【インタビュー】太陽とシスコムーン、初のバンド編成で魅せた「20年前の夢の続き」

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1999年、当時大人気だったオーディション番組『ASAYAN』からつんく♂プロデュースでデビューし、1年半という短い活動期間ながら、絶大なる人気を誇った太陽とシスコムーン。解散後、2009年にはトークライブと再結成単独ライブを行なったり(上海在住の本多RuRuは生中継や動画コメントで参加)、2015年には4人揃ってのトークライブを開催したりしてきたが、デビュー20周年となる2019年は、初のバンドスタイルでのライブを開催した。今回、その模様を収めたDVD/Blu-ray『太陽とシスコムーン 20th Anniversary Live Last & New Decade 2』が発売されるということで、小湊美和、稲葉貴子、信田美帆の3人にインタビュー。開催に至った経緯や舞台裏のエピソードなど、当時を知るファンにとっては貴重な話もたくさん聞くことができた。

  ◆  ◆  ◆

■今の私達の見せ方が出来たら

──ではまず、このライブの開催に至った経緯を聞かせてください。

信田美帆(以下、信田):デビュー20周年だから何かやりたいねっていうのが大きいとは思うんですが……。

稲葉貴子(以下、稲葉):何より、みんなが(こういうライブを)出来る状況にあったということですよね。無理やり誰かが企画したのではなく、普通に自然と「やりたいね」「出来るね」ってところから話が始まったんです。というのも、順番で言うとまずハロー!プロジェクトの20周年があって、その次の年が私達の20周年なんですね。昨年春からハロー!プロジェクトの20周年企画のゲストで呼んでいただいたりする中で、じゃあ私達も何かやりたいねという気持ちになり、事務所にもすぐ相談できる状況にあったので話が進み始めたんです。

小湊美和(以下、小湊):私達は1年半しか活動してないんですが、解散してからもなんだかんだちょいちょいやっていまして。

稲葉:10年前にもライブをやったんですが、その時は歌って踊ってのフルライブだったんですね。でも今回は年齢も上がってきていますし(笑)、そこまで頑張るんじゃなくて、今の私達の見せ方が出来たらなって。それでコットンクラブという会場だったり、初めてのバンド編成っていうアイデアに繋がっていったんです。


──バンド編成でやったことがなかったというのが、実はすごく意外だったんです。

小湊:さかのぼってお話しすると、モーニング娘。の最初のツアーだけはバンド編成だったらしいんです。

信田:え!そうだったの?

稲葉:すごい!そういえば、ハロー!プロジェクトで、バンドでやるってなかったよね?

小湊:そう、私も後から知ったんですけど。でも今思えば、1999年といえば全てがデジタル化し始めた頃じゃないですか。録音形態も変わったし。時代の先駆けというか、つんく♂さんがそっちにスライドした瞬間に活動をしていたので、ライブも生演奏で再現するというより、最高な状態で出来上がっている音源のほうを使っていたんですよね。別にバンドでやれなかったわけでもないし、自分達も「なんで生演奏じゃないんだろう?」とか考えたこともなかった。

稲葉:そういう発想自体、なかったからね。

──いざバンド編成でやってみていかがでした?

信田:私は2人よりもバンドで歌うという経験が浅いので、最初は甘く考えていたんですよ。バンドになるっていうことは、いわゆる歌って踊るバージョンよりもちょっとだけコーラスが増えるんだろうな、くらいに(笑)。だから実際は、生の音のすごさに感動してとかではなく、歌の面で新たに与えられたことを全うするのに必死だったんです。

小湊:美帆ちゃんは今でも、フルで踊って歌うほうがラクなんだよね。身体を動かすことに関しては今でもNo. 1です。

信田:そっちの努力のほうがラク。

小湊:でも私達は、極力踊りたくないっていうスイッチがとっくに入っちゃってるから(笑)。

信田:2人は、踊らなくても歌とかコーラスの基本的なレベルが高いからいいんですよ。でも私はバンドになった時点でそこが無理だから、ついていくのに必死でした。

▲信田美帆

──でも本番では、そんなことを感じさせなかったところがさすがだなと思います。

信田:よく見てもらうとわかるかもしれないんですが、私、本番で結構モニターを見つめてるんですよ。何もないんだけど、とにかく自分の声(音程)が合っているのかどうか、すごく聴いてた。

小湊:こういうとこ、体育会系だなって思うんですよ。努力の仕方とか、結果が全てだっていう考え方とか、学び方のストイックさとか、やっぱりアスリートだなって。超マジメなんです。だから得意か不得意かでいうと、今回は不得意なことをすごくやらせてます(笑)。

信田:コーラスやるんだったら、最低でも1ヶ月前に全部教えてもらわないと難しいからって言ったんですよ。2人みたいに、その場で音程を取ったり出来ないから。それが、2週間前ですよ。しかもあの量(笑)!さすがに「どこまで出来るかわかりませんが、出来るところまでは頑張って努力します」っていう文章を送りました。

──(一同爆笑)。でも確かに、今回のバージョンはコーラスやハモリの部分が多かったですよね。

小湊:でもそれをやらないと、バンドでやってる意味がないというか。だから、「(思いきり可愛い感じで)ここだけお願いっ!頑張ろっ!」ってね(笑)。

稲葉:(笑)。でもきっと(小湊の中に信田は)ここまでいける、これもやれるっていうのがあったからだよね。

小湊:そう!私が欲張った(笑)。

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