【ライブレポート】怪人二十面奏、「2020年もめっちゃ楽しみたい」

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怪人二十面奏が12月16日新宿BLAZEにて、<単独公演巡業二〇一九秋「ネオ・シュルレアリスム」>のファイナル公演を行なった。

◆ライブ画像

緊張感をはらんだSEが流れ出し、場内が暗転。フロアには赤い包丁ライト(包丁の形を模したオリジナルグッズ。彼らのライヴには必須)の光が点滅する。幕が開き、メンバーが徐々にその姿を現した。ライヴの始まりを実感する、心臓が高鳴るひととき。

オープニングを彩ったのは、「色盲」。ステージ中央に設置されたソファにゆったりと腰かけ、歌い上げるマコト(Vo)。艶やかなヴィジュアルとも相まって、遠目にはいたいけな雰囲気さえ漂わせている。さらに「噫無情」と続くと、その歌声は切なさを帯びていった。力強いリズムを背景に、情感溢れる歌声が会場いっぱいに広がっていく。


「BLAZE! 盛り上がっていきましょう。ようこそ!」と、オーディエンスに呼びかけ、マコトの動きとともに会場全体の空気が動き出す。続くのは「愛憎悪」だ。赤い包丁ライトがきらめくフロアを前に、KEN(G)も軽快なステップを踏む。勢いのあるサウンドとは裏腹に、歌を含め曲全体の雰囲気は情緒に満ちている。マコトの作り上げる色濃い世界とサウンドとの対比は、彼らの持つ大きな魅力だ。

「2019年最後のワンマンです。この一年全てをぶつける!」と力強く宣言すると、「G・G・P・G」へ。テンポよく攻め立てるようなサウンドに、タイトルを叫ぶ声が重なる。オーディエンスも熱せられるように動き出し、「想望カルト」「ヲルガン坂に見る夢」と、熱気は増す一方。左右に動き、こぶしを掲げ、手拍子を叩き、激しいノリを楽しむオーディエンスの姿が目立った。


「儚夢」では、軽快なリズムで心地よくノせたかと思うと、訴えかけるように言葉を詰めた語りで一気に引き込む。ドラマチックに「近代的極東唱歌」が始まると、力に満ちた歌声が辺りに広がっていった。立て続けに展開しながらも、それぞれの曲の主張は目まぐるしく趣きを変え、それでいて怪人二十面奏というひとつの色を帯びている。

同じメロディでも、リズムを変化させながら聴かせた「エフ」や、歌だけでなく、ギターでも聴かせたフレーズが耳に残った「透明。」。世界観を重視しながらも、ロックバンドとして作曲やアレンジを駆使してそれを表現しているのが怪人二十面奏だ。続くMCでも話していたが、次から次へと曲を生み出すことのできるKENの存在があるからこそ、彼らの音楽が成立しているのだろう。


MCでは、マコトと共にKENも口を開き、ひと息ついた後は、いよいよ終盤戦。「追いていかれないようについてきてください」と、「狼」から再び走り出す。その見た目からは意外なほど、荒々しく煽ってフロアに火をつけると、カラフルで派手な照明がステージを彩った。

「新宿」という、高らかなタイトルコールと共に始まったのは、憂いを帯びたメロディ。ビートに乗って駆け抜けていくような展開にオーディエンスもついていく。「もっと声を聞かせてください」と、「死せる Cecile セルシン摂氏0度」が始まる。会場全体を熱気が包み込み、その場に居合わせた全員が一緒に熱くなっていくような、そんな空気感が伝わってきた。フロアを見つめ、マコトも満足そうだ。


「一緒に地獄へ堕ちましょう」という言葉とともに、「ダムド」も披露。感情の高まり、サウンドの勢い、照明の眩しさ。聴覚的にも視覚的にもめまぐるしく、オーディエンスは心地よい陶酔感を感じられたのではないだろうか。KENの激しい叫びを受け、さらにマコトが煽ると、「G,Jクローバー殺人事件」が幕を開ける。鋭い視線を投げ掛けるようなマコトの表情が目についた。その鋭さと勢いのまま、「可不可」を荒々しい歌で届けてくれた。

本編最後を飾ったのは、「生命力」。ここまでの勢いのままにひたすら突っ走って、あっという間に本編は終了。彼らの楽曲は短めのものが多いうえ、この日のセットリストにはテンポの速い曲が多かったこともあり、17曲も演奏されたとは思えない感覚だった。また、衝動に突き動かされた演奏のように感じられたことも、その体感に拍車をかけたのかもしれない。それでいてサウンドからは、統率されたような整然とした力強さが伝わってきたことも特筆すべきことだろう。


リラックスした様子で再び登場したアンコールでは、2020年の活動を告知。怪人二十面奏というバンド名だけに、2020年は自分たちの年ともいえる大事な一年であり、五周年を迎える年でもある。2020年2月20日にチケット代2020円で単独公演を行い、4月には全国二十か所単独公演巡業も決定。全国ツアーで回る地名を発表するマコトの言葉に、フロアのあちこちから歓声が上がるさまが微笑ましかった。

2019年最後のワンマンを締めくくったのは、「其の証」。歌が、サウンドが発する感情が、BLAZE全体に充満し、彼ららしい濃度の高い空間を味わうことができた。「2020年もめっちゃ楽しみたい」というKENの言葉と、「2019年もありがとうございました!」というマコトの言葉が、充実した2019年と希望に満ちた2020年を物語っている。着実に自分たちらしい歩みを続けていく彼らを、これからも追いかけていきたい。その先に広がる世界をおおいに楽しみにしている。

文◎村山幸
写真◎大塚秀美

<特別単独公演「二十」 >

2020年2月20日(木)
渋谷DESEO
開場/開演 20:00/20:20 ※22:00終演予定
料金:前売/当日共通 ¥2,020 *1DRINK別途

<5周年記念 全国単独公演巡業二〇二〇「THE NUMBER TWENTY」>

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料金(全公演共通)
前売 ¥3,800/当日 ¥4,300 1Drink別途

◆怪人二十面奏 オフィシャルサイト
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