【インタビュー】DracoVirgo、全24曲収録アルバムにハイカラメンバーも集結「高カロリー、高タンパク、高品質です」

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■ハイカラの約3年は多感な時期と重なっていた
■“血となり肉となり”という言葉がピッタリ

──MAAKIIIがソロ名義で発表した『兎に角、ジェネシス!!!!!』は、ポップやテクノを軸にした歌ものです。MAAKIIIが再び音楽を始めた段階では、いわゆるロックのフィールドから別のところにシフトしていたんですか?

MAAKIII:そうですね。もともと、アンチノブナガというHIGH and MIGHTY COLORの前身バンドと出会ってから、私のバンド人生というかロックが始まったので。そこに至るまでは、そういうサウンドを全く聴いたことなかったんですね。メタルというジャンルがあることも知らなかったし。マイクの握り方すら知らずに、バンドの世界に飛び込んでいったのがHIGH and MIGHTY COLORだったんです。そこで自分が培ってきたものや、そこをルーツに持ちながらも、単純に私が楽しめる音楽を考えたらダンスミュージックで。もともとダンスが好きだったし、そこでどんな挑戦ができるんだろうって作ったのが『兎に角、ジェネシス!!!!!』だったんです。趣味みたいな感じで、楽しみながら書き溜めた曲なんですよ。

──その時期の素直なMAAKIII自身ですか?

MAAKIII:そうですね。自分が根本的に持っているポジティヴさだったり、HIGH and MIGHTY COLORともちょっと違う自分というか。後者は狙ったわけではないんですけど、自分と向き合う時間もいきなり多くなったので、そこから湧き上がってくるメッセージや感情だったり。

──それに人生経験も重ねたから、モノの見方や考え方にも変化が起こっていただろうし。

MAAKIII:そうですね。HIGH and MIGHTY COLORがあってこそ成り立つのがマーキーだったんです。そうじゃなくて、ひとりの人間として自分を見つめる時間もできて、そこから生まれるメッセージ性などもあったんです。逆に自分でも、“なぜこういう曲が生まれるんだろう”って摩訶不思議な感覚も覚えました。そこで初めて、曲は自分で生んでいるというより、生まされている感覚というか、どこからかもらっているんだろうなって。いろんな刺激とか日々の出来事とかからもらいながら、“曲や詞は湧き出ているもの”ってすごく実感できた時間でもあるし。このメンバーで集まったとき、最初は曲がないじゃないですか? でも一緒に音を出したいので、「ソロで出した『兎に角、ジェネシス!!!!!』をバンドでやってみない?」ってところから始めて。


──アルバム『Opportunity』のDISC2として『兎に角、ジェネシス!!!!! -DracoVirgo version-』が付いていますが、それがDracoVirgoとしての幕開けの瞬間だったんですか?

MAAKIII:そうなんです。あと、ゲーム『Fate/Grand Order Epic of Remnant』のテーマ曲「清廉なるHeretics」を“毛蟹feat.DracoVirgo”名義で担当することになったときにも、おもしろいストーリーがあって。HIGH and MIGHTY COLORの産みの親とも言えるソニーの方がいるんですけど、その方がそのゲームに携わっていて。“毛蟹さんという方の作詞作曲で作りたい”となったとき、元ネタになったのがHIGH and MIGHTY COLORのデビューシングル「PRIDE」のカップリング曲「all alone」だったらしく。ソニーの方が、「だったら、演者がいるから呼ぼう」となったみたいで(笑)。

──演者というより、本人たちを(笑)?

MAAKIII:そうなんです(笑)。私とSASSYとmACKAzに同時に声を掛けていただいて。だから厳密に言うと、「清廉なるHeretics」が3人でレコーディングした初めての曲なんです。ソロでやっていたのはエレクトロポップな曲だったので、HIGH and MIGHTY COLOR節みたいな曲を歌うのは久しぶりだったから、“時間が掛かるかな、鈍ってるかな”とか思っていたんです。ところが歌い始めたらサクッと(笑)。やっぱりHIGH and MIGHTY COLORで培ってきたものが自然に出ちゃうんですよね。HIGH and MIGHTY COLORでの約3年は、自分の多感な時期と重なっていたので、“血となり肉となり”という言葉がピッタリで。

──バンドサウンドで久しぶりに聴くMAAKIIIの歌をどう感じました?

SASSY:シンガーとして良くなっているな、と思いましたね。ソロとして経験してから、DracoVirgoになったじゃないですか。そういう積み重ねがあるからこそ、以前からの武器も輝くというか。めちゃめちゃ良かった。ホント、マジでサクッと歌い終わったもんね。最初はちょっと緊張もしていたけど、それが解けたら、すぐに録り終わったんで。

MAAKIII:緊張しましたよ。レコーディングスタジオにはHIGH and MIGHTY COLORの産みの親もいたし(笑)、カッコいいところも見せたいし、いろんな思いが。

mACKAz:いろんな思い……(笑)?

MAAKIII:そう(笑)。あの頃のレコーディングは全然楽しくなくて(笑)。

mACKAz:そりゃ、そうだよ。沖縄の小娘がさ、急に「レコーディング」とかって言われたわけだから(笑)。

MAAKIII:ホント、摘ままれてポーンとスタジオに入れられたみたいな感じだったので(笑)。あの頃のみんながスタジオにいるので、かなり緊張したんです。でも温まると意外なほどにサクッと。自分が一番ビックリしました(笑)。


──「清廉なるHeretics」のレコーディング後、バンドをやるなら音楽スタイルもまた変えていこうと?

MAAKIII:すごくいい矢印というか道しるべになってくれた曲で。こういう曲を3人で音にして出すと、やっぱり気持ちいいんだなって。自分がそういう場所にハマるのはありがたいというか、わりと意識しなくても自然に出ちゃうってことは、これが自然な形だって認めざるを得ないというか(笑)。それも自分の中で意外だったんですけどね。その後にmACKAzが「KAIBUTSU」という曲を書いてきたとき、DracoVirgoとしての3人の意識が出来上がったんです。そのうえで『兎に角、ジェネシス!!!!! -DracoVirgo version-』をやってみると、お互いに引き立つ。エレクトロポップなサウンドも相乗効果になったというか。陰と陽がうまく絡んだような、ひとつの円になった感覚。

──ソングライターとして3人とも曲を作ってますよね。作曲者としての意外な側面も『Opportunity』から感じました。“mACKAzはこういうキャッチーな曲も作ることできたんだ?”と。

mACKAz:あっはは。書けるんですね。でも、ひとりで完成させていたら、アルバムに入れたようなアレンジにはならなかったと思う。自分が作ったうえで、メンバーからのアイデアとかエッセンスとかが入って、そこからアレンジを変えていくこともあったので。そこはバンドならではの部分。単なる足し算じゃなくて、掛け算なんだなって思いますね。

SASSY:最初になんとなく“こんな曲になるんだろうな”と想像しながら原曲を持って行っても、MAAKIIIのアイデアが入ると、予想もしない着地点に到達するんですよ。でも、それがめちゃめちゃいいんです。毎回、それを楽しみにしつつ曲出しをしてましたね。

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