【対談_後編】deadman × gibkiy gibkiy gibkiy、名古屋系の過去〜未来「いい殺し合いが出来たら」

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deadmanとgibkiy gibkiy gibkiyが2月20日より、東名阪ツーマンツアー<deadman & gibkiy gibkiy gibkiy「give me blood」>を開催する。唯一無二な存在感や漆黒の深淵を奏でるかのようなサウンドは他の追随を許さない彼らならではのもの。両バンドメンバーのつながりは深く、1990年代中盤〜後半の名古屋時代にまで遡るという。

◆deadman × gibkiy gibkiy gibkiy 画像

BARKSではツーマンツアー<give me blood>開催を前に、gibkiy gibkiy gibkiyのkazuma(Vo)、deadmanの眞呼(Vo)、ギタリストとして両バンドを兼ねるaie(G)を迎えて対談を実施した。その前編では各々の出会いや知られざる抱腹絶倒エピソードが語られたが、後編はgibkiy gibkiy gibkiyとdeadmanというバンドの成り立ちと現在形、そして<give me blood>がつなぐ未来にスポットを当てた。「いい殺し合いみたいなのが出来たら一番いいんじゃないかな?」とはkazumaの弁だが、ツーマンツアーでは“名古屋系”と形容される彼らの本質が剥き出しにされるはずだ。

   ◆   ◆   ◆

■この時代のマニュアル的なものに
■抵抗するというか──kazuma

──それぞれの歴史があってのツーマン<give me blood>であることが、対談前編で語られたわけでして。今回はその後編となります。aieさんは両バンドのギターでもありますが、gibkiy gibkiy gibkiy (以下、gibkiy)につながるhighfashionparalyze (kazumaとaieにより2010年結成)が始まった頃の話を、まず聞かせてもらえますか?

aie:kazumaさんは俺がthe studs (2007年4月結成 / 2009年夏、活動休止)をやってるのを知らなかったんですよ。で、連絡をもらった時にはバンドが終わっててフリーランス状態だった。

──話をしてみてどうだった?

aie:俺、deadmanをやってたからだと思うんですけど、すげぇkazumaさんの言ってることがわかるんです。眞呼さんとやってて良かったというか、近いんですよね。

眞呼:具体的に言うんじゃなくて、抽象的に言ってしまうんだと思う。

aie:そう! それで鍛えられてるから。

眞呼:ははは。

aie:kazumaさんから「ギターとヴォーカルだけでやりたいんだけど」って言われて、「具体的にどういうものですか?」って聞いたら、「傷で言えば血だらけでベトベト」って。「おーっ! なんかわかります!」と。

眞呼:ははは。

aie:「なんかやれそうです!」って(笑)。そういうのは眞呼さんから学んでるんで。

眞呼:映画のサントラのように言ってしまうのはヴォーカリストの悪い癖ですね。

aie:「わかるわかる!」って言えてるからやれてる。

▲kazuma (gibkiy gibkiy gibkiy) × 眞呼 (deadman)

──面白いことを始めたなぁって思ってました。

aie:歌謡曲は好きだけど、判で押したようなバンドは嫌いだから、そういう部分もあってkazumaさんや眞呼さんと合うんだと思う。だけどhighfashionparalyzeは最初、凄い試行錯誤しました。

──例えば?

aie:“何をやるのが正解なんだろう?”って。テルミンとか演奏しようかなって思いましたからね(一同笑)。やることがわかんないから。機材も増やして、ギターをループさせて何本もの音を重ねて、とかって考えましたけど、やっていくにつれ、“そういう小賢しいことをしないのが正解!”って。そこへ辿り着くのに、1年くらいかかりましたね。

──kazumaさんはどうしてaieさんに声をかけたんですか?

kazuma:それまではSmellsをやってて、活動休止みたいな形にしたんですけど、ギターレスのバンドだったから、今度はギターとやろうかな?っていう単純な理由なんです。aieくんの存在はもちろん知っていたけど、眞呼と一緒にやってたとか、スタジオで顔を合わすくらいであんまり話したことなかったよね?

aie:はい。

kazuma:deadmanを聴いてたからどういうギターを弾くっていうのは知ってましたけど、そういうことは全く考えてなかったんですよね。話をした時に「ニュアンス的にこういうのがやりたい」って伝えたり、サンプルとしての音もギターが入ってないものを渡したり。それに対しての反応が「これ、ギターが入ってないじゃないですか?」っていう反応じゃなかったんですよね、「わかりました」って。“あ、なら一緒にやれるな”って。

aie:ははは。

kazuma:悪い言い方をすると“かまをかけた”っていうか、これを提示したらなんて答えるかな?って思ってたら、驚くこともなく普通の反応だったんですよね(笑)。その時、僕も試行錯誤してて、こういう音をやろう!っていう明確なものがなくて、aieくんとやったらこうなったって感じですかね。何のコンセプトもなしにスタジオに入って、もちろんそこで他のパートのことも考えたこともあるんですけど、とりあえずライヴをやっちゃえばいいって思ったんです。

──実験的なステージだったように記憶してます。

kazuma:その頃、僕も何か違う形でわけのわからないことを言ってたらしいです(笑)。「highfashionparalyzeでの1枚目は一発録りでいこう! そういうものを提示して、“次、2枚目はどうする?”って時に「なめした革」とかを作品で出したらどうだろう?」って。今、この時代のマニュアル的なものに抵抗するというか……その時にたまたま言葉が出てこなかったから、歌詞はない、とか。

──確かに歌詞はなかったですね。

kazuma:お客さんとかに「バンド形態で見たいです」ってよく言われたんです。「いやいや、これがバンドだから」って。そういう固定概念みたいなものに囚われたくないって、極端に思ってた頃なんですよね。

──眞呼さんはhighfashionpalaryzeのライヴを観てる?

眞呼:僕、バンドを辞めてから、一切やめたんです、音楽聴くのも。だからあんまり知らないです。

──そこには空白の時間があるわけですね。

眞呼:そう。

◆対談【2】へ
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