【インタビュー】INORAN+真矢 [LUNA SEA]、「僕らはこれからも進んでいくけど、今、見てほしい」

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LUNA SEAが12月18日、10thオリジナルアルバム『CROSS』をリリースした。INORANは「新しいLUNA SEAの始まり」と定義づけたが、同時に今作は“これぞLUNA SEAの真骨頂”と思わせてくれるとんでもない作品でもある。RYUICHI、SUGIZO、INORAN、J、真矢の5人がインディーズ時代に強く影響を受けたU2のアルバムをプロデュースしたスティーヴ・リリーホワイトとがっつり組んで30周年の節目にアルバムを作ること自体、運命めいたものを感じさせるが、当時、ロックキッズだったメンバーが月日を経てスティーヴと同じ土俵に立って対等に意見を交わし合い、楽しみながら練り上げていった楽曲たちは想像を超えた輝きとエナジーを放っている。

◆INORAN+真矢 [LUNA SEA] 画像

そんなアルバムをこれまで出会った人たちへの感謝の想いを込めて『CROSS』と命名したのは真矢。スティーヴとのコラボレーションで少年のようにイノセントな気持ちで、“全身全霊”で音楽を楽しむことの大切さを再認識したというINORANと真矢に、コラボレーションによって生まれた立体感のあるサウンドについて、アルバムについて、たっぷり語ってもらった。INORANと真矢というインタビューの組み合わせはレアなものだが、終始笑いが絶えなかったトークも2人が真剣に楽しんだ結果であることを付け加えておきたい。

   ◆   ◆   ◆

■SUGIZOちゃん流に言うと
■いつも“全身全霊”──INORAN

──スティーヴ・リリーホワイトと共同プロデュースで30周年の節目にリリースされるアルバム『CROSS』はヴォーカルも演奏もフレッシュというか新鮮な驚きに満ちています。よりエモーショナルでロックバンド、LUNA SEAのポテンシャルの高さがあますことなく引き出されていると思いました。お2人は今作をどう位置づけているんですか?

INORAN:僕たちは常にフレッシュな気持ちで新しい音に出会ったり、新しい音を作ってきたので、自分に対しての挑戦やアップデートするのも何ら変わりなく。SUGIZOちゃん流に言うといつも“全身全霊”で臨んでいると思うんですよ。

──ははは。SUGIZOちゃんですか(笑)?

INORAN:そう。今回はSUGIZOちゃんって呼ぼうと思って。

真矢:わはははは。

INORAN:SUGIZOちゃんも真矢ちゃんもJちゃんもRYUちゃんもいつもと変わらない姿勢なんですよ。ただスティーヴ・リリーホワイトという自分たちを映し出す鏡があったことによって、映る角度や映し出されるものが変化したのかもしれない。もちろんアルバムを作って達成感はあるんだけど、『CROSS』がリリースされて、聴く人の鏡を通して僕らの音楽がどう映るのかなっていうのはあるよね。実際、スティーヴと一緒にやったことで音は変わったと思うし、こうやってインタビューしていてもその反応は大きいので、みんなの鏡に映してみたい。

──30周年にリリースされる記念すべき10thアルバムというのは意識しました?

INORAN:意識していないわけではないけれど、そのあたりは真矢ちゃんから(笑)。

真矢:“よし!30周年の10枚目のアルバムを作ろう!”って取りかかったわけではなく、俺たちは常にカッコいいものを追い求めているんだけど、30周年の記念日に日本武道館でライヴをやったことは脳裏に刻まれているから、無意識の中の意識にはあったんだろうね。SUGIぽんもRYUぽんもINOぽんもJぽんもね。

INORAN:ははははは。

──30周年で呼び方までいろいろ変わってますけど(笑)。

真矢:わははは。ドラムに関して言うと、生ものの楽器だからエンジニアによってホントに音が変わるんだよね。例えば同じ鉄道の写真を撮ってもカメラマンによって全然違う角度や色合いになるじゃない? 生楽器ってそれと似たところがあるのでトラックダウンが上がったときに、“こんなにカッコいい音にしてくれるんだ!?”ってホントにビックリしました。それぐらいスティーヴとのセッションはすごかったなって。

──アレンジも込みでかなり密にやりとりして制作していったんですか?

真矢:そうですね。スティーヴを含めた6人で作業を進めていったんですけど、たぶんスティーヴがいちばん楽しんでいたと思う。

INORAN:うん。

──そうなんですね。アルバムからスティーヴ・リリーホワイトのLUNA SEA愛がすごく感じられたんですよ。“ここがオマエらのいいところだよな”っていうのを念頭にやっていらっしゃるというか。

真矢:そういうところを引き出すのがホントに天才的な人なんだなと思った。あと、我々が初めて楽器を手にしたときってすごくワクワクしたし、“うわぁぁ”って燃え上がるものがあったんだけど、そういう気持ちをスティーヴは今もすごく持ってる。

INORAN:そうだね。

真矢:だから、勉強になった。グラミー賞を何度も獲るほど世界的に有名で最高傑作を何枚も作ってきたのに、今も最高の音楽少年なんだって。

──LUNA SEAも音楽に対する情熱や追求心をキープし続けるピュアネスのあるバンドだから、そう思うと最強のコラボですね。

真矢:日本武道館のドラムソロで和楽器を取り入れたじゃない? あれを見て「OH! OH!」って興奮してくれたんだよね。あとRYUぽんがMCで「次のアルバムはスティーヴ・リリーホワイトがプロデュースする」って言ったら客席で見てたスティーヴがまわりを見て「IT’S ME! IT’S ME!」って言ってたらしい(笑)。

INORAN:ははははは。

真矢:それぐらい少年なんだよね。

──無邪気でもあるし、世界的プロデューサーという奢りもない。

真矢:そうそう。そういう人だからLUNA SEAに対してワクワクしたりドキドキしてくれたんじゃないかなって。いくらお金を積んでも、それだけではやってくれない人なんだろうなと思った。

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