【インタビュー】AmPmとbrb.が贈る、時代の先をゆくポップミュージック

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2017年にデビューを果たして以来、Spotfyの再生数が5000万再生を超えるなどして、“世界中で聴かれる”日本人アーティストとして知られている、AmPm。

◆撮り下ろし画像(7枚)

彼らがシンガポールのR&B/ファンク・トリオのbrb.(ビーアールビー)をコラボレーションに迎え、シングル「Sorry That I Love You」をリリースした。AmPmの美しくチルなエレクトロニック・ミュージックに、brb.のポップなR&Bが融合されたラブソングは、これからの冬の時期にピッタリな名曲になりそうだ。

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■brb.をはじめ、アジアには柔軟性の高いアーティストが多い ──AmPm

──AmPmの19枚目となるシングル「Sorry That I Love You feat. brb. & Chocoholic」がリリースされますが、どのような経緯を経て今回コラボレーションをすることになったんですか?

AmPm左 :「Umami Records」というインディーズ・レコードレーベルがシンガポールにあるんですけど、そのレーベルのオーナーのケヴィンに「海外のアーティストとコラボレーションした曲をどんどんやってきたい」と相談をしたら、brb.を推薦してくれたんですよ。

──AmPmのお2人は、もともとアジアのアーティトと何かやってみたいなと思っていたんですか?

AmPm左:そうですね。今回は会う前にbrb.音源を送ってもらったんですけど、それがめちゃくちゃクールだったんで、直接会いに行こうってことになったんです。


──brb.のみなさんは、AmPmのことを紹介される前から知っていたんですか?

CLO:ケヴィンが紹介してくれて知ったんだけど、曲を聴いてみたらすごくドープだったから、何か一緒にやってみたいなと思ったよ。

──そこからどのようなやりとりを経てリリースすることに?

AmPm左:いくつかデモトラックを作っていたので、それを持ってシンガポールに行って、「Umami Records」のスタジオで聴いたんですよ。Chocoholicも一緒に行ったんですけど、この曲がいいと決まったその日にすぐヴォーカルのメロディーも決まって、リリックも1~2時間で書き上げてヴォーカル録りまでとんとん拍子に進みました。

──すごいですね。すぐにリリックが浮かんできたんですね。

ZIE:最初に音を聴いたときに思い浮かんだことと、何を伝えたいかを考えて歌詞を書いたんだ。

──AmPmのお2人がシンガポールで印象的だったことは?

AmPm左:brb.のマネージャーのジェフが、brb.含め他のアーティストとも繋がっているので、ケヴィンが紹介してくれたように、数日でいろいろな人に会えたことかな。Jason Galchenとか、Evanturetimeとか、Sam Ruiとか。「Umami Records」に所属しているアーティストから、していないアーティストまで一気に会えて。アーティストたちのハブになる人物がいる、というのがシンガポールぽいなと思いましたね。

──今、アジアのアーティストが再び日本でも注目され始めていると感じているのですが、AmPmから見てアジアのアーティストの魅力はなんだと思いますか?

AmPm右:柔軟性が高いことですね。国籍や自分たちのルーツを保ちながら他の国のアーティストや文化を受け入れる姿勢など、間口が広いんですよ。総合して柔軟性があるというイメージですね。

──なるほど。brb.の音楽的プロフィールもここで聞いておきたいです。

MARK:僕はギタリストでプロデューサー。10代にギターをはじめて、プロデュースに関しては高校生の頃にコンピューターを触るようになってから。コンピューターでビートを作れることを知って、ドラマーはいらないんだってことに気づいたとき、なんて革命的なんだと思ったことを覚えているよ。それから曲を作るようになって、バンドではときどき歌うようになって、そして2018年からbrb.を始めた。

──どんなサウンドに影響を受けて音楽制作を始めたんですか?

MARK:最初はロックだね。僕はギターをやっていたのでパンクも好きだったけど。それでコンピューターで音楽を作るようになってからは、エレクトロニックミュージックに興味が湧いてきたんだ。20代前半はそれでキーボードを始めたりもして、いろいろな音楽を聴くようになって、それぞれから影響を受けるようになった。中でもR&Bやヒップホップ、ソウルに特に影響を受けている。

CLO:僕は16歳のころに音楽に目覚めて、ギターを弾き始めるようになったんだ。スティーヴィー・ワンダーやニーヨなど、R&Bを中心にヴォーカルものを聴いてきて、歌詞を書くようになり、自分でもヴォーカルを始めた。brb.の前も長いこと活動をしてきたけど、今はbrb.にいる。brb.では歌詞を書いているよ。


■僕たちには、ポップな要素が必要だと思っているんだ ──brb.

──MARKとCLOの共通点は、R&Bですね。

MARK:だから一緒にバンドをやっているんだ。僕はロックを聴いてきたりしてきたけど、バンドにはバック・ストリート・ボーイズみたいにポップな要素が必要だと思っているから、歌に関してもキャッチーでフックのあるものを作るようにしている。

ZIE:僕は、高校の頃に音楽に出会ってドラムを始めたんだ。高校を卒業した後は音楽学校へ通い、ギターやキーボードをやったりしていた。MARKとCLOとはお互い別々のバンドで活動していたときに知り合ったんだ。10年くらい音楽をやっているけど、最終的にはbrb.をやることになった。

MARK:brb.を始めたのは2018年だけど、2016年くらい前からお互いに顔を知っていたんだよね。brb.に関しては、最初に僕がアイデアを出したんだ。R&Bをやってみたいと思い、そのときCLOがソロ活動を少し辞めていた頃だったから声をかけたら「いいよ」と言ってくれて。それで、ホームスタジオでいろいろと試したんだけど、歌がすごく良かったんだ。それ以来、お互い尊敬し合うことができていると思う。

──そもそもbrb.とはどういう意味ですか?

MARK:“Be Right Back(すぐ戻る)”の略だよ。携帯で言葉を打つときに、省略語を打つときがあるでしょう。ASAP(As Soon As Possible/できるだけ早く)とか。そんな感じで、brb.にしたんだよ。

──brb.の他の曲も聴いたのですが、新しいスタイルのR&Bだなあと思いました。“今”な感じというか。

AmPm右:確かにそうなんですよね。これまでのR&Bに囲ってしまうと違う感じがしますし、かといってロックでもないし。でも、それらがミックスされていてポップで。まだ言葉が生まれていないジャンルの音楽なんだなと思います。

AmPm左:昨日、ライヴ(11月24日に開催されたAmPm主催ライヴ<AmPm Thinking“AUTUMN”>を観て、改めてすごくいいなと思いました。イントロとサビの部分とのギャップがいいなと。さらに、みんなで合唱するみたいなポップ感も出てて。そこで“今”のR&B感を感じましたね。ポップスとしても聴けるR&Bというか。

──AmPmのお2人は今後アジアでこんな活動をしてみたい、といった希望などはありますか?

AmPm左:今回、「Sorry That I Love You」をきっかけにbrb.に日本に来てもらってライヴに出てもらったんですけど、AmPmもアジアの現場により行けるようなこともあったらいいなと思いました。

AmPm右:とはいえアジアと言っても広いので。例えば中国ひとつとっても、上海と北京では流行っている音楽は違いますし、インドネシアとマレーシアもお隣の国同士ですけど全く違うし。本当にさまざまなので、まずはいろいろ知りたいです。

──アジアではSNSや音楽配信サービスによる音楽の広がりは大きいと思いますが、シンガポールもそうですか?

ZIE:僕たちの場合は、SpotifyやApple Musicでの広がりが大きいね。あとは、YouTubeも。

MARK:国によっても広がり方は違うんじゃないかな。タイはYouTubeがダントツだよね。あとはJOOXとか。

AmPm右:そこは実際に僕らの課題だと思っていて。シンガポールではSpotifyやApple Musicが主流ですけど、タイ向けにはYouTube、インドネシアにはJOOX、台湾はKKBOXで、中国はTencent Musicが主流。つまり、対応しないといけないプラットフォームがあまりにもありすぎる。且つ、各々の国に素晴らしいアーティストがたくさんいる中で、僕らみたいな外国人がポコっと来てそれが聴かれるかっていったら必ずしもそうではない。こうやってコラボレーションをしてみて、アジアに限らず世界での競争が激しくなっているということを、よりリアルに感じるようになりました。


■サウンド的に今の自分たちの日常にフィットするかどうかが大切 ──AmPm

──いろいろな国の文化やプラットフォームに対応する必要があるんですね。その中で、サウンド的にAmPmが「これだけは譲れない」というものはありますか?

AmPm左: “ダンスミュージックであること”かなと思っています。とはいえダンスミュージックと言ってもいろいろな捉え方があるので、ポイントを抑え、自分たちのそのときの旬を入れていくダンスミュージックですね。それと、さまざまなアーティストとコラボしていくこと。今回はChocoholicでしたが、トラックメイカーのセンスもバラバラなので、それらをきちんとディレクションしていくことがAmPmらしさだと思っています。

AmPm右:僕は「これを自分たちでも聴きたいのか」「今の自分たちの日常にフィットしているかどうか」を一番に考えています。いろんなダンスミュージックを並べて聴けば自ずと“AmPmらしさ”みたいなものは見えてきますが、言葉で自分たちをジャンル分けすることは難しい。エレクトロかって言われたら少し違うし、王道のダンスかって言われたら誤解を招くし。なので、自分たち自身が「日常的に聴きたいと思う音楽を作っていきたい」と思っています。

──brb.の今後は、どのようなことを考えていますか?

ZIE:音楽を通じて僕たちが伝えたいことを伝えるということは、ずっとやっていきたい。音的にはキャッチーでフレッシュで、キッズが聴いてもクールだと思ってもらえるようなものを目指したい。ネクストステップとしては、もっとコラボレーションをやってみること。今回のコラボレーションをきっかけに、他のアジアにいる友達ともやってみたいなと思っている。そしてそれぞれの国に、brb.の印象をつけることができたらいいよね。

CLO:来年の3月か、4月にはEPもリリースされることになっているから、サウンド面ではさまざまな角度からやってみたいと思っている。

MARK:すでにスタジオには入っているんだけど、この作品はほんの少しジャズテイストを盛り込んで、これまでより大人めなモダンホップホップというか……。オールドスクールなヒップホップは古いジャズをサンプルしているものもあるでしょ? そういう風に、ヒップホップとジャズが出会った感じの内容にできたらいいなと思っているよ。

──最後にメッセージをください。

AmPm右:今回はポジティブな恋愛の楽曲になっているので、クリスマスがやって来るこれからの季節、ちょうど男女の関係がうまくいっているような方は是非聴いて、AmPmの音楽に触れてみてください!

取材・文◎吉岡加奈

▲ AmPm/「Sorry That I Love You feat. brb. & Chocoholic」

AmPm「Sorry That I Love You feat. brb. & Chocoholic」

PLAY RECORDS & A.S.A.B
発売中
https://ampm.lnk.to/ampm

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