【ライブレポート】READY TO KISS、“その先の未来”へ向かう8人体制ラストワンマン

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リーダーの千葉咲乃の年内卒業が目前に迫る中、12月17日に東京・Zepp Tokyoにて現メンバー8人でのREADY TO KISSのワンマン公演<READY TO KISS ワンマン「未来へ向かって」>が開催された。

◆READY TO KISS ライブ画像(全21枚)

ライブは千葉の最後のワンマンにふさわしいオープニング。リリースされたばかりのニューシングル「その先の未来へ」に収録されている彼女のソロ曲「秘密のアンブレラ」で幕を開けた。イメージカラーのキュートなピンクの衣装で登場し、メインステージから続く花道を歩いてセンターステージで可憐に歌い、間奏でアンブレラをさす千葉咲乃にフロアーはピンクのサイリウムの光を揺らして応える。アイドル活動にもピリオドを打つという彼女の卒業が間近に迫っていることを実感させられる光景が広がった。


そしてメインステージの紗幕が落ちると新メンバーの如月優衣、柚月美桜、弓川いち華を含めた全員が姿を見せた。カラフルな衣装で披露したのはREADY TO KISSの1stシングル「Chu Chu」。サイリウムがいっせいに色とりどりになり、華やかなステージが繰り広げられていく。甘酸っぱいポップチューン「ストロベリー・ソフトキャンディ」、大切な人との別れを歌った「フェアウェル・チョコバナナ・パンケーキ」は千葉との思い出の曲のように響いてきた。


最初のMCはREADY TO KISSおなじみのコールと自己紹介で始まり、「このワンマンライブは年内卒業を控えたリーダー千葉咲乃ちゃん最後のワンマンライブでもあり、8人になって初のワンマンライブでもあるのでよろしくお願いします」と挨拶。牧野広実が「盛り上がる準備できてますか?」、天羽希純が「もっともっと声出せますよね?」と煽り、センターステージへと移動。

「自由な女神」では手を振りながらダンスと歌でファンを夢心地にさせ、切ない冬ソング「永遠に」を披露。そしてタイでも大人気のREADY TO KISSならではの「タイに行きタイ」で賑やかに盛り上がり、これも人気曲「トップシークレット 〜切ない極秘事項〜」ではフロアーからあがる力強い声の中、メンバーが2人1組になって向き合う見せ場も。メインステージから派手にスモークが噴射され、レーザーが飛び交った「恋愛狂想曲」では再びセンターステージで華やかなパフォーマンスが繰り広げられた。片思いのドキドキをパッケージした「告白」のあとにステージのバックスクリーンに千葉と過ごしたメモリアルな写真が映し出された「My way」も印象的で映像の最後には“さきぴょん、6年間ありがとう”というメッセージが添えられていた。


「秘密のアンブレラ」のMV映像を挟み、ステージに登場したのは再び千葉咲乃ひとり。ソロ曲のバラード「selfish」を歌い、スクリーンには本人の手書きの歌詞が映し出され、シャボン玉がふわふわ飛ぶ演出も。このあと新衣装に着替えたメンバーからシャボン玉は千葉のリクエストだったと明かされるも「気づかなかった〜」と笑い、そんな天然の千葉のためにもう一度シャボン玉が飛ばされるなど、会場は和気藹々なムードに包まれる。衣装を着替えるために千葉は一度ステージからはけ、その間は7人による楽しいトーク。さきぴょんこと千葉が靴下をすぐ脱ぐクセがあることやケータリングに目がないこと、新メンバーからも天然を物語るエピソードが話され、着替えてきた千葉がさっそく衣装の腕のパーツを逆につけていることを指摘されるなど、フロアーは笑いの渦。ちなみに黒をベースにした新衣装はシングル「その先の未来へ」の別バージョンで白が“天使”なら黒は“悪魔”がモチーフだ。メンバーから“みんなにひとこと”と促され、「今まで6年間、たくさんワンマンライブをしてきたんですけど、今日、その中でいちばん幸せな日を迎えられました。私がおばあちゃんになってもREADY TO KISSにいられたことを自慢に思うし、ずっと誇りに思って生きていこうと思います」と千葉が伝えると拍手が沸き起こった。


中盤の「名もなき花」では曲名を告げると“うおおお”という歓声が起こり、映像とともにソロパートを歌うメンバー各自の手書きによる歌詞が映し出され、READY TO KISSとファンを繋ぐような温かい歌が沁みわたった。続いてメンバーがセンターステージに移動し、赤い箱から取り出したボールを投げたあと、フロアーにニセモノのお札(メンバーのサイン入り)が派手に舞った「世界一のクリスマス」はREADY TO KISSとのクリスマスパーティに。「みんなを大金持ちにしてやろうと思って!(笑)」と笑顔を見せた。

まだまだ彼女たちからのサプライズは終わらない。次にステージに登場したのは自由が丘にある「茶処タピっぷるん」の店主“タピっぷるん”。メンバーたちと絡みながら、ファンに振り付けをレクチャーし、一緒に「タピオカストリート」を披露して場内はゆるふわムードに。


そして後半戦は黒の衣装にふさわしいアッパーなナンバーと生バンドを従えての場内を熱くさせる展開。ダンスも低めのキーの歌もセクシーな「君恋」を披露し、サイレンの音が鳴り響くハードロックテイストのナンバー「サイレンとジェラシー」へ。初々しくもポップな失恋ソング「エメラルド・クリームソーダ」では歌詞に合わせてグリーンのレーザーが飛び交い、パワフルなみんなの声がZeppに響いた「STAR LIGHT 〜星色のこの気持ち、空に映れ〜」からの代表曲のひとつ「成増になります」でも大盛り上がり。本編ラストはカラフルなテープが発射された「ムテキモード」。卒業の感傷を吹き飛ばすようなポジティブなキラめきに溢れた曲で締められた。

メンバーが去ったあとには圧倒されるような熱く太いアンコールの声援。白い衣装に着替えたREADY TO KISSは初期のナンバー「秒シュミレーション」を届け、スイーツシリーズの甘酸っぱい曲「ブルーベリー・ヨーグルト・スムージー」へと移行。最後の曲は千葉咲乃への溢れる想いと、道は分かれても前に進んでいくというREADY TO KISSの意志がこめられた現メンバーでのラストシングル「その先の未来へ」だった。



卒業の日が12月29日の品川ザ・グランドホールでのライブになったことに触れ、「今日は幸せな景色を見せてくださって本当にありがとうございます」と思わず涙ぐんで「どうしよう」と動揺する千葉に「さきぴょんと一緒にZepp Tokyoという大きなステージに立てて私たちは本当に嬉しかったです」と声をかけるメンバーたち。さまざまな出来事があった6年間、ずっとREADY TO KISSをスイートボイスで盛り上げてきた千葉を讃える拍手と歓声。メインステージ中央の白いドアが開かれ、光の中に次々と歩き出していくエンディングは、まさに“その先の未来”の彼女たちの新たな一歩でもあった。



取材・文◎山本弘子

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