【人間椅子連載】ナザレス通信Vol.68「骸骨」

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子供の頃、欲しくてたまらなかったのに買ってもらえなかったオモチャ、ありますよね。自分の場合はゴムの蛇とか、スパイ手帳とかですが、とりわけ骸骨の貯金箱が欲しくてたまりませんでした。柩に横たわった骨の手がぬ~っと伸びてお金を持って行くあの貯金箱です。骸骨というだけでワクワクするのに、ゆっくりと動くわけですから子供の心を鷲掴みです。クラスメイトが学校に持ってきて見せびらかすので尚更です。その後も買うタイミングを逸しましたが、気味の悪いものが大好きなまま大人になって今に至っています。

ある時、親戚が集まった席で叔父が明かして初めて知ったのですが、自分の父親は幼少の頃、戦地の兵隊さんを励ます慰問袋に骸骨の絵を描いて贈ったそうです。死と隣り合わせの渦中にそんな贈り物とは空気を読まないのにも程がありますが、父にしてみれば大好きなものの絵を描いて暗い気持ちを和ませたかっただけなのかもしれません。面白いことに、それを受け取ったくじ運の悪い兵隊さんさんから返事が返ってきて、「がいこつさん、贈り物ありがとうございます」と書いてあったそうです。心の優しい兵隊さんに当たって本当によかった。そして、自分が骸骨が好きなのは血筋だったのだなぁと思い至ったのでした。

そんな気味の悪いもの好きの自分が一目惚れしたレコードジャケットがあります。OZZY OSBOURNEの「Diary Of A Madman」です。血のり、蝋燭、蜘蛛の巣、そして骸骨と、自分の大好物が散りばめられた最高のジャケットです。OZZYがライブで蝙蝠を食いちぎった頃の作品。ロックアルバムのジャケットには芸術的で格調高いものも多いですが、それよりはこの手のB級ホラー映画のポスターのようなものの方が好みです。日本で作るなら昔ながらのお化け屋敷の雰囲気でしょうか。ろくろっ首の和嶋くんが歯でギターを弾き、頭に開いた巨大な口から牙を剥くノブくんがドラムを叩き、自分の笑う生首が転がる脇で首のない坊主がベースを弾くジャケットなんかどうでしょう。人間椅子を知らなくても、ついつい手を伸ばして買ってしまう物好きがいらっしゃるかもしれません。何しろ自分がそうだったのですから。BLACK SABBATHは好きでしたが、OZZY OSBOURNEがそのボーカルだとは知らず、ジャケットがあまりにかっこよくて買ったのです。こんなに素晴らしいジャケットの中身が悪いはずもなく、ソロになってからの最高傑作と断言します。そんなOZZYが何年か振りに新譜を出すそうです。楽しみです。


こんな原稿を書いていたら、また人間椅子の物販の新商品が浮かんできました。骸骨の首をメンバーにすげ替えただけの貯金箱はどうでしょう。あまりに真似がひどいか。では、音に反応して身体をくねくねさせて踊る人間椅子人形はどうでしょう。これもネットで叩かれること間違いありません。

今回のマイベストテープ~骸骨が描かれたジャケットの曲

A1.Russian Winter / KROUKUS ~「Headhunter」より
A2.United Forces / S.O.D.~「Speak English Or Die」より
A3.Seasons In The Abyss / SLAYER ~「 Seasons In The Abyss」より
A4.Chosen Ones / MEGADETH ~「Killing Is My Business…And Business Is Good!」より
A5.Killing Yourself To Live / BLACK SABBATH ~「Sabbath Bloody Sabbath」より
B1.The Meaning Of Life / OFFSPRING ~「Ixnay On The Hombre」より
B2.Star / NAZARETH ~「No Mean City」より
B3.Sweet Child O' Mine / GUNS N' ROSES ~「Appetite For Destruction」より
B4.(Don't Fear)The Reaper(Live)/ BLUE OYSTER CULT ~「Some Enchanted Evening」より
B5.Loose Goose / DUST ~「Dust」より



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