【ライヴレポート】0.1gの誤算、原点のマイナビBLITZ赤坂で「最後にもう一度」
0.1gの誤算が、12月9日にマイナビBLITZ赤坂にてワンマンライヴを開催した。
◆ライブ画像(14枚)
この日の公演タイトルである<最後にもう一度だけ立ちたい場所がある~運命よそこをどけ、俺たちが通る~>には、二つの意味がある。一つ目は、マイナビBLITZ赤坂で行う最後の公演であることだ。同会場は、2019年1月30日にライヴハウスとしての営業終了が決定している。1996年のオープンから沢山のアーティストと観客から愛されてきた会場だけに、営業終了の報告はとても残念だが、今日は“最後にもう一度だけ”この会場で0.1gの誤算のライヴを観ることが出来る。
二つ目は、0.1gの誤算が掲げた“デカ箱チャレンジ”の原点に戻ってきたことだ。“運命よそこをどけ、俺たちが通る”という言葉は、2018年3月27日に行われた2周年記念ライヴのタイトルと同じ。約1年8ヶ月前、この場所から更なる目標を胸に次々と大きな会場でのワンマンを成功させてきた0.1gの誤算。彼らの原点であり、次なるステージへ向けた大切なライヴが今、マイナビBLITZ赤坂で幕を開ける。
この日も緑川裕宇(Vo)のアナウンスから始まった。まずはお馴染みとなった、ゾーン説明から。フロアは暴れないゾーン、マイペースゾーン、ちびっ子ゾーン、フリースタイルゾーン、暴れなければならないゾーンという5つのゾーンに分けられている。17日ぶりのライヴということもあり、10、9、8、7……とカウントダウンが始まり、いつも以上に期待が膨らむ。SEに合わせて、貴族風の新衣装に身を包んだメンバーが一人ずつ登場。いつもはメンバー各々の個性を重視した衣装だが、今回は揃いの衣装だ。緑川裕宇は多くのファンで埋め尽くされたフロアを前に、嬉しさを滲ませながら「お前ら何でこんなにいるんだよ!」と、一度目のBLITZワンマンの時と同じ言葉を叫んだ。
乾杯コールと共に盛り上がりを見せる「【K】0626【渇望】」から演奏が始まると、5曲目の「有害メンヘラドール」までノリの良い曲を一気に畳み掛けていく。「男闘魂戦争卍燃えよ!誤算光殺砲卍」で力強い音をぶつけたかと思えば、続く「オオカミ男と月兎」ではダンサーと共にキャッチーなサビを軽やかに届けた。また、「【L】1126【悲劇】」では、河村友雪(G)と水田魔梨(G)のギター陣二人がステージ中央で向かい合って演奏する姿や、神崎流空(Dr)のアグレッシブなドラムソロ、眞崎大輔(B)のクールなベースプレイが光っていた。
ここまでは一度目のBLITZワンマンでも演奏された曲目。つまり、バンド始動から初期の楽曲群だ。「次は最近の誤算をみせても良いですか?」と短いMCを挟み、演奏再開。0.1gの誤算の中でも異彩を放つナンバー「敵刺す、テキサス」は、本編中盤に程良く刺激を与えてくれる。また、8曲目の「絶望メンブレガール」では、お芝居を盛り込んだスペシャルバージョンを披露。ミュージックビデオのイメージシーンで出演した須賀京介氏とめる氏も、ゲストとして迎え入れた。続く「必殺!からくり七変化!」でもこの日ならではの企画が行われた。上手と下手に分かれ、演奏中に数個の風船をバレーボールの様に飛ばし合うというものだ。0.1gの誤算だからこそ出来る遊び心満載のライヴに、会場はヒートアップし続けた。
まだ一度もライヴでやっていない曲、「days」では一転、会場中を温かく包む様に優しい音を響かせた。その後は再び激しい楽曲で会場を煽っていく。「【S】0723【終焉】」の演奏が始まると、男性ファンがステージ前に集合。緑川裕宇が乗ったボートが男性ファンに支えられながらフロア中を自由に移動するなど、ここでも他には真似出来ない演出が。毎度の事ながら0.1gの誤算のワンマンはあっという間に本編ラストを迎えてしまう気がするのだが、それはきっと、こういった意表を突く楽しい仕掛けがライヴの中にいくつも散りばめられているからだろう。熱気渦巻く中、「混沌的極悪暴曲-ヴィジュアルロックパロディウス-」で、今日の本編も盛大に締め括られた。
アンコールが始まると、暴れ曲と聴かせる曲を交互に取り入れたセットリストで更にファンの心を惹き付けていく。「こんな僕ら、どうですか?」では、本編でもゲストとして登場した須賀京介氏を逆ダイループに巻き込むなど、会場の熱も最高潮に。こうして今日のライヴを一緒に盛り上げてくれた須賀氏だが、実はゲームを原作とした舞台『Identity V STAGE』の千秋楽を昨日(12月8日)迎えたばかりとのこと。そんなハードスケジュールの中駆け付けてくれた彼に、会場からは大きな拍手が贈られた。
また、今日のライヴの中でも特に印象に残ったのは、「サイレントメモリー」演奏前に伝えられた「もっと成長して、お前らを幸せにしたい」「今日の景色を見て、豊洲PITも絶対に成功すると思ってる」という言葉と、「アストライアの転生」の優しくも力強い演奏だ。そこには0.1gの誤算が常に掲げている“ファンと共に歩む、終わらない挑戦”というテーマが凝縮されていた。その事を顕著に示す如く、来年3月28日には豊洲PITにて<挑戦は終わらない、俺達が俺達であるために>と銘打たれた4周年記念ワンマンが決定している。
追記、しんみりとした空気で終わるのを拒む0.1gの誤算らしく、この日も急遽ラスト曲を変更。全力で魂を懸けて「0.1gの感傷」を華麗に演奏し、ステージを後にした。
文◎藤代冬馬
写真◎上野宏幸
セットリスト
02. 男闘魂戦争卍燃えよ!誤算光殺砲卍
03. オオカミ男と月兎
04. 【L】1126【悲劇】
05. 有害メンヘラドール
06. 敵刺す、テキサス
07. しいたけ人生論
08. 絶望メンブレガール
09. 必殺!からくり七変化!
10. days
11. ZOMBIE's LOVE LETTER
12. 【S】0723【終焉】
13. 混沌的極悪暴曲-ヴィジュアルロックパロディウス-
-ENCORE-
01. アストライアの入滅
02. フルニトラゼパム
03. サイレントメモリー
04. こんな僕ら、どうですか?
05. 獣猛者戦争〜轟け!超誤算狩猟〜
06. アストライアの転生
07. 0.1gの感傷
ライブ情報
2019年12月14日(土) 福岡DRUM SON
2019年12月18日(水) 札幌KLAPS HALL
2019年12月21日(土) 大阪ロックタウン
2019年12月22日(日) NAGOYA HOLIDAY NEXT
2019年12月24日(火) 新宿RUIDO K4
<水田魔梨バースデーワンマン「え、今日大晦日じゃないってほんとですか!?」>
2019年12月30日(月) HEAVEN’S ROCK埼玉
<カウントダウンワンマン【行く年来る年無法地帯2019→2020】>
2019年12月31日(火) 池袋Cyber
<【豊洲PIT】七天を巡る王【攻略祈願】>
2020年01月04日(土) 梅田TRAD
2020年01月13日(月) 渋谷club asia
2020年01月18日(土) 名古屋Electric Lady Land
2020年02月24日(月) 岡山CRAZYMAMA KINGDOM
2020年03月01日(日) 札幌cube garden
2020年03月07日(土) 福岡Drum Be-1
<裏・七天を巡る王>
2020年01月06日(月) アメリカ村CLAPPER
2020年01月20日(月) 名古屋HeartLand
2020年01月22日(水) 池袋BlackHole
2020年02月25日(火) 岡山ペパーランド
2020年02月29日(土) 札幌Crazy Monkey
2020年03月06日(金) 福岡DRUM SON
<歌舞伎町とメンブレガール達に告ぐ「誤算とオールしないか?」>
2020年01月24日(金) 新宿RUIDO K4
<眞崎大輔Birthday APTX4869>
2020年02月01日(土) 赤羽ReNY α
<神崎流空Birthday 閃光のアークエンジェル降臨祭~Eternal Aspiration~>
2020年02月07日(金) 新宿RUIDO K4
<4th Anniversary ONEMAN 挑戦は終わらない、俺達が俺達であるために>
2020年03月28日(土) 豊洲PIT
<野望達成祝賀公演>
2020年03月29日(日) 新宿RUIDO K4
■アドトラック・プロジェクト
2020年12月21日〜27日 新宿区内走行
須賀京介 舞台出演情報
<ヨルハ Ver.3aa>2020年3月12日(木)〜2020年3月15日(日)渋谷さくらホール
https://yorha.com/
<天下統一恋の乱 Love Ballad〜伊達政宗編〜>
2020年4月18日(土)〜2020年4月26日(日)日本橋三越劇場
https://products.voltage.co.jp/koiran-stage/
◆0.1gの誤算 オフィシャルサイト
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