーティストがカヴァー。
R:これもKazのアイディアです。なにかブリッジとなるような曲が必要だったのです。良い歌ですよね。

(5)Don't Let Me Be Lonely Tonight
M:ジェームス・テイラーの72年のヒット。
R:もう長年演っています。クラブで演奏する時は必ずと言っていいほどプレイします。この曲も素晴らしい作品です。



(6)Wait For Me
M:ホール&オーツの80年のヒット。
R:ロサンゼルスでダリル・ホールに会ったことがあります。ホール&オーツがちょうどハワイに行く時でした。僕はライヴ・ヴァージョンが好きです、サイコーですよ。でも今回はギター1本なので、違うスタイルです。

(7)That's All Right
M:アーサー・クラダップの作品、エルヴィス・プレスリー1954年のファースト・シングル・ナンバーとして知られています。
R:エルヴィスのオリジナル・ヴァージョンではスコティ・ムーアのプレイも聴けるけど僕は自分のヴァージョンで演ってみようと、ドゥンドゥンドゥン・・・というベース・ラインを演奏したんだ。

(8)Return To Sender
M:ザ・キング、エルヴィス62年のヒット。映画「GIRLS!GIRLS!GIRLS!」から。
R:どうしてこの曲にしたんだっけナァ。ただこの曲が好きなんですよ。



(9)I Just Wanna Stop
M:ジノ・ヴァネリの78年のヒット。
R:この曲も長年演っています。アルバムではオリジナル通りの歌詞だけど、時々ライヴでは歌詞を変えて歌うこともがあるよ。

(10)How Can You Mend A Broken Heart
M:ビー・ジーズ71年の大ヒット。僕はアル・グリーンのヴァージョンも大好きです。
R:この曲はライヴでもキーをEで演りたかったんだけど、ちょっと下げてAでプレイ。高いキーで毎晩歌うと苦しいもので(笑)だからアルバムのほうがイイ感じです。更に高いキーでやればもっとビー・ジーズっぽくなるんだけどね。アル・グリーンも良いシンガーですね。

(11)That's All I Ever Wanted To Do
M:貴方のオリジナル楽曲。
R:妻のために書きました。僕が書く全ての歌は妻のためです。「Lia」を除いて!妻と知り合ったばかりでまだ交際していなかった頃、Liaという女性にも出会いました。ワオという女性でした。それで彼女のことを歌ったのです。なので妻がいる時は、「Lia」をあまり歌わないようにしてるよ、ハハハ。

(12)By The Time I Get To Phoenix
M:ジミー・ウェッブ65年の作品でまずジョニー・リヴァースが発表。でも何といってもグレン・キャンベル67年のヒット作として多くのファンに親しまれています。
R:以前の自分のバンドでグレン・キャンベルの「Wichita Lineman」を演ってましたが、このアルバムには合わないと思ったのです。でもジミー・ウェッブ作品を収録したかった、ということでこのナンバーを取り上げたんです。アルバム中で一番気に入っていますヨ。良い出来栄えでしょう。

M:今回の来日に合わせて2009年のアルバム『Let's Make Music』が『Let's Make Music Again』として日本のファンの前に登場しました。


▲CD『Let's Make Music Again』 from Mike's Collection

R:良いアルバムですよ。ビー・ジーズのように大衆に受ける作品を作りました。自分なりのビー・ジーズをイメージしたアルバムです。
M:『Let's Make Music Again』にはボーナス・トラックとしてクリスマス・ソング2曲が収録されています。
(1)Have Yourself A Merry Little Christmas
(2)I Miss You On Christmas Day
R:実はオリジナルの『Let's Make Music』は1曲だけ権利の問題で収録出来ない曲があったんだ。その代わりといっては何だけど日本のファンの皆さんへ一足早いクリスマス・プレゼントとして収録したんです。

M:最後にハワイ・ミュージック・シーンの現在の動向を語ってください!
R:ハワイ・ミュージック・シーンは変わり続けています。でもそれはハワイだけでなく、グローバルの話でもあります。考えてみてください。50年後や100年後、僕たちはまだ「My Girl」は聴いているでしょうし、皆が「My Girl」を知っているでしょう。だけど現在リリースされている歌はシュッと通り過ぎるだけです。勘違いしないで下さい、僕はテイラー・スウィフトのような新しい音楽も好きです。ただそれはジミー・ウェッブの歌とは違うのです。ハンク・ウィリアムスの作品とも違います。新しい音楽は消費財なんです。それはハワイでも同じです。私の知る限り、今のハワイアン・ミュージックのアーティストは良いけれども、新しいものを創り出していないのです。新しい音楽の息吹が見えてこないのです、全く何も…。残念ですが。
M:僕の友人でもあるKazからリチャードさんを紹介して貰って感謝しています。貴方の音楽に巡り合えて心の底から良かったです。



インタビューから2時間後、再びBack In Townに足を運びリチャード・ナットのハートフルでエキサイティングなステージを楽しんだ。新作レコーディングと同様にギター1本とヘッドセット・マイク姿でリチャードはファンの前に登場。割れんばからりの拍手で温かい歓迎の雰囲気の中、オープニングは『2/2』から「I Just Wanna Stop」、早くも素晴らしいギター・テクを披露。



そして2曲目はジェームス・テイラーの1970年アルバム『Sweet Baby James』から「Sunny Skies」、歌詞に“Tokyo”を加えてオーディアンスを楽しませる。メドレーのスタイルで「Rhythm Of The Rain」。カスケーズの名作、『1/2』収録。2018年のリチャードのアルバム『Line Of Fire』で初登場した。リチャードはステージでは口笛も聴かせる…。東京は23日が晴れ、24日に少し降雨だったのだ。


▲CDR『Line Of Fire』 from Takeshi's Collection

3曲目は『1/2』から「I'm Into Something Good」。ミディアム・タッチなリズミックナこのナンバーで会場は手拍子&♪Hey Hey Hey Hey♪で盛り上がる。

次の曲はMCで40年前に結婚したワイフが大好きなロッド・スチュワートのアルバム『Atlantic Crossing』収録「This Old Heart Of Mine」と紹介、リチャードはソウルフルに歌い上げる。アルバム『Let's Make Music Again』のオープニングを飾ったナンバーで『Line Of Fire』にも収録。オリジナルはアイズレー・ブラザーズ(66年大ヒットした)だ。



5曲目はToma/Natto1978年リリースのデビュー・アルバム、名作『Zoomin' Away』のタイトル・ソング。『1/2』で『Zoomin' Away』からリチャード単独作品4曲を再録したことは周知の通り。


▲LP「Zoomin' Away」バック・カヴァー from Takeshi's Collection

そして6曲目はリチャードを音楽の世界に導いたB4ことビートルのメドレー。「Here , There And Everywhere」「I Should Have Known Better」「Rain」。「Here , There~」は『Line Of Fire』に収録。リチャードいわく、ライヴでは定番とのこと。そんな中でMike的には何といっても“恋する二人”がサイコー!!曲終りでB4との出会いなどを語りながら♪It's been a hard day's night♪や♪Hey Mr.Tambourine Man♪をちょこっと歌ってくれる!WOW!!

続いてのナンバーは2年前に亡くなった父親へのトリビュート 「Leader Of The Band」。ダン・フォーゲルバーグでリチャードが切々と歌い上げる、。



『1/2』でスティーヴン・ビショップの「Send A Little Love My Way(Like Always)」を取り上げていたけど、ここで彼の2作品を披露。まずは「Save It For A Rainy Day」。76年にビショップが発表したファースト・ヒット、“雨の日の恋”。『Line Of Fire』に収録。そしてリチャードの大好きなソングライターのビショップ・ナンバー次は「Bish's Hideway(ひとりぼっちの渚)」。スティーヴン78年のセカンド・アルバム『Bish』から。これはリチャードのファースト・ソロとなった『Not Just Another Pretty Face』収録。

10曲目はMCで偉大なるハル・デイヴィッド&バート・バカラックの作品と紹介、しっとりと歌い上げる「A House Is Not A Home」だ。シェリー・ウィンタース主演の64年の同名の映画(禁じられた家)の主題歌。素晴らしきソウル・シンガー、ブルック・ベントンが歌った。ヒット・チャートではディオンヌ・ワーウィックでも話題を呼んだ。このナンバーも『Not Just Another Pretty Face』収録。



そして第一部ラスト・ナンバーに入る前にザ・キングことエルヴィスのHIC公演の想い出を語る…。そしてブライアン・ウィルソンもB4と同じくらいに偉大なるアーティストと力説。そしてBB5ことビーチ・ボーイズでお馴染みの「Wouldn't It Be Nice」。『2/2』収録。会場が手拍子でヒート・アップしたところでリチャードは客席へと足を運ぶ。ダンス・ダンス・ダンスしながらエキサイティングな雰囲気を噴出させていく!

第二部は『2/2』からの「Don't Let Me Be Lonely Tonight」でスタート、ジェームス・テイラーのとてもハートフルなナンバーだ。



2曲目は「Daydream Believer」、モンキーズの67年の大ヒット曲としてお馴染み。ポップな作品、スラム奏法を導入しながら楽しげにリチャードは歌う。元キングストン・トリオのジョン・スチュワートの作詞・作曲。因みにライヴ会場の名称“Back In Town”はジョンがKT在籍中の64年リリースされたライヴ・アルバム(名盤!)に由来している。

今度はリトル・リヴァー・バンドの名作「Reminiscing」。しっとり感を満喫させる。『1/2』収録。

そして4曲目は名盤『Zoomin' Away』から「Domestic Lady」。70年代のあの頃にタイム・トリップさせてくれるサウンドの中でリチャードのギターをたっぷりと味わう。ハワイでのナイト・タイムを彷彿とさせる…。95年のToma/Nattoセルフ・カヴァー・アルバム『Revisited』にも収録。



そんな僕のハワイの想い出をより強烈に蘇らせてくれるのが「Can't Help Falling In Love」。ハワイのいろんなクラブでこの曲を楽しんだ。リチャードの歌はレゲエ・タッチというかUB40を彷彿とさせるこの日のヴァージョンもファンタスティック、アロ~ハだ。勿論一緒に歌わせていただく…。『2/2』収録。

そしてこれまた『2/2』収録の「Because」も歌わせていただいた(冷や汗)DC5ことデイヴ・クラーク・ファイヴの大ヒット曲だ。長めのイントロからこのバラードの名作を実に見事にリチャード・ヴァージョンに仕上げてくれた。


▲日本盤シングル「ビコーズ」(デイヴ・クラーク・ファイヴ) from Mike's Collection

7曲目は「That's All Right」。アーサー・ビッグ・ボーイ・クリューダップがオリジナルのブルース作品。1940年代末に発表されている。何といっても54年のエルヴィスのサンレコードにおけるデビュー・シングルとして有名だ。リチャードはぐっとブルージーなテイストでロックンロールの魅力をしっかりと観客に伝える。



続いては「Emotion」。リチャードのフェイヴァリット・グループ、ビー・ジーズ77年作品。“愛のエモーション”。お得意のBGサウンドをしっかりフィーチャーしている。

再びB4メドレー、「Blackbird」「Lucy In The Sky With Diamond」「Eleanor Rigby」。シンプルな展開の中でビートルズの魅力が僕たちにダイレクトに伝わってくる。



最後は再びビー・ジーズのナンバーが登場、「How Can You Mend A Broken Heart」。ソウルフルでドラマティックな雰囲気を満喫したこの日のステージを象徴するかのようなパーフォーマンス。会場が一体となっての♪La la la・・・♪。Bye bye。

勿論アンコールだ。まずはインストで「Dance With Me」、オーリアンズの75年の大ヒット・チューンだ。そしてもう1曲、『1/2』から「Lia」。『Zoomin' Away』で初めて登場した作品で『Revisited』にも収録。これまた泣かせる…。この日は奥様が会場に不在だったのでこのナンバーを取り上げた!?



資料提供:Takeshi Nagakubo(Tropic Hawaii Records)
協力:Vivid Sound Corporation S.Yoshida
Pic.by K.Sato(ライヴ・ショット)

☆☆☆☆☆

ソウル・ミュージックの歴史を創り上げたブッカー・T&ザ・MG'sの1960年代29作品を網羅したベスト・アルバム!!!


▲提供:BSMF RECORDS

1960年代中期、本格的にR&Bを楽しむようになってモータウンと共に僕は必死になってスタックスの輸入盤アルバムをYAMAHAにオーダーしていた。その中心はオーティス・レディング。そのオーティスのバックも務めていたのがブッカー・T&ザ・MG's。彼らはスタックス・レコード最初のビッグ・ヒットを放った。1962年発表した「Green Onions」は全米で大ヒット。Billboard誌HOT100で8月11日付90位(★)で初登場、その後65位(★)→48位(★)→40位→22位(★)→5位(★)→4位、9月29日付で最高位3位を記録した。同誌R&Bチャートでは4週ナンバー・ワンに輝き、ゴールド・シングルも獲得。当時日本でもリリースされた(日本ビクター/JET-1172、当時の表記はブーカー・ティーとジ・エムジーズ。僕はジューク・ボックス・シリーズのジャケットの日本盤シングルを64年頃に中古盤でゲット)。


▲『Joel Whitburn Presents The Billboard HOT 100 The Sixties』62年9月29日付 from Mike's Library

ブッカー・T&ザ・MG'sは「Green Onions」大ヒット後もスタックスのハウス・バンドとしても活動を続け多くの同レーベルのアーティストのレコーディングやライヴでバックを務めた。一方で自らも多くのヒットを放っている。そんなブッカー・T&ザ・MG'sのベスト・アルバム『ザ・コンプリート・スタックス・シングルズVOL.1(1962-67)』(BSMF RECORDS/BSMF7591)がリリースされた。ソウル・ミュージック史に大きな足跡を残したグループのシングルAB面29曲。半世紀前の偉大なる作品をじっくりと堪能して欲しい。


▲提供:BSMF RECORDS

【イベントinfo】
MBSプレゼンツ
【MIKE'S GARAGE VOL.13】
I love Julie!!!
(“沢田研二 大研究”発売記念 第三弾 !?)
Julie を歌い続ける藤原MAXまさのり
男性シンガーが語るJulie の魅力とは!!!
MAXはロッド・スチュワートについても熱く語る…


▲藤原MAXまさのり

1970年代からハード・ロック・シーンで活躍。現在はソロとして精力的にシャウトし続ける藤原MAXまさのり。彼は大のジュリー・フリーク、何度となくジュリー・トリビュート・ライヴを敢行、オリジナリティー溢れるステージングで多くのファンを魅了してきた。そんなMAXがジュリー魅力を白熱トーク。そこに特別ナビゲーター國府田公子(『沢田研二 大研究』著者)がホットに絡みつく!MAXはロッド・スチュワートも大好きなのだ。果たしてどんなジュリー&ロック・セッションになるか、乞御期待!!!

ゲスト:藤原MAXまさのり
https://max-music-factory.wixsite.com/maxrock
ナビゲーター:Mike Koshitani
https://www.barks.jp/keywords/mikes_boogie_station.html
ナビゲーター:國府田 公子 『沢田研二 大研究』著者
http://julies.world.coocan.jp/
☆日時:2019年12月2日(月曜) 
Open  18:30
Start 19:00
☆テーブルチャージ¥1500(+要ワンオーダー)
お食事もございます
☆会場:ROCK CAFE LOFT
http://www.loft-prj.co.jp/rockcafe/
新宿区歌舞伎町1-28-5
TEL:03-6233-9606
(西武新宿駅から徒歩1~2分)
☆ご予約は⇒ https://www.loft-prj.co.jp/schedule/rockcafe/132155

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