ゆくハロくるハロ ~令和のハロー!プロジェクト勝手語り~【2019年 年末特集】

ツイート

ハロー!プロジェクトにとっての令和元年は、各グループの攻めの姿勢が世代交代や新しい試みなどに順調に寄与した年だった。大みそかにはカウントダウンコンサート、新年1月2日からはハロプロ全体でのコンサートツアー開幕とファンにとっては例年どおりの息をつく暇もない日程だが、本稿では年の瀬の一息つく瞬間に2019年のハロプロを振り返る。

グループ単位で言えば、大みそか直近まで話題が付きなかった。
レコ大新人賞を取ったBEYOOOOONDSって何者?
<COUNTDOWN JAPAN 19/20>を盛り上げていたアンジュルムって何者?
年末でメンバーが全員卒業したカントリー・ガールズって何者?
NHKドラマで本人役で出演していたJuice=Juiceって何者?
ロッキンで“体力おばけ”以上の底力を見せたモーニング娘'19って何者?
などなど。各グループのMVとともに概要をさらっていこう。


まずはBEYOOOOONDS。平成30年の最終日、4月30日にメジャーデビューが決定し、令和元年8月7日にメジャーデビューシングルをリリースした新人グループだ。のちにレコード大賞新人賞を受賞した楽曲「眼鏡の男の子」はメンバーの前田こころの男装姿がスマートで高感度大。

設立時の流れも面白い。一岡伶奈がリーダーを務めるグループ「CHICA#TETSU」と、高瀬くるみがリーダーを務める「雨ノ森 川海」が一つのグループとして身を寄せ合い、さらにそこへオーディション合格者3人を追加して12人で1つのグループ「BEYOOOOONDS」に……という筋書きはハロプロでも経験したことのないシナリオで、グループ名発表時には多くのハロプロファンが“このグループは一体…?”と首をかしげた。メンバー構成の複雑さを一人ひとりが認め合い、その上でメジャーデビューにむけてがむしゃらに12人チーム一体になっていく姿は、持ち前の演劇を取り入れたパフォーマンススタイルによく噛み合って新しい勢いを生んだ。メジャーデビューイヤーのボーナスは充分。来年のメジャーデビュー2年目の動きも気になるところだ。



レコード大賞の新人賞には多くのハロー!プロジェクト所属グループがノミネートされてきたが、近年ではBEYOOOOONDSの先輩グループにあたるつばきファクトリー、こぶしファクトリーも見逃せないところ。2019年に10周年を迎えた<TOKYO IDOL FESTIVAL 2019>での勇姿を見たアイドルファンも多いのではなかろうか。ツアー公演を重ね、彼女たちのパフォーマンス力の充実も頼もしい。デビュー年度が近い両者だが、成長に伴い正統派に魅せるつばきファクトリーと、ボイパやアカペラなど歌唱路線を鍛えてツワモノ度を増したこぶしファクトリーという対比が生まれていることは改めて言及しておきたい。少し目を話している隙にぐんと成長している彼女たちは、オイシイ。


そしてJuice=Juice。ハロー!プロジェクトの中堅を担う彼女たちにとっても2019年は様々な動きがあった。3月11日に梁川奈々美が、6月17日にグループ初代リーダーの宮崎由加が卒業を迎え、新体制になって約半年後の12月4日にはグループ史上最大キャパとなる代々木第一体育館でのワンマンライブを経験することになる。合間にはNHKプレミアムドラマ『歪んだ波紋』への本人役での出演や、メンバーの宮本佳林が初のソロツアーを開催するなど緊張感のある一年だったといえるだろう。

なお、ハロー!プロジェクトは2019年末に試験的試みとしてライブのスマホ撮影・SNS共有を許可する公演を5公演設定していたが、これを最もエッジの効いた形で活かしたのは彼女たちだったような気がする。撮影タイム中、代々木第一の花道に寝転がる植村あかりにサプライズでキスしていった宮本佳林の確信犯(?)ぶり。SNS共有が許可された最初の公演がJuice=Juiceの代々木第一だったが、ハロプロの優等生に見せかけて与えられた機会を惰性に終わらせないシナリオ筋に痺れた。(宮本佳林の気まぐれだった可能性も捨てきれないが)


初代リーダーの卒業で試される一年となったのは、Juice=Juiceと同じく年末の<COUNTDOWN JAPAN 19/20>を盛り上げたアンジュルムもそうだ。こちらはハロー!プロジェクト全体の6代目リーダーを兼任していた和田彩花が6月18日に卒業し、リーダーを竹内朱莉が引き継いだ。芸術性と華やかさがリーダーの色だった和田に対し、竹内はスピーディなステージ運びとオープニングからの爆発力が光る。代替わりしてすぐ、グループとしては初出演となる夏アイドルフェスに次々乗り込んでいく姿が印象的だった。

今年は和田のほかにメンバーの勝田里奈、中西香菜が卒業、また2020年3月には船木結も卒業することが発表されており、アンジュルムは大幅なグループ変化の過渡期にある。模索が一区切りするのは2020年半ばになるだろうか。昨年今年来年と一年刻みに別物になっていくであろう彼女たちを、来年の夏秋フェスの頃には再びチェックしたい。


令和元年の終わりに大きい節目を迎えたグループもある。カントリー・ガールズは12月26日のワンマンライブをもってメンバー全員が卒業した。カントリー娘。の里田まいをスーパーバイザーに迎え、嗣永桃子が“ももち先輩”としてプレイング・マネージャー参加、あざといなどというレベルではない徹底的に計算された“かわいい”所作とトーク力をイチから叩き込まれたメンバーたちが一斉にそれぞれの道へと進んでいったのはその才能から惜しまれるところでもあり、また彼女たちらしいところでもある。ハロプロではグループ兼任先だったモーニング娘。で活動を継続する森戸知沙希にその遺伝子が受け継がれていくことになる。


そして、モーニング娘。'19。久しぶりに年内の卒業者無しで令和元年を駆け抜けた。6月22日には15期メンバーが3名加入したが、2019年の注目エピソードとしては8月10日の<ROCK IN JAPAN FES.>を忘れることはできないだろう。15期メンバーがステージ参加する前に見たものは、グループ2回目の出演にして初のメインステージ“GRASS STAGE”へと到達した先輩メンバー達の勇姿だった。

GRASS STAGEは収容キャパが約6万人ほどともいわれる野外ステージ。そこに朝の10時から集まった観客たちが、モーニング娘。'19のパフォーマンスが進むにつれみるみるその数を増やした。新旧の持ち曲にあわせてオーディエンスが反応する手応えは現役メンバー達にとっても計り知れなかったはずだ。(※当日、帰省ラッシュを含む交通渋滞に巻き込まれた15期メンバーは現場での生パフォーマンスには立ち会えなかったとのことだが、そんな部分からも同イベントへのモー娘。再出演が待望される)

モーニング娘。'19はそのまま、年末に現体制では初となる代々木第一体育館でのワンマンライブを成功させている。リーダーの譜久村聖が「モーニング娘。はまだまだ開拓できるところがたくさんあって、それが私達の良さ」と大きいライブのたびに語り、グループが前進してきた姿が2019年のハロー!プロジェクトを牽引する大きな要素の一つになったことは間違いないだろう。

アイドルシーンが円熟し、また音楽シーンの流行りスタイルも令和のそれに切り替わっていく中で、ハロプロの各グループはどう立ち向かっていくのか。令和2年のハロプロを楽しむにあたって各グループの個性とドラマに引き続き注目していきたい。

なお、ハロプロの試験的試みであったライブのスマホ・携帯電話撮影許可は2020年1月からの冬コンサートツアーにも追加適用された。使用ハッシュタグは「#helloproject」。これまで関東圏のみだった許可ライブ会場も全国区へと拡大され、新年からは早速SNSでも彼女たちの活躍で盛り上がることができそうだ。

文◎宮川直子(BARKS)
この記事をツイート
365日、アイドルが作るアイドルメディア Pop'n'Roll 準備号創刊

この記事の関連情報