【ライブレポート】究極のクイーン・トリビュートバンドが歌う、クイーンへの愛

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究極のクイーン・トリビュートバンド、QUEENESS(読み:クイーンネス)のライブが2月2日(日)、東京・Ginza Sony Parkにて開催された。

◆QUEENESS ライブ写真

QUEENESSは2008年結成の5人組トリビュートバンド。「ライブバンドとしてのクイーンの魅力を、より多くの人に届けたい」というフレディ・エトウ(Vo)の想いのもと、活動の幅を広げている。

会場となったGinza Sony Park地下4階のスペースは、階段まで埋め尽くす超満員。立ち見の観客も多かったが、グッズの撮影をし合う人、フレディ・マーキュリーのコスプレをする人の姿なども見られ、イベント開始前からあたたかな雰囲気が漂っていた。

ライブは、つい先日行われたクイーン+アダム・ランバートの来日公演と同じく、オーケストラ風のアレンジが施された「イニュエンドウ」でスタート。来日公演の記憶も新しいオーディエンスが期待の歓声を上げる中、続く「ナウ・アイム・ヒア」でフレディ・エトウが華麗に登場、黒い矢印があしらわれたジャケット姿で「輝ける7つの海」「炎のロックンロール」を立て続けに披露した。


QUEENESSは世界中のクイーン・トリビュートバンドの中でも特に個性的なビジュアルを持つが、演奏は本物だ。登場の瞬間こそ吹き出していた観客も、瑞々しいライブアレンジで繰り出される楽曲たちの前に、身体を揺らして歌声を上げ始める。この日のセットリストはクイーン+アダム・ランバートの来日公演<ラプソディ・ツアー>のセットリストから抜粋した構成だったが、今回“ご本人”たちが披露しなかった部分まで演奏されたので、観客の喜びも深い。

フレディ・マーキュリーさながらに観客を煽ったフレディ・エトウはこの日、英語と、片言の日本語でMCを披露。時事ネタに絡めた少々ブラックなジョークを飛ばしつつピアノの前に座り、「ドント・ストップ・ミー・ナウ」を歌い始める。数十年もの間ブライアン・メイ・サウンドを研究する清水一雄(G)のギターソロは、独特のタメや粘りまで“ブライアン・メイ”だ。


途中では、予定外だった「神々の業」をうっかり演奏してしまうという嬉しいハプニングも。続く「手をとりあって」は、ピアノ、ドラム、ベースの入ったバージョンで披露された。クイーン+アダム・ランバートは現在、同曲をギターの弾き語りで演奏しているので、会場に集まった若い観客の中には、フルバンドでのライブ演奏を始めて体験した者もいたことだろう。優しくも迫力のあるサウンドは、フレディ・エトウの滑らかなテノールとよく似合う。

この日は「'39」も、フレディが歌うバンド形式で披露。ジョン・ディーコンさながらの柔らかな微笑みを浮かべた野間口ヒロシ(B)が弾くベースラインが想像以上に派手で、スタジオ録音版とは違った新鮮な印象を受けるとともに、QUEENESSが訴える“ライブバンドとしてのクイーンの魅力”が、このような場面からも感じられた。


「ショウ・マスト・ゴー・オン」では天を指してフレディ・マーキュリーへの愛を歌い、「愛という名の欲望」では身振りまでスパイク・エドニーをコピーした横田雅人(Key)への“ちょっかい”の出し方まで堂に入ったフレディ・エトウ。「RADIO GA GA」では、会場にいるほとんど全員が手を挙げ、統率の取れたハンドクラップで音楽の一部となった。

オペラ部分の音源までQUEENESSが歌う「ボヘミアン・ラプソディ」で本編を終えた後、満場のアンコールに応え、イギリスと日本の国旗を背負って再登場した彼らは、松崎晃之(Dr)のパワフルなドラムに導かれ、アンコールの定番曲「ウィ・ウィル・ロック・ユー」「伝説のチャンピオン」を続けて演奏。クイーンへの愛を全身で訴えるバンドの姿に、観客は最後まで手を振り、声を張り上げて応えた。


トリビュート・バンドは、姿かたちやその演奏がどれほど“本物”と似ているかで評価されがちだ。しかし“トリビュート”という語は、決して“モノマネ”“代役”という意味ではない。「クイーンへの尊敬と愛」で観客と呼応するQUEENESSは、間違いなく「究極のクイーン・トリビュートバンド」だった。

なお、ライブの会場となった東京・Ginza Sony Parkでは、クイーンの音楽を“体感”するイベント<#013 QUEEN IN THE PARK ~クイーンと遊ぼう~>が3月15日(日)まで開催されている。


取材◎安藤さやか(BARKS編集部)

■QUEENESS 2月2日(日)セットリスト

1.イニュエンドウ(Instrumental)
2.ナウ・アイム・ヒア
3.輝ける7つの海
4.炎のロックンロール
5.ドント・ストップ・ミー・ナウ
6.愛にすべてを
7.神々の業
8.手をとりあって
9.地獄へ道づれ
10.アンダー・プレッシャー
11.ドゥーイング・オール・ライト
12.ラブ・オブ・マイ・ライフ
13.'39
14.ショウ・マスト・ゴー・オン
15.愛という名の欲望
16.RADIO GA GA
17.ボヘミアン・ラプソディ

[アンコール]
18.ウィ・ウィル・ロック・ユー
19.伝説のチャンピオン
20.God Save the Queen(Instrumental)

■<#013 QUEEN IN THE PARK ~クイーンと遊ぼう~>

開催期間:2020年1月22日(水)~2020年3月15日(土)
開催時間:10:00~20:00
会場:東京・Ginza Sony Park(銀座ソニーパーク)
入場無料
SNS:@ginzasonypark (Instagram、Twitter、Facebook)
ハッシュタグ:「#QUEENINTHEPARK」「#ginzasonypark」

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