【ライブレポート】SUM41、<ORDER IN DECLINE>東京公演で“ポップにしてワイルドなロックバンドへ”

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2019年3月、日本初開催となった<Download Japan 2019>に出演したSUM41。JUDAS PRIEST、SLAYER、ANTHRAX、GHOSTなどメタル猛者がずらりと並ぶラインナップにおいて、一歩も引かない剛腕パフォーマンスで観客を焚き付けた彼らが今回、2019年7月リリースの7thアルバム『ORDER IN DECLINE』に伴う単独公演として、名古屋、東京、福岡、大阪の4都市5公演を敢行中だ。ここでは<ORDER IN DECLINE WORLD TOUR IN JAPAN 2020>東京2DAYSの最終日にあたる1月8日の豊洲PIT公演の模様をお伝えしたい (※福岡、大阪公演をまだ控えているため、ネタバレが嫌な方はご注意を)。

◆SUM41 画像

各地でゲストを招いていて行われている同ツアーだが、この日はPassCodeが登場。音楽的にはピコリーモ、エレクトロコアに属するジャンルであるものの、バンドセットで挑んだステージングはラウドに振り切れており、彼女たちのキレのあるダンスとバンド演奏のマッチングは迫力満点だ。とりわけ、今田夢菜の渾身のスクリームはARCH ENEMYのアリッサ嬢(Vo)を引き合いに出しても大げさではないほどカッコよく、それによってキャッチーな歌メロが一層輪郭を鮮やかにしていた。「ただの前座で終わる気はない!」とメンバーは発言していたけれど、それはハッタリでも何でもなく、曲が進むにつれてフロアを活気づけるパフォーマンスで観客の心を掴んでいた。


そして転換BGMのPAPA ROACH「Last Resort」の途中で場内が暗転、19時59分、荘厳なSEに導かれてSUM41が登場した。デリック・ウィブリー(Vo / G)、デイヴ・バクシュ(G)、トム・タッカー(G)、ジェイソン・マクキャスリン(B)、フランク・ズーモ(Dr)のメンバー5人が揃うと、最新作の冒頭曲「Turning Away」で本編スタート。切ない旋律にパワフルなドラムが重なり、じわじわテンションを上げてくれる展開はまさにオープニングにピッタリだ。

続いて「The Hell Song」に入ると、天井までスモークが大量に噴き上がり、また地鳴りのような歓声も相まって、場内は熱気は急上昇。その状況に「Motivation」「Over My Head」と強力ナンバーを次々と畳み掛けていく。



そして、メタル度を高めた「We're All To Blame」に突入。行進するように規則的なリズムに身体が揺さぶられ、祈りに似たサビの歌メロも印象的で、後半は大合唱が巻き起こる。そう言えば、会場にはIRON MAIDENのTシャツを着た人をちらほら見かけた。SUM41はデビュー時からデイヴの音楽的嗜好もあり、メタルの要素を堅持していた。この日も披露された初期のMV曲「Fatlip」における“陽気なポップパンク”というイメージも根強いが、作品を重ねるごとにメタル色を強め、ダークなロックサウンドに音楽性をシフトしていった。また、ライヴを体感すれば、ポップパンク、メタルテイスト、シリアス路線のロックと、色合いの違う各時代の楽曲がきちんと機能し、陰に陽に力を発揮していることがよく分かる。パンクファンだけではなく、メタル/ロック好きのツボを突く曲調も兼ね備えた多彩な攻撃力が抜群に光っていた。

高い楽曲クオリティをキープしながら、振れ幅のあるサウンドを生み出すことは容易ではない。初期、中期、近作とファンの思い入れは様々だと思うが、どの時代の楽曲でも激しいリアクションを起こしていたいたところにSUM41の凄みがある。また、盛り上げ隊長・デリックの存在も見逃せない。曲中にテンポを落とし、観客と積極的にコミュニケーションを図り、シンガロング、サークルモッシュ、ジャンプへと導く手腕はさすがである。常にフロアを意識したアプローチは百戦錬磨のライヴバンドたる貫禄に満ち溢れていた。


ライヴ自体は「No Reason」「Still Waiting」などの人気曲も挟みつつ、最新作収録の「Out For Blood」における強靭なバネのごときグルーヴには破格の衝撃力があったし、さらにデリック自らピアノ弾き語りで始めたバラード曲「Never There」も感動的であった。加えて、<Download Japan 2019>でもプレイしたQUEENのカヴァー「We Will Rock You」も演奏したりと、約1時間半におよぶ濃密な内容となり、終始キッズから大人まで楽しめる懐の深いパフォーマンスで観客を魅了。今のSUM41は死角ナシ!と言いいたくなるほど、ポップにしてワイルドなロックバンドへと成長を遂げている。それを存分に知らしめる圧巻のステージングであった。福岡、大阪公演とまだ迷っている人がいるならば、是非足を運んでもらいたい。

取材・文◎荒金良介
撮影◎NFGFILMS


■<ORDER IN DECLINE WORLD TOUR IN JAPAN 2020>

1月06日(月) Zepp Nagoya
1月07日(火) 豊洲PIT
1月08日(水) 豊洲PIT
1月10日(金) Zepp Fukuoka
1月11日(土) Zepp Osaka Bayside
▼チケット
1F スタンディング ¥8,000 (1D別)
2F 指定席(名阪福公演) ¥9,000(1D別)

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