【ライブレポート】doa、<Winter Live “open_door”>東京公演で「来年も1歩1歩地道に」

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doaが11月30日の北海道・札幌Space Art Studioを皮切りに12月29日の大阪・umeda TRADまで、全8公演のツアー<doa 15th Winter Live “open_door” 2019>を開催中だ。同ツアー2本目となる12月13日、東京・新宿ReNYのレポートをお届けしたい。

◆doa 画像

結成15周年を迎え、ファン投票の結果を反映させたベストアルバム3作をリリースしたほか、7月から10月にかけて全国ツアーを行ったdoa。3枚のベストアルバムは彼らのロックチューンにスポットをあてた“ROCK COAST”とミディアムテンポのナンバーを集めた“MIDDLE COAST”、そしてバラードアルバムの“BALLAD COAST”という色分けがなされ、3作ともに新曲1曲を含む全19曲入りというボリュームを誇っている。アニバーサリーイヤーにふさわしい意欲的な動きを見せる中、doaの今年2回目となる全国ツアーが11月30日から始まった。


<doa 15th Winter Live “open_door” 2019>と銘打たれた今回のツアーは、彼らのロックサイドをフィーチュアした夏のツアー<doa 15th Summer Live “open_door” 2019>とは異なり、バラードを主軸にしたものになるとアナウンスされていた。15年の歩みの中でハイクオリティーなバラードを数多く生み出してきた彼らだけに、今回のツアーも観応えのあるものになるだろうなと思った。とはいえ、バラード主体でライブが成立するのだろうか? 一歩間違えると、ドンヨリした印象のライブになってしまうのではないかなどと感じたのも事実。そんな期待と不安がない交ぜになった状態で、東京公演の初日を飾った新宿ReNYのライブを観させてもらったが、doaは期待を上回るライブを見せてくれた。


ライブは“MIDDLE COAST”に収録されているウォームかつ煌びやかなミディアムテンポのナンバーを、相次いで聴かせる流れから始まった。笑顔を浮かべてプレイするメンバー達の姿からは彼らがいい意味でリラックスした状態でライブを楽しんでいることがうかがえるし、軽やかに躍動するサウンドは心地よさに溢れている。さらに、doaが誇る3声ハーモニーはピッチの安定感や3人の声のバランス、歌のニュアンスといったすべての要素がハイレベルで、生で聴くと圧倒されずにいられない。爽やかでいながら、どこか切なさが漂う楽曲やメンバー3人が交互にメインボーカルを取るスタイルなども含めて、doaは他にはない独自の音楽性を持ったバンドだなということが、改めて感じられた。


穏やかな空気に染まって進んでいくライブを観て、“そうか、今回のツアーは“MIDDLE COAST”の曲を軸にして、そこにバラードも織り交ぜたライブをするんだ”と思った矢先、なんと中盤ではバラードが7曲続けて演奏された。“バラード7曲ぶっ続け”と書くと、重苦しい雰囲気のライブだったのかなと思うかもしれないが、そうならない辺りはさすがのdoa。一言にバラードといっても翳りを帯びた世界観にとどまることなく、彼らは“光が射す系”や、ブルージーなもの、ピアノバラード、温かみに満ちたナンバーなど様々な表情を披露。幅広い楽曲に加えて、エモーショナルな吉本、男っぽい色気が香る徳永、爽やかな大田という3人の個性の異なるボーカルも活かして起伏に富んだライブに仕上げたのはさすがといえる。オーディエンスも強く惹き込まれて、doaが描き出す抒情的な世界に浸る喜びを味わっていることが如実に伝わってきた。

バラードをじっくりと聴かせた中盤を経て、ライブ後半では空気を変えてアッパーな曲や力強いナンバー、ラテンテイストを活かしたナンバーなどを畳みかけるようにプレイ。気持ちを引き上げるサウンドとメンバーが織りなす明るいムードのステージングにオーディエンスの熱気も高まり、腕を振ったり、身体を動かしたり、合唱したりといった熱いリアクションを見せる。客席を大いに湧かせた笑える演出もバッチリ決まって、ライブ後半の場内は一体感を伴った華やかな盛り上がりとなった。


パワフルだった夏のツアーとは全く違う方向性で、今回も観応えのあるライブを披露してみせたdoa。彼らの表現力の高さは随所で発揮されていたし、シリアスな世界観で魅了するポテンシャルを備えていながら、オーディエンスを笑顔にするエンターテイメント性を忘れないことも彼らの魅力といえる。

また、ライブ後半に入っても精度の高い3声ハーモニーで楽しませてくれたことや“MIDDLE COAST” と“BALLAD COAST”に収録されている新曲の「CATCH」と「野の花」をライブのポイントになる場所に据えて、いい形で聴かせたことなども印象的だった。doaのライブは“良質”という言葉が似つかわしいが、今回のツアーはより強くそう感じさせるものになっている。doaのライブを味わうのはリッチなことだなと改めて思ったことも含めて、これから今回のツアーに訪れる人は期待を裏切られることはないはずだ。


もうひとつ、今回のライブを観て、doaにとって15周年というのは本当に単なる通過点でしかないんだなということも感じた。“15周年感”のようなものは希薄で、オーディエンスにアニバーサリーを押しつけることもなく、(セットリストは別として)普段と変わらない等身大のライブだったからだ。彼らがフラットな気持ちでいることはライブ中に徳永が語った「15年経ちましたけど、10年だからとか、節目だからとかいうんじゃなくて、来年も1歩1歩地道にがんばっていきたいと思います。なによりも、こうやって元気そうな皆さんにお会いできるのが楽しみだから。これからもがんばりますので、またお会いしましょう」という言葉からも読み取れた。

常に地に足をつけて音楽を創り、真摯な姿勢でライブを行ってきた彼らは“何年経ったから”ということに左右されることなく、これからも自分達のペースで歩んでいくだろう。そして、変わることなく、進化や深化を続けていくに違いない。そんなdoaの美しい未来を感じさせるライブだっただけに、今後の彼らにも大いに注目していきたいと思う。

取材・文◎村上孝之

■<doa 15th Winter Live “open_door” 2019>

11月30日(土) 北海道・札幌Space Art Studio
open16:00 / start16:30
12月13日(金) 東京・新宿ReNY
open18:30 / start19:00
12月14日(土) 東京・新宿ReNY
open11:30 / start12:00
12月21日(土) 岡山・YEBISU YA PRO
open15:00 / start15:30
12月22日(日) 福岡・Gate'7
open17:00 / start17:30
12月25日(水) 愛知・JAMMIN'
open18:30 / start19:00
12月28日(土) 神奈川・新横浜 NEW SIDE BEACH!!
open15:00 / start15:30
12月29日(日) 大阪・umeda TRAD
open17:00 / start17:30
▼チケット
前売 6,600円(税込) ※全自由席 ※整理番号付
当日 7,100円(税込) ※全自由席 ※整理番号付
※3歳以下入場不可、4歳以上はチケットが必要
※開場時間より整理番号順の入場
※ドリンク代別途必要
※開場・開演時間は9/29時点のものとなり、変更となる場合がございます
一般発売:2019年11月2日(土)10時より各プレイガイドにて

■ベストアルバム第三弾『doa Best Selection “BALLAD COAST”』

2019年11月6日(水)発売
GZCA-5294 3,000円(+税)


01. はるかぜ
02. 心のリズム飛び散るバタフライ
03. 野の花 (新曲)
04. 365のダイヤモンド
05. 地球の中で二人っきり
06. いっぱい
07. 愛は太陽のように誰にでもふりそそぐ
08. One Love
09. 旅立ちの歌
10. まわり道
11. 季節が変わる頃またここで会おう
12. ガラスのハイウェイ
13. キャンドル
14. 手紙
15. シェリー
16. 誰よりも近くにいるのに
17. I wanna know your soul
18. ただ君がいるそれだけでいい
19. ひまわり


■ベストアルバム第二弾『doa Best Selection “MIDDLE COAST”』

2019年9月11日(水)発売
GZCA-5293 3,000円(+税)


01. THIS LIFE
02. I wish
03. CATCH (新曲)
04. SMILE
05. YOU&I
06. 君だけに気づいてほしい
07. 終わらないYESTERDAY
08. 拳
09. Siren
10. ハレ
11. TAKE IT EASY
12. FRONTIER
13. Amazing Days
14. サザンライツ
15. Route 26
16. 大人ラプソディー
17. HOME SWEET HOME
18. 無人島
19. 僕は君を壊したりしない


■ベストアルバム第一弾『doa Best Selection “ROCK COAST”』

2019年7月10日(水)発売
GZCA-5292 3,000円(+税)


01. 英雄
02. HERO
03. WINDOW (新曲)
04. 火ノ鳥のように
05. 青い果実
06. 白の呪文
07. ゼロの気持ち
08. FREEDOMxFREEDOM
09. 見えない海
10. RIDE ON
11. FLY HIGH
12. 危険なカーブ
13. コンビニマドンナ
14. GIMME FIVE
15. Run to you
16. SATURDAY NIGHT FEVER
17. どしゃぶり PaperDriver
18. 自由という名のブランド
19. テキサスホールデム


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