【ライブレポート】Czecho No Republic、<La France>リリースツアー最終日“腕も心も地に足がついた一夜”

Czecho No Republicの新作『La France』レコ発ツアー<〜洋ナシ畑でつかまえて〜 脱!用無し能無し意気地なし 目指せ1つ上の男子女子ツアー>。その最終日が12月1日、東京・渋谷Stream Hallであった。
◆Czecho No Republic 画像
細部に至るまで見所満載のライヴだった。それも他のバンドではなかなか見られない類の。
たとえばメンバーが登場した時。ブルー・グリーンを基調にした上下を着た武井優心は水色のストラップ付きの水色のベースを持った。それは楽器までふくめ完璧なコーディネイトだった (のちにジャケットを脱いだ時も薄い水色のTシャツ)。同様に薄いベージュに赤い蝶をあしらった上下のタカハシマイはべージュのストラップ付きの赤茶系のギターをセレクト。これもバッチリはまっていた。


ファツション・ブランドとコラボしているバンドはけっこういる。でもチェコぐらい着こなしているのはマレだろう。モデルでもあるタカハシが加入したから、ではなく元々着ることに敏感なバンドに彼女が加わることになった、という順番をも想い起こした。
それからミュージシャンとしての各メンバーのスキル。タカハシは全曲で歌うのはもちろんのこと、ギターを下げていれば常に弾いていた。それも時には「MUSIC」のように核になるパートをめっちゃタイトなリズムで刻んでいた。かと思うと「Electric Girl」ではハンドマイクで圧倒的な声の伸びを聴かせ、「Everything」では曲中、キーボードで弾き語るパートもあった。彼女の多芸ぶりはこのバンドの多彩さの象徴のようなものだ。


ギターの砂川一黄はメガネが吹き飛ばんばかりにノッて弾きつつ、手元はものすごく冷静で確実に歌のバックを支えていた。かつ「ウッドストック」ではメインボーカルも担当。MCでは一見コワモテ風でありつつ、アンコールでは手拍子パフォーマンスで会場を沸かせた。
ドラムの山崎正太郎は曲調によってまるで別人のように叩く。音を消して見ていてもどんな曲なのか浮かびそうなぐらいに。そのウルトラ自然な音への反応とは対照的に、MCでは芝居がかったしゃべりも出来たりする。
そしてベース/ボーカルの武井。今回はオープニングの「Forever Summer」をシューゲーザーな砂川のギター+タカハシのボーカルのみ、というライヴアレンジでスタートさせるなど全ての作・編曲を手がける彼ならではのセンスを随所に見せていた。
こんな計四人の才人が集まったライヴ。山崎が鉄琴、タカハシがピアノ弾き語り、武井がハープという形で始まる「Hi Ho」といったナンバーもあった。そしてなにより武井とタカハシのツインボーカルが素晴らしかった。「Forever‥」のCD級のハモりも、「Milky Way」の様々なからみのデュエットも。


パッと見は明るい、楽しい系なチェコ。けれども実態はプロとして相当のスキルがあってようやく出来るレベルの表現の集大成。しかも武井の毅然としたMCが全体をキリッと引き締めていた。
「出来事はいつもどっちでもなく平等にある。それを自分がどうとるか。ここも見ようによっちゃ天国。見ようによっちゃ地獄」
「今日も3分、4分、5分の魔法を信じて、素敵な夜を描いていきたい」
「なんでもやってやれないことはない。オレが10年やってるのがいい証拠です」
結成10年目である2020年に向け、腕も心も地に足がついた一夜だった。
取材・文◎今津 甲
撮影◎山川哲矢
■EP『La France』
MDMR-2043 ¥1,400(+tax)
1. La France
2. Hi Ho
3. Milky Way
4. Forever Summer
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