【連載】櫻澤の本気 II 第3回『12月21日』

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『櫻澤の浮気』は、今はもう無い音楽専科社(2016年倒産)から発行されていた月刊誌『ARENA37℃』で連載していた櫻澤のコラム的なもの。連載は1999年のZIGZOデビューから2012年の解散までの約3年間続いた。

◆櫻澤泰徳 画像

『櫻澤の浮気』と名付けたのは、当時ZIGZOが所属していた事務所社長の伊藤恵美さん。曰く、「SAKURAは、良く言えば好奇心旺盛だけど、落ち着きが無くていつもフワフワしてるから、このタイトルが良いと思う」とのこと。コラム的なものといっても、櫻澤自らが執筆していたわけではなく、1ヶ月に一度、ライター村上孝之さんのインタビュー形式の取材を文章に起こしたもので、毎回1時間以上話してた。写真は毎月のテーマによって、シチュエーションに変化をつけて撮り溜めたりもしたけど、全部の写真はカメラマンの三浦麻旅子さんによるものだ。『ARENA37℃』の渡辺編集長は、毎回の撮影とインタビューには必ず立ち合ってくれた。「渡辺編集長はSAKURAの連載が楽しいみたいだよ」と教えてくれたのは恵美さん。渡辺編集長が毎回立ち合ってくれたことはもちろん、楽しんでくれてたことがとても嬉しかったし、ありがたかった。毎回のテーマと写真のシュチュエーションは、櫻澤自ら考えていたよ。なので、全てのテーマと写真に思い入れと思い出がある。



「SAKURA君! 連載でのシチュエーションで、たまには泊まりで遠出しようよ! どこか行きたい場所ある?」と渡辺編集長。ZIGZOの解散に伴う連載の終了。渡辺編集長としては、有終の美を櫻澤の望む形にしつつも、連載を支えてくれた村上さんと三浦さんと皆で“お疲れ様でした旅行”をしましょうという心遣いだったと思う。「奈良に行きたいです」と櫻澤。「大仏とか鹿がいる奈良?」と渡辺編集長。「いや、そんなメジャーな奈良じゃなくて、古墳や遺跡がゴロゴロある比較的マニアックな飛鳥村(明日香村)周辺の奈良に行きたいです」と櫻澤。

メジャーなものより、マニアックなものに興味を惹かれるのは今も変わらないんだけど、実は高校生の時に学校行事で飛鳥村(明日香村)に訪れたことがあったんだ。そんなこともあって、聖徳太子にまつわるものとして、法隆寺より飛鳥寺の方がピンとくる。そもそもは、高校生の時に見た飛鳥村(明日香村)の良い印象が忘れられなくて、大人になってからもう一度目に焼き付けたく思ったからなんだ。特に平城宮跡で撮った写真は、お気に入り。奈良でのロケは、今でも良い思い出。村上さんが楽しそうで、かなりの勢いでハッチャケていたなぁ。村上さんは元々メタル系のプロギタリストだからね。ミュージシャンは旅が大好きだから、ハッチャケてしまうのもごく当たり前なこと。



「1月発売号には和服を着て撮影しなさいよ」と恵美さん。「えっ? いいですけど…」と櫻澤。「じゃあ、着付け担当でSAKURAのお母さんにも撮影に参加して貰いましょう」と恵美さん。「確かにお袋は着付けの先生ですけど…」と櫻澤。「いいのよ、授業参観みたいなもんだから。これも親孝行なんだから」と恵美さんに押し切られる。そして恵美さんの計らいで、和服を着た櫻澤は連載分の撮影のあとに、母親とのツーショット撮影した。カメラマンはもちろん三浦さん。粧し込んだ櫻澤が、母親と写真を撮るのは七五三以来、洋装なら小学校の卒業式以来かな。母親との死別は、12年前の12月21日。今年13回忌になる。先日、自宅を整理しながら、この時の母子の写真を改めて眺めた。母親は、物凄く嬉しそうな顔をして、写真に収まっている。恵美さんが言う親孝行……できたんだな…。

因みに書籍『櫻澤の本気』は、『ARENA37℃』連載の『櫻澤の浮気』に後書き的なものを加筆して一冊の本にまとめたもので、タイトルは櫻澤自ら考えて付けた。この『櫻澤の本気』は受注生産という形を取ったので、書店では販売しなかった。部数もそんなになかったと思う。そんなこんなで、現在ではネットオークション等で、かなり高騰した額で取引されている話を耳にするし、再版を望む多くの声も耳にする。申し訳ないんだけど、版元の音楽専科社は、現在存在していないので…。


自宅を整理していたら書籍『櫻澤の本気』が数冊出てきた。自分用の一冊を残して、先日の<Sakura 50th Birthday Anniversary “暗黒秋櫻” -全櫻澤公演 2019->(11月20日(水)@新宿ReNY)で販売した。高騰した額ではなく、当時の定価に準じた価格でね。

■gibkiy gibkiy gibkiy<oneman tour 2019 “pretender”>

▼2019年
12月20日(金) 大阪・梅田 Zeela
open19:00 / start19:30
12月21日(土) 愛知・名古屋 HeartLand
open17:30 / start18:00
12月27日(金) 東京・新宿 Zirco Tokyo
open19:00 / start19:30
▼チケット
前売 5,000円 当日 6,000円 (税込/D別)

■<ZIGZO 20TH ANNIVERSARY TOUR 2019>Tour final

▼2020年
01月19日(日) 東京・マイナビBLITZ赤坂
open16:30 / start17:30
(問)ディスクガレージ 050-5533-0888
▼チケット
1Fスタンディング:前売¥5,500(税込)/当日¥6,500(税込) ※ドリンク代別
VIP席¥20,000(税込) ※ドリンク代別・2F指定席(先行販売のみ)
※VIP限定オリジナルプレゼント付&アフターショーパーティー有り

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