【ライブレポート】ASH DA HERO、東名阪ツアーファイナルで「アジア進出します!」

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ASH DA HEROが11月23日、自身の地元・名古屋 ElectricLadyLandにて東名阪ツアー<ASH DA HERO LIVE TOUR 2019 GOD SAVE THE ROCK AND ROLL II>のファイナル公演を開催した。アジア進出も発表となった同公演のオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆ASH DA HERO 画像

<ASH DA HERO LIVE TOUR 2019 GOD SAVE THE ROCK AND ROLL II>は3ヶ月に渡るマンスリーライブで、9月29日のOSAKA MUSEよりスタート。先ごろレポートをお届けした10月の東京公演に続き、今回の名古屋と、3公演すべてがソールドアウトとなった。そのファイナルでは、地元に錦を飾る感慨深さ、旧友と再会したような安堵感、そして武者震いのような緊張感が、全身からにじみ出るアクトを繰り広げた。


16時半ごろに開場すると一気にお客さんがステージ前に詰め掛け、ASHの登場を今か今かと待ちわびる。定刻の17時を過ぎ、フロアに歓声と熱気が渦を巻いた。バンドメンバーの演奏が高揚感をかきたてる中、いよいよASHの登場だ。

「いこうぜ名古屋ー!」と威勢良く煽り、ライブは「からっぽの街」で口火を切った。ここから新曲「Starting Now」を含み、6曲目の「WAKE UP ROCK AND ROLL BAND」までアッパーに駆け抜けるなど、フロアのボルテージを急上昇させたASH。全員で作りあげる一体感が凄まじい。フロアにコールを求めるシーンでは、その声の大きさに満足げな表情を浮かべた。

少し会場の色が変わったのは「Everything」。壮大なスケール感のナンバーを、オーケストラの真ん中に立つ指揮者のような身振り手振りで、一人ひとりに届けようとする姿が印象的だった。


「ハロー名古屋!堪能してますか! いやーちょっと、すごい盛り上がりですよ。まずは、ただいま! 地元だもんでさぁ、名古屋弁で言ってもいい? このライブハウスはミュージシャンの夢を踏み出した場所なんです。上の階にある、ell.FITSALLが最初に出たライブハウスで、キャパはここの半分くらい。初めは前4列目ぐらいまでしかお客さんがいなくて、下の階(この日の会場)のライブもモニターで見れるから、“あっちはパンパンに入ってるなぁ…”ってすごく悔しかった。ElectricLadyLandでライブをするのは敷居が高かったから、すごく感慨深い」──ASH DA HERO

この日のASHは、沸き上がる想いをこらえきれず、言葉や感情がそのままこぼれ落ちるようだった。「未完成ストーリー」ではそんな気持ちが歌に乗って直接届けられるような感覚があり、セットリストが進むにつれて、歌声はよりエモーショナルに、伸びやかになっていく。そして、「いつかの街へ」を歌う前にASHはこう語った。


「死にたい時もあるし、いつまで続けられるのかな?って思うこともあるけど、ツアー回って、その街の景色や来てくれる人の笑顔を見て、ファイナルのステージに立つと、やっぱりライブ続けるのいいなぁって。言葉に詰まることがあります。言葉を超えた、得体の知れない感情が血管を巡っている感じ。これは多分、緊張…スリルなんだなって。それを楽しめるようになってきたの。俺は口が達者な所もあるけど、伝わりきらんことがあるから、歌ってきたんだなぁと思います。この街の歌です」──ASH DA HERO

夕日色の照明にステージが染まり、泥臭いナンバー「いつかの街へ」をまっすぐ響かせる。激しく尖ったイメージのあるASHだが、その楽曲はこんなやるせない感情やモヤモヤした気持ちに起点していているからこそ、リスナーの心を掴んでいる──そう感じさせるパフォーマンスだった。


なお、今回のツアーでは各会場限定シングルがリリースされ、名古屋では「Gatekeeper」がそれに当たる。1フレーズずつ噛みしめるように同曲をゆっくり歌い始めたと思ったら、エッジの効いたサウンドで再びギアを加速。ポケットに手を入れて仁王立ちという挑発的なアクションでも、オーディエンスと目線を交わしながら歌う彼の表情は晴れやかだ。ライブも佳境に差し掛かり、こんな言葉をファンに投げかけた。

「このツアーを発表したころ、“三大都市を制覇する”って言って、自信も確信ももちろんあったけど、言葉って魂が乗ると、自分の運命を変える魔法になる。それを今すごく実感してる。運命を変えてくれる仲間との出会いもあったりするから、みんながそんな風に突き進んでもいいなって思える夜になればと思います。みんなにまだまだ暴れてほしい、ロックンロールできますか!」──ASH DA HERO

そして、タオルを取り出して始まったのはもちろん「シャニカマ」。ASHとバンドメンバーが持ち場を離れてやりたい放題のプレイを見せつけ、お客さんも所狭しとタオルを振り回す光景は壮観。「ちょっとここからギア上げてこうと思うけど名古屋は無理か? 他の会場に負けてらんないよなぁ!? 誰の地元なんですか!」とフロアを焚きつけた「YELLOW FEVER DANCE」ではステージをはみ出し、最前列の手すりに足をかけて超至近距離で熱狂を煽動。ASHが理想とする“子供が参加できるピースフルなサークル”を生み出した。


最高潮のライブもいよいよ終わりに近づくと「ALIVE」でオーディエンスの大合唱がこだまして、その歌声に、バンドメンバーと目を合わせて嬉しそうにはにかむ。ASHは天を仰いで感極まった様子だ。

「世界一美しい歌声をありがとう。来年も、誰も見たことない景色を見に行こうな」と語り、本編を渾身の力で走りきった。演奏を終えるとフロアに背を向けてへたりこみ、バックドロップを見つめながら「いいツアーだったな〜…」とポツリとひと言。温かな拍手がASHに注がれる中で、「みんなに大切なお知らせがあります」と語り始めた。「海の向こうからラブコールをいただきまして……アジア進出します!」と続けると大歓声。さらに、2020年ツアーも予定していることを発表した。


オーディエンスの興奮が冷めやらぬ中、急遽ドロップした「HELLO NO FUTURE」は歌い間違えてしまったが、それもご愛嬌。言いたいことをやっと言えてはしゃぐような無邪気さに、会場が笑顔になった。

「ライブをたくさん重ねてきた結果が、アジア進出のきっかけになったと思います。自分の力なんてほんのちょっとで、一人ひとりの愛のおかげです。チケット完売って本当に当たり前じゃなくて。それを当たり前にしていけるような素敵な音楽で、びっくりするような未来を君と一緒に積み上げていきたいので、よろしくお願いします! 一緒にアジアに行こうぜ!」──ASH DA HERO

ステージを去る前に、赤いフラッグを突き立てたASHの躍進はまだまだ続く。12月29日には<rockin’on presents「COUNTDOWN JAPAN 19/20」>への出演が決定している。

取材・文◎青木美穂
撮影◎aki takeyama

■<ASH DA HERO LIVE TOUR 2019 GOD SAVE THE ROCK AND ROLL II>11月23日@名古屋ElectricLadyLand>

01. GOD SAVE THE ROCK AND ROLL
02. からっぽの街
03. BRAND NEW WORLD
04. HERO IS BACK 2
05. Starting Now
06.WAKE UP ROCK AND ROLL BAND
07. Everything
08. 未完成ストーリー
09. いつかの街で
10. Never ending dream
11. STAY FREE
12. Gatekeeper
13. シャニカマ
14. YELLOWFEVER DANCE
15. HERO
16. 反抗声明
17. ALIVE
18. Prologue
19. HELLO NO FUTURE

■ライブ/イベント出演情報

■<rockin’on presents「COUNTDOWN JAPAN 19/20>
12月29日(日) 幕張メッセ
※ASH DA HEROの出演 12:15〜 ASTRO ARENA

■近日、2020年ツアー発表

3ヶ月連続シングルCDリリース情報

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