【インタビュー】デンジャー・デンジャー「音楽の良さだけで勝負できているかもしれない」

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米メロディアス・ハードロックバンドのデンジャー・デンジャーは、1989年にメジャーデビューし、華やかなルックスとポップな楽曲で日本でも人気を得たバンドだ。しかし、これまでの道のりは決して順風だったわけではなく、活動休止やメンバーチェンジ、メンバーの復帰を経て、現在のラインナップに落ち着いた状況にある。

2019年に実現したデビュー30周年を記念したアニバーサリーツアー来日公演は、いつも通りの笑顔と多幸感溢れるステージが繰り広げられ、掛け合いやジャンプに加え、テッド(ポーリー / Vo)が客席フロアに降り2曲にわたってフロア中を移動し、スマホ撮影やハイタッチなどにも応じるというサービス振りを見せていた。デビューアルバム『デンジャー・デンジャー』の30周年を記念してのツアーだが、デビュー作の完全再現ではなく、長年のキャリアを包括するベスト選曲なショウだった点も素晴らしかった。



また、同時期に来日していたKISSへのリスペクトか、ロブ(マルセロ / G)が突然弾き出したリフにブルーノ(ラヴェル / B)やスティーヴ(ウエスト / Dr)も乗ってちょっとしたKISSお楽しみタイムも勃発した。そのKISSのレアな選曲にニヤリとした人も多かったのではないだろうか。

日本公演後、ブルーノ(B)、ロブ(G)、スティーヴ(Dr)の3人がインタビューに応えてくれた。


──3年ぶりの日本はいかがでした?

ブルーノ:日本はいつ来てもフレンドリーで温かく迎えてくれて、昔からずっとサポートしてくれる大好きな国だから楽しいよ。

スティーヴ:ファンがいつも優しくてありがたいし、ソニーミュージックが30年間サポートしてくれている事にも感謝しているよ。

ロブ:僕はスウェーデンで子供の頃に学校をサボっては家に帰り、デンジャー・デンジャーのクラブチッタ公演のビデオをよく観ていたんだよ。それを観ながらいつか自分もアメリカに行ってこういう事をやりたいと思っていたんだ。その時はデンジャー・デンジャーに入るなんて思いもしなかったけど、まさか自分がこうなるとはね。

スティーヴ:そう、あの頃の映像が未だにインターネット上で出回っていて、それを観て新しくファンになってくれる人が結構いるんだ。あの時の日本公演のビデオは凄くありがたいよね。





──KISSコーナーもとても面白かったですよ。あれは予定にあったんですか?

ブルーノ:いや、その場の思いつき(笑)。

ロブ:ギターソロを演るのにあたって、キッスだったら面白いかな?と思ってさ。

──選曲も「Mr.Speed」なんてレアでしたね。しかもガンズ・アンド・ローゼズも入っていませんでした?

全員:爆笑。

ブルーノ:あの曲、知ってるんだね(笑)、ガンズもバレちゃったよねー、わかる人にはわかるんだ(笑)。

スティーヴ:ファンもデンジャー・デンジャー以外の曲をやると面白がってくれるしさ。みんな楽しんだでしょ?

ロブ:あまり台本通りだと杓子定規になってしまうから、ちょっと外れちゃうのもいいんじゃない?



──ロブは1曲だけギターを持ち替えてましたが、チューニングの問題でしたか?

ロブ:「Monkey Business」で使ったやつね、そう、もっと面白い答えがあるといいんだけどチューニングだよ。あれは新しいキャパリソンなんだ、凄くいいよ。

ブルーノ:そんなに細かいところまで観てるの?凄いね(笑)。

スティーヴ:感心するね。

──30年経っても初期のアルバムが愛され続けている事についてどう感じていますか?

スティーヴ:これは本当に凄い事だよね。自分たちのやってきた事は正しかったんだと思えるよ。ここまで来るまではそれがどうだったのかわからなかったし、未だにこうしてライブに来てくれたり、僕らの音楽を好きでいてくれる人たちがいるって事は、楽曲が良かったんだと思える。今回もみんながシンガロングしてくれてさ、本当はファンの為に5時間くらいライブをやりたいんだけど(笑)、それは叶わないからね。

ブルーノ:どこかのライブ会場でも「30年前のデンジャー・デンジャーを観た人いる?」って訊いたら、ほんの1割にも満たないくらいだったんだよ。9割は新しいファンって事だよね?昔ながらのファンだけではなくて、若い世代にも認めてもらえてるみたいで凄く嬉しいよ。この30年間と、あともう30年はやらないとね、みんなその頃は杖ついてるかな(笑)。でも、50周年なんてできたらいいよね。

ロブ:自分の大好きな曲を大好きな親友たちとプレイできて、しかもそれを気に入ってくれているファンがいる…最高の気分だよ。

──1990年代のシーンでは、メロディックなハードロックは過小評価されていましたよね。




スティーヴ:人気をどう計ればいいかは難しいけど、たしかにグランジが流行っていた頃は、ボン・ジョヴィにしてもウォレントにしても低迷したのはあるよね。

ブルーノ:もしかしたら音楽の事だけではなくて、ファンのライフスタイルもあるかもね。デンジャー・デンジャーを好きだった女の子が大人になって、結婚や子育てや仕事で音楽を追いかける時間がなくなっていたのかもしれない。それからまた落ち着いて余裕が出来て、懐かしい音楽を思い出したかもね。1990年代に低迷したバンドがまた人気が復活する波ってあるよね。

スティーヴ:これからもっと人気が出て、いつか武道館とかあるかもよ(笑)。

ブルーノ:デンジャー・デンジャーの前座がガンズとかさ、ウソウソ(笑)。

──きちんと音楽が評価されて、男性ファンも増えたと思いませんか?

ブルーノ:ほんと、そうだよね。

スティーヴ:昔は女の子ばかりだったからね。当時の僕らはカッコよかったからさ(笑)。今はもうイケてないけど、僕らの音楽はコマーシャルでポップだったし「女の子がキャーキャー言っているバンドでしょ?」って男性はちょっと引いていたと思うんだ。逆に今はキャーキャーも言われなくなったし、本当に音楽の良さだけで勝負できているかもしれない。30年経ってようやくわかったよ(笑)。

──30年を振り返ってみて思い出すのは?

ブルーノ:日本は本当にスペシャルな国だし、ファンにとってだけではなくて僕らバンドにとっても懐かしくてね。このバンドを最初に認めてくれたのは日本だったんだよ。

スティーヴ:そう、アメリカより日本で先に火が付いて、NHKホールでライブができて、それを見てアメリカが気付いたわけだよ。BURRN!やMUSIC LIFEの人気投票でもモトリー・クルーやボン・ジョヴィやポイズンと並んで僕らが居たし、個々のプレイヤーでもニッキー・シックスとジーン・シモンズの次がブルーノだったんだよ(笑)。

──現状、最新アルバムの『Revolve』から10年が経ちますが、あの時、またニューアルバムを作ろうと思ったのはどんな思いからでしたか?

ブルーノ:アルバム『Cockroach』の後で、テッド(ポーリー / Vo)とは一度問題があって別れたけれど、それからちょうど良いタイミングで彼が戻ってきたし、良いオファーもあったからまた作ろうと思った。テッドが戻った事が大きな理由だよね。

──そろそろ次の作品は?いつも「それはスティーヴに訊いてよ」って言われるんですけど(笑)。

ブルーノ:スティーヴどう(笑)?

スティーヴ:うーん…2009年のアルバム作りはテッドが久しぶりに戻ってきて、でもとても大変だったんだよ。そうだなぁ、新曲も良いんだけど、デンジャー・デンジャーはノスタルジーでも良いのかなって思うところもあるし。でも例えば凄く良いオファーがあったりすれば考えるよね。そういう話もなかなかないし、まずアルバムを作るに見合う素晴らしい楽曲が出来て、色々な条件が揃えば作ってもいいよね。今すぐの予定ではないけど、いつかね。代わりにって言ったら変だけど、ディファイアンツもあるしさ。



──ディファイアンツ(ブルーノ、ロブの新バンド)の手応えは感じていますか?

ブルーノ:あまりわからないんだ。ヨーロッパの事は向こうのレーベルから入ってくるけど、日本はどうなのかな?

──日本でも好評ですよ。

ブルーノ:本当?それは嬉しいね。小さなカフェでも何でもいいから、まだライブをやっていないので是非やってみたいよね。

──2019年の<Sweden Rock Festival>ではアコースティック・ショウがありましたよね?

スティーヴ:そうなんだ。ディファイアンツは、ポール(レイン / ex デンジャー・デンジャー / Vo)だし、僕もゲストでボンゴを叩いたから、デンジャー・デンジャーの曲も演ったんだ。凄く楽しかったよ。

──これからもデンジャー・デンジャーとディファイアンツは並行して活動を続ける予定ですか?

ブルーノ:予定を立てるバンドではなくて一日一日を生きている感じではあるけど、ディファイアンツについてはとてもやる気になっているし、とにかくライブをやりたいよね。デンジャー・デンジャーもまたチャンスがあればやりたいよ。


──どちらの活動でも大歓迎ですよ。

ロブ:みんなずっとサポートしてくれて本当にありがとう。また是非戻って来たいよ。

ブルーノ:いつも素晴らしいファンで本当に嬉しい。毎回、日本に来るのはこれが最後かなと思いながらまた戻って来てるから、今回はこれが最後とは思わずにいるよ。

スティーヴ:僕はね、個人的にも子供の頃からなぜか日本にはずっと惹かれていたんだよ。友達もたくさん居るし、ずっと来たいと思っていたんだ。それがヒット曲に恵まれて夢が叶って、30年経っても未だに来れて、もう日本が大好きだからアパートでも借りて住みたいくらいさ。本当にみんなに感謝だよ。

取材・文:Sweeet Rock / Aki
写真:Yuki Kuroyanagi

<DANGER DANGER ~30th Anniversary Japan tour 2019 ~>

2019.12.10@Shibuya Club QUATTRO
1.Boys Will be Boys
2.Rock America
3.Hearts on the Highway
4.Under the Gun
5.Monkey Business
6.Don't Blame it on Love
7.Don't Walk Away
~ Guitar Solo ~
8.Beat the Bullet
9.Feels Like Love
10.I Still Think About You
11.Bang Bang
~ Encore ~
12.Crazy Nites
13.Naughty Naughty
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