【ライブレポート】BuZZ、音楽とエンタメの才が光った初のホールワンマン「2020年こそはBuZZの年に」

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4人のボーカリスト全員で作詞作曲を手掛けるミクスチャーボーカルグループ・BuZZが初のホールライブ<BuZZ ONEMAN PARTY“THE Golden X NIGHT”>を開催した。

◆ライブ画像(16枚)

この日はクリスマスイブの前日。開演前に会場内で流れていた“ケチャップ勇士”と“マヨネーズÜ-SAY”によるラジオにて、タイトルの“THE Golden X NIGHT”はクリスマスを示唆していることはもちろん、“X”は“10”の意味も含まれていると語られていた。その“10”とはBuZZのメンバー4人+バンドメンバー4人+スペシャルゲスト2人という意味。この日はアルトサックスとテナーサックスを加えた10人編成でのライブとなった。


BGMのマライヤ・キャリー「All I Want for Christmas Is You」が突如止まると、紗幕が下りた状態でバンドメンバー6人がステージに登場。演奏のなか紗幕が落ちると、そこにはタイトな黒スーツに身を包んだメンバー4人の姿があった。

1曲目は2019年夏にリリースされたシングルの表題曲であるファンクナンバー「BEST SHOT」。ステージを牽引する勇士の華やかな佇まい、Ü-SAYのフェイクが効いたハイトーンボーカル、4人のグルーヴィなハーモニーに客席のコールが加わり、場内のボルテージはたちまち上昇していった。


「ハミデルロマンス」では弦楽器とホーン隊が4人とともにステップを踏んだりと、ショー的要素をより強め、清水謙太のラップもエッジーかつキャッチーに響く。楽器隊がメンバー紹介を兼ねたソロ回しを軸にしたバンドセッションをじっくりと激しく繰り広げると、ダンスショーを彷彿とさせるソウルナンバー「Be quiet」へ。各楽器がフィーチャーされたアンサンブルに、4人の迫力あるボーカリゼーションを加えたステージングで客席を圧倒すると、間髪入れずに「Choo Sexy」へ。ラテンの香り漂う楽曲を情熱的かつスマートにパフォーマンスする。

BuZZは作詞作曲のみならずステージ演出、衣装、映像作品に渡りセルフプロデュースを行うという非常にクリエイティブな集団。ゆえに細部まで抜かりポリシーを感じさせるだけでなく、真摯でエモーショナルなライブを展開していく。勇士がメインボーカルを取るミッドナンバー「Magnet」ではあとの3人もゴスペル隊のように豊かなハーモニーを響かせ、甘くなりすぎないソフトさとスタイリッシュさでもってムーディーな空間を作り上げた。


スキルの高い歌唱と演奏を用い、クールな外見からは想像できない茶番劇(?)で順々に観客への感謝と愛を伝えるも、勇士だけは途中で話を遮られてしまうというオチから、KENSUKEが巧みな話術でしっかりと盛り上げてステージをドライブし、華麗に「Hangover」へとつなぐ。ミュージカルのように4人でステージを左右に動いたり、マイクリレーのようにラップを繰り広げるなど、ユーモアとグルーヴを上品に音楽へと昇華していく様子に、エンターテイナーとしての才が光る。

突如暗転し「バズシネマ」なるコメディムービーが上映。覆面サンタクロースに扮した4人とゲスト俳優が身体を張った熱演を繰り広げると、客席にはムービーから飛び出したような装いの、4人の覆面サンタクロースが現れる。突然の展開に観客が驚きを隠せないなか、4人のサンタクロースが巧みな話術とともにひとりずつランダムに観客へとプレゼントを配ると、ステージにはそれぞれで趣向の異なる衣装へとチェンジしたメンバー4人の姿が。4人がハイトーンボーカルやファルセットを使ってソロパフォーマンスをするイントロも印象的な「Amazing merry Christmas」を軽やかに届けた。


洒落たメロウナンバー「Forever Young」やドラマチックに展開していく「REASON」のあと、4人が和気藹々とトークに興じていると、ステージに覆面サンタクロース4人が登場する。先ほど客席に現れたサンタたちはライジングプロダクションの丸山龍星、木下流声、松岡光平、皆川健太郎だったのだ。サンタたちとドタバタトークを繰り広げるなか、サンタたちのリクエストで「Ciao」を披露。サンタの4人も交えての14人編成パフォーマンスは、BuZZのマイクスタンドを使用した歌唱、サンタたちのダンスなどで、煌びやかな空間を作り出した。

ブラックミュージックとポップスを融合させた高い音楽性、ショーとしての華やかな見せ方、演奏とボーカルで作り出す豊かなサウンドスケープ、愉快な喜劇性、巧みなMCセンス、そして4人のパッションが万華鏡のように展開していく。ノリのいい「ビーナス」ではÜ-SAYがアクロバティックな動きを見せて観客をあっと言わせた。一つひとつの楽曲をじっくりとカラフルに魅せていくステージに、メンバー4人の並々ならぬ信念と真剣な想い、ストイックな努力と好奇心が見える。ラストのファンクナンバー「ワガママなメロディ」ではハッピーとエモーションを融合させ、極上の空気感を作り出した。


客出しBGMが流れるなかでも鳴り止まぬアンコールに、メンバーが再びステージに登場。勇士が「今日いちのバイブスを見せてほしい」と呼びかけ、KENSUKEも「ここにこのメンバーが集まるのは今日だけなんだから、今日のことはここにいる人たちだけの秘密にしよう!」と笑顔を浮かべる。

「今日ここで体力を使い切って帰りたい」という勇士の提案により、アンコールは「BEST SHOT」を振り付けなしでパフォーマンスする“バイブス”バージョン。4人のボーカルも身のこなしも1曲目の時と趣向が異なり、楽器隊の演奏もより熱が入る。同じ曲でまったく違う見せ方をするところにも舌を巻いた。

最後、謙太は「2020年こそはBuZZの年にしたい」、勇士は「2020年は進化したBuZZを見せたい。どんどんリニューアルしようと思っています。もっといいBuZZにするためにもっともっとチャレンジしていきたい」と並々ならぬ意欲を語った。2017年に結成し、2020年には3周年を迎えるBuZZ。いよいよ彼らの快進撃が始まろうとしている。

取材・文◎沖さやこ

セットリスト

M1.BEST SHOT
M2.ハミデルロマンス
M3.L.O.C.O
M4.LEAN ON ME
M5.Band Session
M6.Be quiet
M7.Choo Sexy
M8.Magnet
M9.Hangover
M10.Amazing merry christmas
M11.Forever Young
M12.REASON
M13.Ciao
M14.ビーナス
M15.ワガママなメロディ
EN1.BEST SHOT

◆BuZZ オフィシャルサイト
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