【インタビュー】太陽とシスコムーン、初のバンド編成で魅せた「20年前の夢の続き」

■カメラさんは、『ASAYAN』の時にお世話になった方

──では改めて、今回のライブの映像作品としての見どころはどういうところでしょうか。

小湊：いやもう、面白どころしか思いつかないんですけど、本当はすごくかっこいいところを見て欲しいんですよ。アーティスト感覚で言うと。でも自分でライブをやっていると2人の顔が見えないから、私は「この時、2人はこういう顔で歌ってたんだ！」って思いながら見るのが面白くて。そこまでの練習とか思いとか全部が乗っかってるわけだから、本番はどんな顔で迎えたのかなっていうのを、お客さんとして見たいんですよ。

信田：私が“気をつけ”して歌ってるところとかでしょ（笑）。

小湊：だってもともと余裕ぶって”アーティストだぜ、イェーイ”みたいなタイプじゃないじゃないですか（笑）。急にそんな顔して歌ってたら逆に突っ込みますけど。でも見どころとしては何ですかね？本編以外で言うと、4年半前の4人で歌った映像も入ってますよね。

信田：いいんですよね、RuRuが入って歌うと。

稲葉：RuRuのパートはやっぱりRuRuだなって思いますし。あれはかなり貴重だと思います。

小湊：今回もRuRuのセリフ始まりの曲が続いたところもあったりしましたけど、ああいうのは誰かが代わりにやるものじゃないと思っているので。雰囲気を壊さないままでね。あそこだけではありましたけど、一緒にライブをやっているんだよって気持ちを表現できたらなと思っていたんですよね。みんなの20年前の夢の続きみたいなのも表現できるかなって。


──素敵です。

小湊：RuRuがいないと太陽とシスコムーンとして成り立ってないよねとか、もう踊れないんじゃないかとか、そういうことを言われてるんじゃないかってどこか気にする人たちなんですよ。私達、意外とこう見えて（笑）。でも今回はバンドさんのおかげでちょっとクリアできたのかなって思いました。意外とやれましたから、ぜひ“意外とやれるな”って思って見て欲しいです。

──会場にいらっしゃった皆さんも、残念ながら行けなかったという皆さんも、ぜひご覧いただきたいですね。

小湊：アラ探しまでして欲しい（笑）。

信田：この時のこの表情とか、本当はこうだったんじゃないの!?って突っ込めるくらいね。

小湊：いわゆるライブ映像って、歌っている本人の近くにまでカメラが寄ったりすると思うんですね。でも今回は会場の作り的に一番後方にしかカメラが置けなかったので、前方にはGoPro（小型カメラ）を据え置くことしかできなかったんです。全然自由がきかない環境で撮影をしてもらい、それを編集してひとつのコンサートの映像作品を作ってもらったわけですから、スタッフさんは本当に大変だったと思います。

──そういう撮影時の不自由さを全く感じさせない映像になってましたから、今聞いて逆にびっくりしました。

小湊：カメラさんは、『ASAYAN』の時にお世話になった方でもあるんですよ。その頃のスタッフ陣にお願いしたところから話が始まっているので、全員ではないですが、20年前のオーディションの時からいらっしゃった方とか、10年前にもお願いしていた方とか、いろんな方と再会しているんです。

稲葉：いいね！じゃあやろう！って楽しんでくださる皆さんがいるから、出来ていることでもあるんですよね。

信田：私達も安心感がありますしね。信頼感もありますし。

小湊：定年までやれますよ。いわゆる元事務所でいうと、当時のマネージャーが今、偉くなって生き残ってくださっていることで、すごく協力してもらえているんです。

信田：だから逆に、次はどうなっちゃうんだろうっていう。

小湊：私達の自由にしていいよって、ある程度は委ねられるくらいの関係性が築けているんです。今回だって、例えば「こういうことって大丈夫ですか？」って聞いたら、「ダメって言ったこと、ありまへーん」って返事が返ってきましたから（笑）。映像チームも、そういう関係性の中から繋がっていたりするのでね。実際、当時のPVも撮ってくださってたカメラマンさん達だし。ありがたいです。でもそういう人達が定年でいなくなったら、私達も最後かもしれないね（笑）。

稲葉：自分達だけじゃ出来ないからね。

小湊：ってことは、猶予は……あと数年!?あ、今気づきました。

信田：私の還暦どころじゃなかったね（笑）。

取材・文◎山田邦子

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