【対談】Psycho le Cému × 氣志團、「20年近くの時を経て、六本木で再び」

■1ヵ月前のハロウィンの5千倍
■楽しい1日をみんなで作りたい

──両者とも、踊れる、演奏できる、立ち回れる。11月28日のEX THEATER ROPPONGIでは一体どんなライブを展開するのか、もう期待しかないです。

綾小路：いや、実際は僕ら、全然踊れてないんで。G.I.ジョーより関節少ないですから（笑）、明らかにおかしいんですよ。よそのバンドの人たちがやらないから、そういうところでなんとなく踊っていたので、おもしろそうに見えてきたかもしれないけど、Psycho le Cémuとやったら、すぐにボロが出ます（笑）。“なんだ、アイツは全然踊れてないし、目が泳いでるし”みたいな（笑）。逆にいうと、いつもやっているようなことは通用しないですよ、Psycho le Cémuとの対バンのときは。さあ、どこで闘っていくか。今、まさにそのミーティングをしているときで、“いつもの感じでは即死するぞ”って。

seek：僕はいつも一方的に翔さんのSNSとか拝見していて、氣志團さんが主宰するイベントとか、バンドさんのお招きの仕方とか、“やっぱり凄いな”って思っているんですよ。僕ら、今年初めてツーマンシリーズをやっているんですけど、“あんまり向いてねえな”って思うこともけっこうあって（笑）。本来、僕らはホスト側やから、もっとバンドさんにいろいろ話し掛けていかなあかんのに、けっこうメンバー同士楽屋で過ごしてたり（笑）。氣志團さんの姿勢を勉強させてもらえたらなと思っているんです。

綾小路：いやいや、実際に会ったらしょうもないメンバーばっかですよ。色んな弁当の珍味だけを集めてできあがったようなバンドなんで（笑）。

▲seek [B / Psycho le Cému]

seek：それだけ個性の強いメンバーってことじゃないですか。だからこそ伝わるんだろうなと思う。

綾小路：“田舎の高校生そのまんま”みたいな、“とりあえずライブやれるのが幸せ”ってメンバーばかりなので。しかも孤立無援で生きてきたので、ライブにお誘いされるのが、みんなすっごい嬉しいんですよ。だから楽しみにしているんです。

seek：僕らも同じですよ。バンドとしてさらに成長したいと思ったとき、いろんな方から刺激をいただける企画にしたいなってことで、今回、後輩バンドから先輩の方々とも対バンさせていただいているんですよ。その最後に氣志團さん……関係値としては、まだあまりない状態でお受けくださって、本当にありがたいんです。普段から翔さんのSNSを拝見していて、いろんなジャンルの方、バンドではない方も含めてですけど、しっかりと接してはるというのを僕は見ているので。そういう方と今回、一緒にやらせていただくのはすごく嬉しいんです。今回のツーマンを経て、ステップアップしていけるように、20年から21年目に向かう大切な1日にしたいと思っているんです。

綾小路：僕も当日、いろいろ思いがこみ上げてしゃべっちゃうと思うんです。氣志團にとってPsycho le Cémuは大きな存在なので。まさに20年近くの時を経て、六本木で再びっていうのは、すごく感慨深いですし、燃えるものありますしね。僕らは完敗状態で20年前の六本木を後にしたので、少しは成長できたところをお見せしたいです。当日まで間もなくですけど、引っ込み思案同士のみんなで一生懸命に頑張ります（笑）。

seek：バンドのパブリックイメージには、そんなの一切ないですけどね（笑）。“このメンツ揃って、どこが引っ込み思案やん”とツッコミ入れられますよ（笑）。

綾小路：あはははは（笑）。でも、よくよく考えたら、コミュニケーション能力が高い人たちは、これほど衣装に頑張らないもんね。

seek：そうだと思います（笑）。メイクとかヴィジュアルとか、なにかが必要やったっていう。

綾小路：しかも最初のコンセプトでずっと続けられているのは、相当に内向きのメンバーばっかりという証拠ですし（笑）。

seek：そうなるべくしてなったみたいな（笑）。

──いや、楽しませる精神がマックス状態の両者です。

綾小路：そこですね。1ヵ月前のハロウィンの5千倍、楽しい1日をみんなで作りたいですね。

取材・文◎長谷川幸信